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■ 銀座線 ■ G01~G19 (東京メトロ)
【沿線ランドマーク】渋谷マークシティ、和光、三越、日本橋、上野駅、浅草雷門
【利用者イメージ】レディス4視聴者、お歳暮購入客、観光客、新橋帰りのサラリーマン
【料理に例えると…】資生堂パーラーのフルコース
●解説
<<★昭和の頃から~、エースで4番~! >>
丸ノ内線と双璧をなす、東京メトロのエース路線である。中央通りと246という東京の
二大目抜き通りの下を走っていると言えば、もうそれ以上の説明など不要であろう。
よって、沿線には住宅もスーパーもほとんどなく、最も生活感の無い路線でもある。
代わりに「お出かけ」という言葉がこれほど似合う路線はJRも含めて他にはない。
「銀座線でお出かけ」。この言い回しは銀座線だからこそ美しく響くのであって、
これが「東西線でお出かけ」だと、首にタオル巻いて江戸川にハゼ釣りに行くようにしか
聞こえないのだから、まったくイメージとは恐ろしいものだ。
なお、銀座線には親の家業を手伝う3人の子どもがおり、それぞれに人生という名の
道を歩んでいるようだ。ちょっとだけ紹介すると、長男の「日比谷線」は六本木のバーで
外国人をひっかけるほどの遊び人だ。自分では要領が良いつもりらしく、「法律なんて
穴だらけさ」と有頂天になり、銀座のクラブに夜な夜な繰り出していた頃までは良かったが、
株で失敗すると途端に行き詰まり、ついには北千住の場末のスナックに通うぐらいのこと
しかできなくなってしまった。孫を東武動物公園に連れて行くのが楽しみの静かな余生を
送っているが内心は「築地で寿司でも食いたいぜ!」ぐらいのことは考えているのかも。
次男の「千代田線」はというと、これは長男とは対照的に生真面目な性格だ。
霞ヶ関でも大手町でも勤められるぐらい勉強もしたし、古いモノを長く大切に使うなど
節約にも努めたが真面目なだけでは、所詮ただの凡才。結局、大した金も残せず、
流れ着いた先はやはり北千住の飲み屋。インテリらしく最近は「散歩の達人」を片手に
谷中銀座あたりを徘徊しているようだ。
そんな二人の兄を尻目に最も成功したのが末っ子の「半蔵門線」だ。甘えっ子で
小さい頃は親の銀座線にベッタリだったのに、ひとたび親元を離れるとスカイツリーなる
下町の最もオイシイ部分をかっさらっていってしまった。末っ子やるなぁ。……と、まあ、
こんな個性豊かな3人の子どもが必要となった理由は、それだけ銀座線が混むからだ。
銀座線だけが東京のメインストリートであり、他の路線はそもそも銀座線のローカルな
バイパスでしかなく、直通先の郊外沿線民をいかに銀座線に頼らず都心に運ぶかを
命題として計画されている。
<<★はぁ~花は上野よ~、ちょいと柳は銀座~! >>
銀座線は新橋を境に大きく2つに分けることができ、その理由は銀座線の歴史を
調べてもらえばすぐにわかるのだが、まずは中央通りを走る浅草~新橋間から。
この区間はズバリ、パリでいうメトロ1号線のようなものだ。シャンゼリゼだ。リヴォリ通りだ。
革命記念日のパレードはないけど、巨人軍の優勝パレードはあるぞ。また隅田川花火大会
でも大活躍するなどイベントにもことかかない。銀座線車内は曜日、時間を問わず
四六時中賑わっていて、まさに東京の華といえる区間だ。
が、同時にこの区間は東京の中でも長期低迷にあえぎ続けているという顔も持つ。
そもそも上野広小路などは銀座と共に都内一の地価だったのだが、とうにその面影はない。
特に中央通り沿道の百貨店の売り上げはどこも非常に芳しくない。マスコミからは銀座の
新ブティック出店やアキバの隆盛など華々しさばかりが伝わってくるが、大局的には
超長期低迷傾向から抜け出したとはとてもいえないだろう。隣の昭和通りなどはすでに
オフィスの再開発から見放されつつあり、これでは中央通りとは名ばかりの都心の
「東端」通りという有様に掛け値無しになりつつある流れだ。
<<★今日は渋谷で、5時! >>
逆に勢いを増しているのが渋谷~新橋の主に246区間だ。ちなみに、渋谷~新橋
といえば都バスの方でも都01という看板路線である。この区間の赤坂から虎ノ門、
新橋、にかけては大丸有(大手町、丸の内、有楽町)に次ぐほどの業務集積地帯であり、
特に朝は赤坂見附で丸ノ内線から大量の通勤客が乗り移ってくるために混雑が酷い。
一方で、休日のこの区間はさほど混んでいる印象はない。イメージはともかく実態としては
渋谷、表参道、新宿で買い物を済まして銀座までは行かない人がそれだけ多いということだ。
さて、終点の渋谷であるが、こちらは大改造が計画されている。渋谷上空から
東急東横店に突っ込み、改札と百貨店の売り場が一体化しているという、地下鉄随一の
アクロバティックもいずれ見納めになる。具体的内容はというと銀座線のホームが
現在の位置から文化会館跡地の「渋谷ヒカリエ」内に移動するという、井の頭沿線民
涙目なシロモノ。
そのことが東京にどういう変化をもたらすのか。銀座線は知っている。思えば地下鉄が
東京で最初に開業したのは浅草-上野間だったし、東京初の高層建築物も
電動式エレベータも浅草からだった。今はその反対側の渋谷でダイナミックな変化が
起きている。と、同時に日本橋や京橋でもビルの共同化を伴う建て替えが動き始めており、
都心機能のこれ以上の流出に待ったをかけている。銀座線とは最も古く、それでいて常に
新しい東京を教えてくれる路線なのかもしれない。