盛り土造成家屋全壊26倍 斜面削った「切り土」に比べ--東北大・森助教ら調査[12/01/19]
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20120119-OYT8T00071.htm
仙台市の丘陵部で相次いだ地滑りなどの宅地被害で、
谷などを「盛り土」で埋めた造成地に建てられた家屋は、
斜面などを削って平らにした「切り土」の造成地に建てられた家屋より、
26倍も全壊被害が発生する率が高かったことが、東北大の森友宏助教(地盤工学)らの
研究グループの調査で明らかになった。
地盤の違いによる宅地被害の差が詳しく判明したのは初めて。
研究成果は、仙台市で18日に開かれた地盤工学会の会合で発表された。
森助教は昨年4月、同市の地質コンサルタント会社と共同で、
同市泉区南光台の6540戸を実地調査し、被害の程度を分析。
全壊被害の発生率は、被害戸数とそれぞれの宅地面積なども検討し、算出した。
その結果、48戸あった全壊家屋のうち、切り土の上に建てられていた家屋と、
盛り土の上に建てられていた家屋とで比較したところ、盛り土の方が26倍も高く
被害が発生していた。
半壊家屋(133戸)でも、盛り土での被害発生率は、切り土の10倍になった。
路面や地盤の亀裂も、盛り土部分に集中していた。
調査では、切り土の地盤から盛り土の地盤にかわる「境界部」でも被害が
多発していたことも判明した。
切り土の地盤に比べ、境界部での全壊被害の発生率は25倍、半壊は24倍だった。
研究グループは「盛り土の深さに比例して被害が甚大になるのではなく、境界部の
やや盛り土側に被害が多く集まっている」と分析している。
また、家屋が全半壊した原因を調べたところ、
地盤の亀裂が60%、地盤沈下が31%で、地震の揺れは6%に過ぎなかった。
研究グループは「家屋を守るには、まず地盤対策が有効」と結論づけた。
市開発調整課によると、東日本大震災による内陸部の宅地被害は、市内約300地区、
計4031か所で確認されている。
森助教は「今回の調査結果を被災した造成地の復旧や被害の再発防止に役立てたい」
としている。
仙台市泉区南光台の被害分布。谷を埋めて造成した「盛り土」(グレー部分)に沿って被害が集中している
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20120119-555488-1-L.jpg
“盛土の造成宅地の被害”という絵は
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20120119-555496-1-L.jpg
戸建じゃないから大丈夫?????