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国民の意見、怒りをぶつけましょう。
[スレ作成日時]2021-05-15 07:21:56
国民の意見、怒りをぶつけましょう。
[スレ作成日時]2021-05-15 07:21:56
・つまらん投稿が多いので長文ながらおすそ分け
・@niftyニュース"は捨てろ
ダイヤモンド・オンライン
五輪「無観客」の大赤字、東京都は負担の“ルビコン川”を渡っていた
澤 章 2021/08/09 06:00
日本人選手のメダルラッシュで東京オリンピックは盛況だったが、新型コロナウイルスの感染者は都内、そして全国で過去最高を記録し、医療崩壊の危機が近づいている。そして都民には、ほぼ無観客となったことによる大赤字の負担が待っている。これをめぐって都と政府が争うことになるが、都がすでに“ルビコン川”を渡っていることは、あまり知られていない。(元東京都選挙管理委員会事務局長 澤 章)
「ステイホーム」の半面、万単位の入国者
都民も国民も引き裂かれたむなしい17日間
新型コロナウイルスのパンデミックが止まらず、医療崩壊が現実のものとなりかねない中、東京オリンピックが8日閉会した。万人単位の選手や関係者の接触が避けられないスポーツイベントの開催決行と、一般市民の「ステイホーム」という相矛盾するメッセージに引き裂かれた都民、そして国民の耳に、為政者たちの言葉がむなしく響いた17日間だった。
パラリンピックは8月24日に予定通り開催するかという問題は残されているが、とにかく五輪閉幕を一区切りとして、メダルラッシュに沸いた国民感情は、あっという間に冷めていくだろう。そして、祭りの後に残ったのが膨大な負の遺産であることを改めて認識し、多くの都民がぼうぜんとすることになる。
国と東京都の醜い「赤字」の押し付け合い
武藤事務総長が小池知事に放ったジャブ
五輪組織委員会の収入は、国際オリンピック委員会(IOC)負担金とスポンサー収入、そしてチケット売り上げの3本柱からなる。そのチケット売り上げ約900億円が、ほとんどの会場で無観客になったことにより、限りなくゼロに近い金額となった。
だからといって、IOCやスポンサーが賄ってくれるはずもない。組織委の最終収支は、誰がどう考えても大赤字になることが避けられない。
では、この900億円を誰が負担するのか。そもそも組織委員会は、五輪パラリンピックのために期間限定で設置された組織だ。大会が終わればさっさと解散する。早ければ、秋にも残務処理部門を残して撤収してしまうだろう。
組織委自らが赤字を補填するすべは全くない。残された頼みの綱は、国か東京都しかないのだ。
組織委の武藤敏郎事務総長は、国と財政負担について話し合うのは大会後だとしているが、国と東京都の暗闘はすでに始まっている。
その武藤氏は7月11日、NHK「日曜討論」に出演し「小池(百合子)知事は、東京都では完全無観客にすると決定された」と述べ、「そうなると、近郊3県(神奈川、千葉、埼玉)も同じ判断にならざるを得ないというのが3知事の判断」と付け加えて、小池知事の意向が1都3県無観客開催の流れを作ったと主張した。
小池知事が「過労」による入院から復帰直後の7月2日の記者会見で「感染状況をよく注視しながら、どのような形がいいのか、無観客も軸として考えていく必要がある」と言及したことを、武藤氏は念頭に置いたのだろう。無観客による赤字負担をめぐって、さっそくジャブを繰り出していたのだ。
武藤氏は言わずと知れた元財務事務次官で、その中でもとりわけ大物で鳴らした人物だ。実質的に政府の利益を代表している。
チケット収入がなくなったのは無観客にしたためであり、それを強く主張した側に損失補填の責任があると遠回しに言っているのだ。裏返せば、「当然、東京都が穴埋めをするんですよね」と小池知事を牽制しているのである。
無言の小池知事に代わってオリパラ局長が回答
コロナ対応をうたった「役人言葉」を翻訳すれば?
