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IAU免震検討中 [更新日時] 2011-08-20 13:03:59
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別スレで話が出たので作る事にしました。
数多い免震システムの中からIAU免震システムを選んだ方の経験談や検討されてる方の情報の場に出来たらと思いますので宜しくお願いします。

[スレ作成日時]2011-05-31 12:22:09

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IAU免震システムの評価

  1. 61 匿名さん

    >「免震」なのに、耐震性能を上げる必要がある「免震」もあるということです。それは実は、免震性能が悪いのです。
    >免震選択時にこの点は「要注意」です。
    >
    この点をどう注意すれば良いのでしょう。
    IAUにすればOKと言う事でしょうが、他社の名前は出しにくいとしても、
    どのような方式の免震は戸建免震の性能が悪い、良いという点が知りたいですね。

  2. 62 IAU

    朝から、多くの書き込み、驚いています。
    >>57>>59>>60、の方々、ありがとうございます。
    専門の方でないとご理解が難しいようです。そのために一般の方向けに分かりやすく書くと、「長々書く程言い訳っぽく感じるよ・・・」(No.55)ということを書いてきます(確かに「言い訳」の意味不明です)。困ったことです。
    地震の周期成分の話が難しいのでしょう。
    >速度の大きい地震が怖いんだよ。全壊率とよく相関する。
    の説明は分かりやすいです。
    ありがとうございました。

  3. 63 IAU

    >>61の匿名さん
    ご質問ありがとうございます。

    >「免震」なのに、耐震性能を上げる必要がある「免震」もあるということです。それは実は、免震性能が悪いのです。
    >免震選択時にこの点は「要注意」です。
    >この点をどう注意すれば良いのでしょう。
    >どのような方式の免震は戸建免震の性能が悪い、良いという点が知りたいですね。
    について、
    簡単に説明します。

    ★ゴム系・バネ系の免震の場合は、固有周期4秒をめざしていますので、それが目安です。
    固有周期の短いものが悪いのです。
    ところが、木造・鉄骨等の戸建住宅では、軽いために積層ゴムだけではほとんど免震しません。
     T=2π√(M/K)
    という固有周期を求める式があります。
    この式の通り、木造・鉄骨等の戸建住宅は軽い(M:質量)ので、固有周期(T)が伸びず、すなわち、免震性能が悪い、という問題がありました。
    そこで下記の摩擦系(すべり系・転がり系)免震を併用します。

    ただ、摩擦系(すべり系・転がり系)免震で、ゴム系・バネ系復元材を併用すると、固有周期をもって、長周期地震に免震しないどころか共振を起します。それが一番問題です。
    長周期地震を考えると、摩擦系(すべり系・転がり系)免震でも、ゴム系・バネ系復元材を併用しないのがよいのです。また、球面皿のすべり系・転がり系免震支承も、固有周期をもって、長周期地震に免震しないどころか共振を起します。

    ★摩擦系(すべり系・転がり系)の免震の場合では、摩擦係数です。摩擦係数が小さい方が「免震性能」が良いのです。
    ・すべり系: 1/10(0.5/10~)
    ・転がり系:1/100(2/1000~2/100程度)
     「すべり系免震」とは、鉄板・ステンレス板の上を、低摩擦材ですべらせる、スライドさせる方式。
     「転がり系免震」とは、鉄板・ステンレス板の上を、ボール・ローラー等で転がせる方式。
    「転がり系免震」に比べて「すべり系免震」の方が、10倍程度、摩擦係数は悪いのです。復元材・ダンパー等を使用しますので、このまま、ダイレクトに「免震性能」に影響しませんが、この10倍という値の影響は大きいです。

    また、「免震性能」を含んだ「免震」全般について言えば、
    (社)大阪府建築士会の会報誌「建築人」5月号
    http://www.menshin.jp/pdf/201105kenchikushikai.pdf (「戸建住宅の免震について」)
    をご参照下さい。
    「免震の選択」のチェックポイントは
    1.免震性能が良い。
    2.強風時に揺れない。
    3.長周期地震に共振しない。
    4.地震後に建物が元に位置に戻る。⇒ 大震災後、建物を戻すために大変なことになる。
    5.不同沈下に強い。 ⇒ 不同沈下で基礎が傾くと、建物がずれる免震が多い。
    です。

