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別スレで話が出たので作る事にしました。
数多い免震システムの中からIAU免震システムを選んだ方の経験談や検討されてる方の情報の場に出来たらと思いますので宜しくお願いします。
[スレ作成日時]2011-05-31 12:22:09
別スレで話が出たので作る事にしました。
数多い免震システムの中からIAU免震システムを選んだ方の経験談や検討されてる方の情報の場に出来たらと思いますので宜しくお願いします。
[スレ作成日時]2011-05-31 12:22:09
>>70に続く
「固有周期型免震」のもうひとつの問題について
>>68の
>3.地震後に建物が元に位置に戻る。⇒ 大震災後、建物を戻すために大変なことになる。
について、
「固有周期型免震」は、地震後に元の位置にも戻りにくい。
少し詳しく説明します。>>68の
>B.固有周期型免震
の固有周期(T)を求める式があります。
T=2π√(M/K)
K:バネ定数(復元力に繋がる係数)
M:質量
免震性能を上げるためには、できるだけ固有周期(T)を伸ばしたい(周期を大きくすればするほど免震性能が上がります。T=∞が理想です)。
そのためには、
・バネ定数(K)小さくするか、
・質量(M)を大きくするか(建物の重さを大きくするか)、
となります。
ただ、木造・鉄骨等の戸建住宅は軽いので、質量(M)を大きく出来ません。大きくすること自体が不経済です。そこで、バネ定数(K)を小さくします。
しかし、下式によって、バネ定数(K)を小さくすると、復元力(F)が小さくなります。
F=K・X (バネばかりの式、フックの法則です)
その結果、建物が元の位置に戻りにくくなるということです。
さらに加えて、
X(元の位置からの距離)が小さいほど、元の位置に近づけば近づくほど、戻りにくくなるということです。
その上、邪魔をするのが、「摩擦係数」です。
摩擦係数の大きい「すべり系免震」の方が戻りにくくなるということです。
また、ダンパー(減衰材)も元の位置に戻ることの邪魔をします。
(「すべり系免震支承」も「減衰材」の一種です。「転がり系免震支承」は「減衰材」としての能力はきわめて小さいため「ダンパー」を別に設けますので、結局、戻りにくくします。)
地震後に建物が元の位置に戻らないのでは、これは次に襲ってくる余震のためにも問題です。
また、地震後、建物を戻すために大変なことになります。
普及すれば普及するだけ、建物を戻すために大変なことになります。
今回の東日本大震災時に、かりに、関東以北の建物全てが、「固有周期型免震建物」(固有周期が長く、減衰抵抗が大きい場合は特に※)であった場合、建物を戻すために大変なことになっていたと思います。
このように、
「固有周期型免震」は、>>70記載の「長周期地震」と「地震後に元の位置にも戻りにくい」という、かなり大きな問題を抱えています。
この2つの問題から、
A.非線形型免震=非固有周期型免震=非共振系免震
に切り替えないといけないということです。
ただ、非線形型免震=非固有周期型免震=非共振系免震
であれば、「原点復帰能力」があるとは限りません。
そのため、IAU免震では、
非線形型免震=非固有周期型免震=非共振系免震であっても、さらに「原点復帰能力」を高めています(免震支承、ダンパー、風揺れ固定装置の、個々の機構によって、より高い「原点復帰能力」を実現しています)。
※「固有周期が長く、減衰抵抗が大きい場合は特に」について
固有周期が短い場合には、減衰抵抗を大きくしておかないと、比較的周期の短い「長周期地震」でも共振します。
固有周期が長い場合には、それ自体で戻りにくい上に、「長周期地震」対策で「減衰抵抗」を上げさせられていると、ほとんど戻らなくなります。
また、「地震波は原点復帰する」と思われていた時期があり、復元力を極端に小さくして長周期化を図った免震は、それに期待していたところがあると思います。
しかし、実は、地面は地震後に原点復帰してくれないことが分かってきています。
今回の東日本大震災での地殻変動を例に取れば、地震時に地面(敷地)は、GPS観測の結果から、数十cmまたはそれ以上のずれ(東日本大震災では牡鹿観測点で約5.3mの水平移動を観測)を起してしまい、敷地が移動して、元の位置に戻らない状態になるわけです。
http://www.jishin.go.jp/main/chousa/11apr_sanriku-oki3/index.htm
そして、その影響を「原点復帰の能力を小さくした免震」は、大きく受け、建物は元の位置に戻らなくなるわけです。
また地盤の傾斜の問題も大きいでしょう。その傾斜の方向に、地震後、建物がずれてしまうことにもなります。
それが、>>68の
>4.不同沈下に強い。 ⇒ 不同沈下で基礎が傾くと、建物がずれる免震が多い。
での話です。