一方で、東京都側のアナウンスはどうか。7月8日に1都3県の会場の無観客が決定した後、メディアの取材に応じた小池知事は、無言。組織委の大幅減収について語ったのは、都の役人である中村倫治オリンピック・パラリンピック準備局長だった。その発言は以下である。
「コロナの対応という側面もある。関係者と十分に協議したい」
一見、いかにも如才ない役人が言いそうな模範解答のようにも聞こえるが、この「役人言葉」の中にこそ、今後を占うカギが隠されている。都庁OBである筆者が翻訳を試みよう。それが以下だ。
「この1年、コロナ対策で組織委もいろいろと出費がかさんだことでしょう。大変だったと思いますよ。でも、東京都が直接、赤字を穴埋めするというのは、さすがに都民感情もありますし、やりづらい。しかし、コロナ対策という名目であれば、少しは理解も得やすくなるでしょう。いずれにしても、今後、国とバチバチやらなければなりませんが、とにかく、東京都が何らかの形で組織委に助け船を出すことになるでしょうね、あんまり大きな声では言えませんけど……」
組織委は有観客前提でもすでに赤字!
抜け道「収支調整額」で都がこっそり負担
実は、東京都による赤字補填の下地は、すでに出来上がっているのをご存じだろうか。昨年末に発表された組織委の予算には「収支調整額」という見慣れない項目がある。そしてこの項目に150億円という巨費が計上されている。これは一体何か。
発表資料の注意書きには「組織委の経費削減努力や増収努力によっても賄いきれない費用について、東京都が負担するもの」と説明されている。何のことはない、最初から赤字補填の抜け道が用意されていたのである。
ということは、有観客を前提としていた昨年末の段階で組織委の収支はすでに赤字に転落していて、東京都から税金が投入されることが決まっていた。その後無観客開催が決まったが、都はすでに負担増につながる“ルビコン川”を渡っていたのだ。
こんな説明を聞いた覚えのある都民が一体何人いるのだろうか。「そんなの、聞いてないよ!」としか言いようがないではないか。
収支調整額なる裏技に、先のオリパラ局長の発言を重ねてみれば、東京都のスタンスはさらに明確になる。
「東京都はすでに150億円の税金投入を組織委に約束しています。これ以上、追加で赤字の穴埋めをするとなれば、どうにも都民に対して説明が付かない。コロナ対策にかかった経費を東京都が補填させていただきますのでどうか勘弁してください」
と、頭を下げるしか方法がないのである。
大変残念だが、都民はさらなる多額の血税が組織委に投入されることを覚悟しなければならない。都民以外の国民にとっては、ただでさえ東京一極集中が批判される中、都が招致した五輪の赤字を、なぜ都民以外が負担しないといけないのかと問われれば、まともな答えが見つからないからだ。
日本人選手のメダルラッシュというつかの間の盛り上がりと引き換えに、都民がこれほど大きな代償を支払うとは、なんと皮肉なことか。
視界に解散・総選挙、責任感はまるでなし
トンズラを決め込むであろう小池知事
こうした厳しい東京都の状況をよそに、当の小池知事が見据えているのは「国政復帰」の4文字であることは、おおよそ間違いない。菅義偉政権の支持率が30%台と危機的な水準に落ち込む中、「なんとしても大会を成功」させ、コロナ拡大をワクチンの普及で抑え込んだ先に小池知事の目に入って来るのは、秋の解散・総選挙である。
しかし、五輪開催都市のトップとして責任を全うするとは、事後処理まで確実にやり遂げ、都民に納得のいく説明を行うことではないか。
五輪の大赤字を都民に押し付け、コロナ対策を途中で投げ出したまま、後のことは次の知事さんヨロシクとばかりにトンズラを決め込もうとするとは、一体何ごとか。いつものことだが、小池知事の言動から、政治家として本来有しているべき覚悟や責任を感じることは、みじんもない