  4. 64 IAU

    >>63に続く
    もうひとつ「免震」の大きな特徴(「地盤判定」)について
    今回の大震災では、地盤のことが大きく取りざたされています。

    「告示免震」(平成12年告示第2009号の「免震」)では、
    ・第1種地盤
    ・液状化のしない第2種地盤
    でしか、建てられません。
    http://www.icba.or.jp/kokuji/kaisei/h12_2009.htm
    液状化の判定も2段階です。相当に厳しい判定が入ります。

    これからの戸建て住宅も、このような地盤判定をして、建てるべきでしょう。

  5. 65 IAU免震検討中

    IAUさんへ質問です。

    以前 東日本大震災で御社の免震システムを使用した建物は
    損傷が無かったとお聞きしたと思うのですが
    実際免震システム自体に何ら不都合は生じなかったのですか?

    これは噂話の類ですが、○条工務店の免震システムを使用した家で
    2件が滑り支柱がスライダーから落ちてしまい
    関係者が来て速攻で元の位置に戻したという話が有ったので
    ちょっと気になってました。

    それと、根拠を出した説明は素人には解り辛いので
    一切問題なかったか、一部でこんな以上が出たという風に
    簡素化して書いていただくと助かります。

  6. 66 IAU

    >>63に続く

    ここで加速度と震度の話をします。
    0.6秒周期でみると現行の気象庁震度階は、
    0.8gal以上 震度1
    2.5gal以上 震度2
      8gal以上 震度3
     25gal以上 震度4
     80gal以上 震度5弱
    140gal以上 震度5強
    250gal以上 震度6弱
    450gal以上 震度6強
    800gal以上 震度7
    となります。

    ここで、「免震告示」の規定での(>>48参照)
    地震入力300~400gal=震度6弱程度=極めて稀な地震 ⇒ 無損傷
    これが難しい。
    「非免震」(いわゆる「耐震」)では、
    地震入力 80~100gal=震度5弱程度=稀な地震    ⇒ 無損傷
    ですから、
    これを上部構造として使用するので
    地震入力を 目安として80~100gal程度に抑えられるか、
    建物ごとに計算して建物応答値(地震の建物応答(増幅)倍率は2.5倍程度です)として、
    C0=0.2 ⇒ 建物応答 200gal ⇒ 無損傷 
    200gal程度に抑えられるか、
    です。

    ここで、復元装置(バネ・ゴム)+ダンパーをもたない、すべり系転がり系の摩擦係数型装置を考えると、
    建物入力加速度≒1000×摩擦係数(gal)
    です。

    1.すべり系免震:摩擦係数= 1/10(0.5/10~)
    2.転がり系免震:摩擦係数=1/100(2/1000~2/100程度)

    これは動摩擦係数ですので、静止摩擦係数は一般的に約2倍(免震が始まる段階)。
    1.すべり系免震:摩擦係数= 2/10
    2.転がり系免震:摩擦係数=2/100
    から

    1.すべり系免震の建物入力加速度≒200gal
    2.転がり系免震の建物入力加速度≒ 20gal
    となります。

    これから分かりますように、
    地震入力を 80~100galに抑えられるのは、「転がり系免震」だけとなります。
    すべり系免震の摩擦係数を 0.5/10としても100galでギリギリです(摩擦係数=0.5/10をめざさないといけない理由はここにあります)。
    それに、経年変化、復元装置+ダンパーを与えると、免震性能が悪くなるので、無理な可能性も出てくる。但し応答として免震はスウェイ運動に近い場合もあるが、しかし値に全く余裕がない。
    そこで、上部構造の耐震性能上げて、C0=0.3(耐震等級3)等にして対応することが出てくる、ということです。

    ここで、分かりますように、復元装置(バネ・ゴム)+ダンパーをもたない状態で、

    1.すべり系免震の建物入力加速度≒200gal ⇒震度5強(100galとしても震度5弱)
    2.転がり系免震の建物入力加速度≒ 20gal ⇒震度3 (10galとしても震度3)

    の差はあまりに大きい。
    復元装置(バネ・ゴム)+ダンパー※を入れるともっと上がる。
    「すべり系免震」が、「告示免震」では「極めて稀な地震で無損傷」の規定で、非常に苦しむ原因です。


