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マンション管理をしていく中で、困ったこと、聞きたいこと等をここで質問してみませんか。
マンション管理士、建築士、弁護士、宅建士、管理会社勤務の皆さん、理事の皆さん、
住民の皆さん等が質問に答えてくれると思います。
[スレ作成日時]2018-08-08 20:19:27
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住民の皆さん等が質問に答えてくれると思います。
[スレ作成日時]2018-08-08 20:19:27
第2章 第3章を書く前に、重要なこと
~集会(総会)に対する見えない侵略は、善意の顔で近付いてくる~
【その2】総会前には議題の通知だけで構わない。このことが意味するのは総会で議論すべしということ。1
※注意!※ この投稿は、あくまで15536の個人的な意見として書いております。
【その2】では、【その1】を受けつつ、少し別の角度から話を始めたいと思います。
書き込むのにしばらく間が空いてしまったので、15536で私が初めて出てきて以降の流れについて、すでに記憶の彼方でいらっしゃる方も多かろうし、最近、お読みになり始めた方に、「15536から遡って全部読め」とは言いづらいので、少し、経緯もわかるような形で書いてみたいと思います。
そのことで、最初の時点で潜在的にあった「総会前合意形成主義」と「集会主義」の対立
が、私のどのような問題意識と結びついていたかも、浮き彫りになると思うからです。
小見出しは【その1】からの通し番号というか、通し記号でw、(i)から始めます。
===========================
(i)区分所有法にも標準管理規約にも、総会前に議案書を
配布すべきという規定はない
===========================
本当は、ある一つのことだけ述べれば、私が書こうとしている「3章」は、かなりの部分が終了してしまうのです。
それは、最初に15537さんが私(15536)にレスを返した時に述べられた以下に反論することです。
15537 匿名さん 2022/11/04 09:11:02
>>15536さん
総会案が総会当日に示されるというのは驚きです。総会は2~3週間前までに
本人に通知しなければならないことになっています。
その時に、出欠表と一緒に総会の議案書が配布されなければなりません。
それをみて、組合員は、委任状や議決権行使書で賛否を示すのですから。
「総会の開催通知に総会の議案書が配布されなければならない」という命題。
これに反論するということです。
この命題、【その1】でも触れましたが「虚偽」なんですよね。
「普通決議」の場合は議案の要領の通知の義務はなく、義務付けられているのは「特別決議」の場合だけです。
区分所有法にも標準管理規約にも、議案書の事前配布の義務は規定されておらず、「会議の目的たる事項」を示せという文言となっています。
(区分所有法の第35条「召集の通知」第1項と第5項、標準管理規約の第43条「招集手続」です。)
この「目的たる事項を示す=議題を示す」ということです。議案ではありません。
何故なら、議案を示すことの必要な「特別決議」については「議案の要領」を事前に示せと書かれているからです。ここで初めて「議案」という言葉が出てきます。そして、普通決議の場合は、もちろん「議案の要領」を示せとは書かれていないのです。
よって、「目的たる事項=議題」と解釈できるのです。
それは、以下の弁護士さんのブログにも書いてありました。
*市川市本八幡法律事務所羅針盤の弁護士のブログより。
マンション管理組合の総会招集通知に必要とされる議題とは?
2021.09.5
https://law-rashimban.com/lawyer/
また、法や規約にはないことですが、適正化法の「指針」や「基本方針」(註2)ではどうでしょうか?
註2:【その1】の(a)より、凡例として、「適正化指針」は2020年の法改正で提示された「基本方針」に含まれるようになったため、このように表記することとした。
「管理組合の管理者は事前に必要な資料を整備し、集会において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある」と書かれています。
ですが、これは「必要な資料」であり、「議案書」という指定はなく、かつ、「事前に通知しなくてはならない」「事前に配布する必要がある」等といった文言ではありません。
総会に臨むに際し、組合員が理解できるように、また、説明できない事柄がないように、充分に資料を整備しておけという意味です。
当日になってあたふたと壇上でファイルを引っ張り出して数字を調べるようなことでは困るぞ等でしょう。
一般的な文脈に移してイメージしてみるならば、会議にはプレゼン資料を用意しろというのと似てますね。ただし、プレゼン資料を事前に配っておけとは必ずしも言われないし、当日配布の方が圧倒的に多い気がします。(事前に配布なんて、時間的に無理だったり。)
また、パワーポイントなどでスライド表示するだけでハンドアウトを配らない会議もあったりします。そのくらいの自由度が、この文章にはある気がします。(マンションの総会では収支決算書や見積書などの細かい数字の提示が必要な場合が多いですから、パワポだけってことは、あまりないような気がしますが(笑))
もちろん、事前配布が禁止されてるわけでもないのです。
事前に議案書と添付資料を配布したところで、それが法や規約に違反したり、指針や基本方針の趣旨から逸れたりしているわけでは、もちろんありません。
実際のところは、この箇所は拡大解釈され、議案書の「事前配布」が行われることが多いそうですね。
ですが、それは「実務レベル」の話であり、規定ではありません。あくまで経験則のようなこととして、「その方が総会がやりやすい」「スムーズな議事進行ができる」という判断をしている管理組合が多く、現状ではかなり広く「慣行」されているというだけです。
それがいつの間にか、「総会前主義」によって「事前に配布しなくてはならない」という拘束力を持ってしまっているのは大いに気になるところです。
そして、これ、決定的に重要なことなんです!!
ここを衝けば、15537さん、ならびに、同じことを主張されている方々のロジックは、残念ながら崩壊するのではないかと思われます。
まず、15537さんによれば、上の引用部分にもあるように、議案書の配布の「根拠」は、委任状や議決権行使書で賛否の判断をする人のために、判断材料としての議案書が必要だからということですよね?
結局、「総会前の」議決権行使書を重視する立場にとって、議案書の事前配布が必要だということなのですよね? 「総会前合意形成主義(総会前主義)」です。
確かに区分所有法でも標準管理規約でも議決権行使書を用いることは可能であると書かれています。(区分所有法の第39条第2項、標準管理規約の第46条第4項)
これは区分所有者にとっての「権利」を定めたものと言えます。
そして、その権利を行使する、つまり、議決権行使書で議案の賛否を示すためには、「議案の内容についてまでも、あらかじめ通知されていなければ、賛否を示せないではないか」というのは、一見、とてもまともな話に思えるのですが、実際は、「それがどういう総会で、どういう議題なのかにもよる」のではないかと思われます。
通常総会、臨時総会で行われるあらゆる討議の議題を合わせて、全ての総会の全ての議題について、全て議案の詳細(に相当するであろうもの)を事前に配布しなくてはいけないという「強行規定」があるわけではなし、それは以下の(b)で述べていくように「不可能」だと思われます。
まず、特別決議の場合は、定型的かつシビアな決議事項があらかじめ想定できます。よって、それに基づき、議案の要領を事前に示さなければならないという規定が「可能」なのに対し、普通決議の場合は、あらゆる事態を想定しても「そうすべし」とまでは言えないと思うんですよ。
総会には、理事会案について決議する場合と、そうでない場合があり、開催状況が全く変わってきてしまうことを考える必要があります。
以下、それぞれについて見ていきます。
ここで、区切ります。