    ※必ずしも下がるとは限らない。

  7. 67 IAU

    >>65へのご回答
    以前にもご回答していますが、
    IAUは免震装置メーカーですので、建物は全国の工務店・ハウスメーカーが維持管理しています(維持管理は義務付けられています)。そこからの報告という形になっています。
    http://www.iau.jp/110502TVmenshin.htm
    http://www.iau.jp/110519TVmenshin.htm においての説明の通り、
    「「免震」に関する告示(詳細な説明あり、省略)の条件下において、2000年の1号棟から現在までのところ、 IAU免震装置の製品欠陥・故障による、強風、地震(東日本大震災を含む)時の建物被害は、報告されていません。」
    の通り、
    2000年の1号棟から現在(東日本大震災を含む)までのところ、
    IAU免震装置の製品欠陥・故障による、強風、地震時の建物被害は、報告されていません。
    ということです。

  8. 68 IAU

    >>63に続く

    「免震の選択」のチェックポイントについて、
    これからの説明のために、並べ変えました。
    1.免震性能が良い。
    2.長周期地震に共振しない。
    3.地震後に建物が元に位置に戻る。⇒ 大震災後、建物を戻すために大変なことになる。
    4.不同沈下に強い。 ⇒ 不同沈下で基礎が傾くと、建物がずれる免震が多い。
    5.強風時に揺れない。

    まず、1と2について説明します。
    1について、>>66で説明済みです。
    2については、今回の大震災では、関東地方は長い時間の長周期地震で大変でした。
    まず、1と2とによる免震分類です。

    以下、軽量の戸建免震に限っての話で説明します。、
    積層ゴム単独では、軽量戸建は免震しないので、以下の2タイプになります。
    低摩擦係数材(転がり系免震・すべり系免震)を利用するということです。

    1.転がり系免震:摩擦係数=1/100(2/1000~2/100程度)
    2.すべり系免震:摩擦係数= 1/10(0.5/10~)
    ・「転がり系免震」とは、鋼板・ステンレス板の上を、ボール・ローラー等で転がせる方式。
    ・「すべり系免震」とは、鋼板・ステンレス板の上を、低摩擦材ですべらせる、スライドさせる方式。

    ここで、1.2.タイプごとに、長周期地震対応で2タイプの分かれる。
    A.非固有周期型免震
    B.固有周期型免震 :ゴム型 T=2π√(M/K)、球面型 T=2π√(R/G)

    それで、分類すると、4タイプの分かれます。
    1.転がり系免震(免震性能良い)
    1A:転がり系非固有周期型免震 長周期地震に共振しない
    1B:転がり系固有周期型免震  長周期地震に共振

    2.すべり系免震(免震性能悪い)
    2A:すべり系非固有周期型免震 長周期地震に共振しない
    2B:すべり系固有周期型免震  長周期地震に共振

    現状の(合法の)免震は、この分類で整理できます(エア断震も単に摩擦係数だけの話です)。

    ただ、非固有周期型免震は、まだほとんどありませんが、
    IAU免震は、非固有周期型の免震です。

    IAU免震は、1Aで、免震性能良く、長周期地震に共振しない
    ということです。

  9. 69 IAU免震検討中

    >>65へのご回答ありがとうございました。

  10. 70 IAU

    >>68に続く
    >長周期地震対応で2タイプの分かれる。
    >A.非固有周期型免震
    >B.固有周期型免震
    について、

    B.「固有周期型免震」は、
    この理論の要は、「大きくゆっくり揺らして地震力を低減」という考え方です。
    しかし、本来の免震は、大きくゆっくり揺らすより、「建物自体が揺れない」ことが理想です。
    A.「非固有周期型免震」
    は、それをめざしたものともいえます。

    数学の分類に基づくと、
    非線形⇒非固有周期型免震=非共振系免震
    線形 ⇒固有周期型免震 =共振系免震
    と分けても良いかもしれません。
    IAU免震の考え方は、「非固有周期型免震」であり、「地震力絶縁型」といっても良いでしょう。地面が揺れても止まっている「不動点状態」にするというのが基本的な考え方です。

    固有周期型免震は、「柳のように揺らして地震力を軽減」の超高層建築理論の延長上です。
    この理論では、地震周期(卓越周期)よりも「免震」の周期を最低でも2~3倍程度に伸ばしたいのですが、想定の地震周期よりも長い周期の地震がくると免震性能が落ち、「免震」の周期に近い地震が来ると共振します。
    現状の「免震」は、固有周期が2~4秒のものが多いですが、地震周期(卓越周期)が2~4秒だと、免震しないどころか共振を起します。共振を起すと「耐震(非免震)」より危険なことになります。これが、長周期地震の問題です。
    (超高層理論の当初、「長周期地震」などないと勝手に思い、超高層理論、免震理論を作り上げてきたところがあります。)
    それも長周期地震が、近年観測される頻度が多くなりました(地震活動期に入ったからでしょう)。
    今回の東日本大震災でも観測され、関東地方では継続時間の非常に長い「長周期地震」に襲われ、非常に大変でした。
    「固有周期型免震」では、大きく揺れて、地震力が低減していないどころか(ダンパーで抑制していますが)増幅する場合もあり、非常に大きく揺れ、被害がでる場合もありました。

    「免震」の次の段階を考えると、
    A.非線形型免震=非固有周期型免震=非共振系免震
    に切り替えないといけないということです。
    さらに、この「非共振系免震」をつければ、超高層建物も長周期地震で共振しないということです。
    この免震理論では、現状の「免震」と「超高層建物」の長周期地震での共振問題を同時に解決できるということです。
    「超高層建物」も大きく揺れない「超高層建物」に変わる。地震時に揺れない「超高層建物」に変わるということです。

  11. 71 IAU

    >>70に続く
    「固有周期型免震」のもうひとつの問題について
    >>68
    >3.地震後に建物が元に位置に戻る。⇒ 大震災後、建物を戻すために大変なことになる。
    について、
    「固有周期型免震」は、地震後に元の位置にも戻りにくい。

    少し詳しく説明します。>>68
    >B.固有周期型免震
    の固有周期(T)を求める式があります。
     T=2π√(M/K)
     K:バネ定数(復元力に繋がる係数)
     M:質量
    免震性能を上げるためには、できるだけ固有周期(T)を伸ばしたい(周期を大きくすればするほど免震性能が上がります。T=∞が理想です)。
    そのためには、
    ・バネ定数(K)小さくするか、
    ・質量(M)を大きくするか(建物の重さを大きくするか)、
    となります。
    ただ、木造・鉄骨等の戸建住宅は軽いので、質量(M)を大きく出来ません。大きくすること自体が不経済です。そこで、バネ定数(K)を小さくします。

    しかし、下式によって、バネ定数(K)を小さくすると、復元力(F)が小さくなります。
     F=K・X (バネばかりの式、フックの法則です)
    その結果、建物が元の位置に戻りにくくなるということです。
    さらに加えて、
    X(元の位置からの距離)が小さいほど、元の位置に近づけば近づくほど、戻りにくくなるということです。
    その上、邪魔をするのが、「摩擦係数」です。
    摩擦係数の大きい「すべり系免震」の方が戻りにくくなるということです。
    また、ダンパー(減衰材)も元の位置に戻ることの邪魔をします。
    (「すべり系免震支承」も「減衰材」の一種です。「転がり系免震支承」は「減衰材」としての能力はきわめて小さいため「ダンパー」を別に設けますので、結局、戻りにくくします。)

    地震後に建物が元の位置に戻らないのでは、これは次に襲ってくる余震のためにも問題です。
    また、地震後、建物を戻すために大変なことになります。
    普及すれば普及するだけ、建物を戻すために大変なことになります。
    今回の東日本大震災時に、かりに、関東以北の建物全てが、「固有周期型免震建物」(固有周期が長く、減衰抵抗が大きい場合は特に※)であった場合、建物を戻すために大変なことになっていたと思います。

    このように、
    「固有周期型免震」は、>>70記載の「長周期地震」と「地震後に元の位置にも戻りにくい」という、かなり大きな問題を抱えています。

    この2つの問題から、
    A.非線形型免震=非固有周期型免震=非共振系免震
    に切り替えないといけないということです。

    ただ、非線形型免震=非固有周期型免震=非共振系免震
    であれば、「原点復帰能力」があるとは限りません。
    そのため、IAU免震では、
    非線形型免震=非固有周期型免震=非共振系免震であっても、さらに「原点復帰能力」を高めています(免震支承、ダンパー、風揺れ固定装置の、個々の機構によって、より高い「原点復帰能力」を実現しています)。


    ※「固有周期が長く、減衰抵抗が大きい場合は特に」について
    固有周期が短い場合には、減衰抵抗を大きくしておかないと、比較的周期の短い「長周期地震」でも共振します。
    固有周期が長い場合には、それ自体で戻りにくい上に、「長周期地震」対策で「減衰抵抗」を上げさせられていると、ほとんど戻らなくなります。
    また、「地震波は原点復帰する」と思われていた時期があり、復元力を極端に小さくして長周期化を図った免震は、それに期待していたところがあると思います。
    しかし、実は、地面は地震後に原点復帰してくれないことが分かってきています。
    今回の東日本大震災での地殻変動を例に取れば、地震時に地面(敷地)は、GPS観測の結果から、数十cmまたはそれ以上のずれ(東日本大震災では牡鹿観測点で約5.3mの水平移動を観測)を起してしまい、敷地が移動して、元の位置に戻らない状態になるわけです。
     http://www.jishin.go.jp/main/chousa/11apr_sanriku-oki3/index.htm
    そして、その影響を「原点復帰の能力を小さくした免震」は、大きく受け、建物は元の位置に戻らなくなるわけです。
    また地盤の傾斜の問題も大きいでしょう。その傾斜の方向に、地震後、建物がずれてしまうことにもなります。
    それが、>>68
    >4.不同沈下に強い。 ⇒ 不同沈下で基礎が傾くと、建物がずれる免震が多い。
    での話です。

  12. 72 IAU

    >>71に続く
    「固有周期型免震」の問題について
    >>68
    >5.強風時に揺れない。
    について、
    「固有周期型免震」のこの関連問題について、

    E.地震揺れ
    E1.地震中に大きく揺れる
    E2.地震後も揺れ続ける

    W.強風揺れ
    W1.強風時に揺れる
    W2.強風後も揺れ続ける

    の問題がありますので、全体を整理します。

    E1.地震中に大きく揺れる
    は、>>70に書きましたが、もう一度整理します。
     F=K・X (フックの法則です)
     F:復元力
     K:バネ定数
     X:原点からの距離
    に由来しています。
    ここで、免震性能を上げるためには、できるだけ固有周期(T)を伸ばすのため、バネ定数(K)小さくする。
    Kが小さいために、大きな地震力に対して、X(原点からの距離)が大きくなる。
    これが地震中に大きく揺れる理由です。
    「大きくゆっくり揺らして地震力を低減」
    「柳のように揺らして地震力を軽減」
    という考え方になります。
    IAU免震の考え方の、「非固有周期型免震」「地震力絶縁型」「不動点状態」にするという基本的な考え方とは全く違います。

    E2.地震後も揺れ続ける
    また、ゴム・バネだけでは、減衰しない。揺れが止まらない。
    そこで「ダンパー(減衰材)」を入れますが、これも、速度比例型ダンパーが多いため、速度が小さいと減衰抵抗が小さくなる(ゴムに減衰性能を入れている場合かある)。
    そのため、揺れが小さくなる(速度が小さくなる)と、ダンパーも効かなくなる。そのため、揺れがなかなか止まらなくなります。
    これが、地震後も揺れ続ける原因です。

    W1.強風時に揺れる
    これも
     F=K・X 
    に由来しています。
    免震性能を上げるためには、できるだけ固有周期(T)を伸ばすのため、バネ定数(K)小さくしている。
    Kが小さいために、風に対する抵抗力がなく、大きな風力に対して、X(原点からの距離)が大きくなる。
    これが強風時に大きく揺れる理由です。

    W2.強風後も揺れ続ける
    ゴム・バネだけでは、減衰しない。揺れが止まらない。
    そこで「ダンパー(減衰材)」を入れますが、これも、速度比例型ダンパーが多いため、速度が小さいと減衰抵抗が小さくなる(ゴムに減衰性能を入れている場合かある)。
    そのため、揺れが小さくなる(速度が小さくなる)と、ダンパーも効かなくなる。そのため、揺れがなかなか止まらなくなります。
    これが、強風後も揺れ続ける原因です。地震後の揺れ続けと同じ話です。

    これらの問題のうち、 E1.地震中、E2.地震後、W2.強風後の揺れ問題解消には、
    A.非線形型免震=非固有周期型免震=非共振系免震
    への切り替えが有効な場合がありますが、
    W1.強風時に揺れる
    の解決は別です。

    そこで、IAU免震では、 この「強風時揺れ」問題解決のために、「風揺れ固定装置」を別に設けるしかないという結論に達し、「風揺れ固定装置」を開発したのでした。
     http://www.iau.jp/m-2.htm#wind

  13. 73 IAU

    >>46
    >今回の東日本大震災の本震は、木造を倒壊させる1秒台の成分が少なかった。
    >そのため、全壊等の被害が少なかったのです(しかし、全壊戸数11万戸以上、宮城県だけでも全壊7万戸以上の発表を見て驚いています)。
    >しかし、この結果を見て安心などとは決していえません。
    >木造を倒壊させる1秒台の成分が少なかったお陰だからです。
    の資料は、
    政府中央防災会議(委員は全閣僚 http://www.bousai.go.jp/chubou/meibo.pdf )の
    ・中央防災会議第27回(平成23年4月27日)
     http://www.bousai.go.jp/chubou/27/index.html
    (1)「東北地方太平洋沖地震-東日本大震災-の特徴と課題」
      説明:阿部 勝征(中央防災会議委員:東京大学名誉教授) 資料1(PDF:7.37MB)
     http://www.bousai.go.jp/chubou/27/shiryo1.pdf
    の7頁参照してください。
    今回の地震波は、速度応答スペクトルで、1秒台の成分で、最大クラスで、60~100cm/s、
    阪神大震災のものは、200~400cm/sに近い。3~4倍違う。
    加速度より、速度の方が全壊率とよく相関するので、
    「今回の地震は、木造家屋の倒壊に影響が大きい周期の地震波形が少なかったため、地震による家屋倒壊が少なかったと推測」
    と、中央防災会議の資料に書いている通りです。

  14. 74 IAU

    >>72に続く
    ここで、
    >>63
    「免震の選択」のチェックポイントは
    1.免震性能が良い。
    2.強風時に揺れない。
    3.長周期地震に共振しない。
    4.地震後に建物が元に位置に戻る。
    5.不同沈下に強い。
    は、
    現状の多くの「免震」=固有周期型免震(ゴム・バネ復元装置系免震)
    の問題の裏返しだったのです。
    以下、固有周期型免震の問題を再整理します。

    1.免震性能、木造・鉄骨造の軽量建物では、積層ゴム単独では免震しない。⇒ >>63
      1B:転がり系固有周期型免震=免震性能良い。⇒ >>66>>68
      2B:すべり系固有周期型免震=免震性能悪い。⇒ >>66>>68
    2.長周期地震に共振する。⇒ >>70
    3.地震後に建物が元に位置に戻りにくい。⇒ >>71
    4.不同沈下に弱い。⇒ >>71
    5.強風時に揺れる。⇒ >>72
      地震後も揺れ続ける。⇒ >>72
      強風後も揺れ続ける。⇒ >>72

    しかし、
    5.強風時に揺れる(軽量建物・高層建物の場合でも揺れる)
    に関しては
    >A.非固有周期型免震
    >B.固有周期型免震
    のどちらでも、
    解決しにくいということです(非固有周期型免震は「共振問題」の解決です)。

    このままでは、「免震」が普及すると、日本の建物は強風に弱い状態になります。
    それを解決せざるを得なかったのです。
    その解決が、IAUの「風揺れ固定装置」でした。
     http://www.iau.jp/m-2.htm#wind
    これはビル免震にもつけます。IAU免震ビルは強風でも揺れないということです。
    しかし、ビルよりも、木造・鉄骨造等の戸建住宅が、軽量ゆえに、大変だったということです。

  15. 75 IAU

    >>74に続く
    ここで木造・鉄骨造等の軽量の戸建住宅の「強風対策」について説明します。

    1.免震性能、木造・鉄骨造の軽量建物では、積層ゴム単独では免震しない。⇒ >>63
      1:転がり系固有周期型免震=免震性能良い。⇒ >>66>>68
      2:すべり系固有周期型免震=免震性能悪い。⇒ >>66>>68
    からスタートしていますが、
    結局、木造・鉄骨造等の戸建住宅は、より高い免震性能にするために
      1.転がり系免震:摩擦係数=1/100(2/1000~2/100程度)
      2.すべり系免震:摩擦係数= 1/10(0.5/10~)
    のどちらかを採用しています(IAU免震は、固有周期型を採用していません)。

    ここで、「すべり系免震」を採用する手もありました。
    (「転がり系免震」は、風に弱いということがあります。それは、フラットな免震皿に転がり(ボール・ローラー)の場合です。IAU免震は、勾配を付けていますので、「すべり系免震」の免震性能の良いものとほぼ同等の強風に対する抵抗を持っています。)

    しかし、「すべり系免震」では、>>66記載のように、免震性能が悪く、上部構造を「無損傷」に抑えるためには、耐震等級を上げないといけない場合もあります。
    しかも、強風時の性能も、最大瞬間風速20m/sを超えてくると風で揺れる可能性が出てきます。
    その最大瞬間風速20m/sの風もしばしば吹きます。
    結局、「すべり系免震」の採用は、免震性能、強風対策も、満足していない中途半端なものになるという事に、開発中に気づきました。
    また、免震化費用も、鋼製架台が全体費用に占める割合が高く、免震装置費用の割合は半分程度、場合によっては半分以下ということもあり、そこで、免震装置費用をケチって、中途半端なものにする必要もない、ということになりました。
    結局、「転がり系免震」を採用をして、「風揺れ固定装置」も同時に開発するということになりました。

    その結果、
    「転がり系免震」+「風揺れ固定装置※」+「ダンパー」
    という形になり、「転がり系免震」では、このかたちが主流になりました。
    そして、
    「高い免震性能」+「高い耐風性能(強風に揺れない性能)」
    が実現するということになりました。

    しかし、いまだ「転がり系免震」で「風揺れ固定装置」をもたない製品があります。
    「転がり系免震」+「ダンパー」
    だけというものです。
    「すべり系免震」でも風揺れ対策が大変なのに、これで本当に大丈夫かと言う印象はあります。
    (「ダンパー」は「転がり系免震」では通常つけますが、「ダンパー」だけでの風対策は通常は不十分で考えられません。)

    ここで「風」について、整理しますと、
    ・風で揺れる「免震」
    ・風で揺れない「免震」
    があるということです。
    「免震」には、風で揺れる「免震」が混じっているということです。

    地震は、何十年かに一回大きなものが来ますが、台風は毎年襲来し、冬場の強風もしばしばです。
    強風対策が不十分なものは、許されません。
    「風揺れ固定装置」が開発され、
    「風で揺れない免震」が当たり前になってくると(時間が経つに従い、それも相当に経ちますが)、
    「風で揺れる免震」は、「欠陥」として許されなくなってきます(まだ許されている状態が不思議です)。
    地震に強い「免震」が普及しても、その代わり、日本の建物が、風で弱くなる=「風で揺れる」などということは、許されなくなってくるということです。


    ※稀に「風揺れ固定装置」に電気式のものがありましたが、現在では大臣認定されません。
    「風揺れ固定装置」の大臣認定要件は、次の3つです。
    1.500年に一度の強風に耐えられる。
    2.完全自動
    3.電源を使用してはいけない。

  16. 76 匿名さん

    >>※稀に「風揺れ固定装置」に電気式のものがありましたが、現在では大臣認定されません。

    とすると、シンドCUTのように電気スイッチでロックをする免震は
    現在では認定されないという事でしょうか?

    認定されなくてもハウスメーカが採用しているのは、認定の有無は実際の建築には
    たいして影響しない or 過去に認定が有効だから使い続けているかの
    どちらかという事でしょうか?

  17. 77 IAU

    >>76のご質問
    >シンドCUTのように電気スイッチでロックをする免震は現在では認定されないという事でしょうか?
    シンドCUTは、システム認定だった思います。
    現在「免震」には、認定時期で、1998年改正(2000年施行)以前の旧38条認定とそれ以降(告示2009号)の認定のものとが混在していますが、旧38条認定のものでも建てられます(改良時の大臣認定時には苦労します)。なお、当然、大臣認定無しのものは建てられません。

  18. 78 平作

    御社の「IAU型住宅免震システム」簡略版カタログに
    「木製架台によるコストダウンの実現」と書かれていますが、
    どの程度のコストダウンが可能なのでしょうか。
    (ちなみに木製架台工法カタログのページhttp://www.iau.jp/m-4-1.htmは404 errorです)

    宜しくお願い致します。

  19. 79 匿名

    ガン無視w

  20. 80 IAU

    >>78 平作様
    お問合せありがとうございます。
    しばらく閲覧をしていなかったもので、ご回答、遅れて申し上げございませんでした。なお、ご質問等は、この掲示板よりも、IAUの方に直接お問合せいただいた方が、お早くご回答できるものと思います。
    「木製架台」工法は、中国バブルによる鋼材の異常な高騰に伴い開発したもので、現在、鋼材も値下がり、その役割を終えつつあります。
    また、カタログ一覧には、(鉄鋼の値段が下がりましたので当分休止します。)と書いていたつもりですが、混乱があったようです。ご指摘、まことにありがとうございました。

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