本人が気付かずに回りも指摘しないうちは、問題は顕在化しないでしょう。しかし会社とは利益を追い求める組織であり、無能な働き者は近い将来必ず会社に対して不利益を齎します。物理的に損害が出てしまえば、それを取り纏める人は指摘せざるを得ないのです。ですがその原因としてその人を追及しようものなら、物凄い勢いで反論して他に責任を負わせようとする事でしょう。何故なら自分の行動は絶対に間違っておらず、間違っているのは他の誰かだと頑なに信じているのです。こうなってしまえばもう言葉は通じません。私は会社の為にやったんだ、一生懸命働いたんだ、だからそんな私が間違っている筈が無い。実に可笑しな論法ですが、その人の中ではそれだけが絶対的な正義です。
正直ここまで来たらクビになるでしょうが、恐らくどこへ行っても同じ事をしでかす事でしょう。寧ろ表面上は働き者ですから、働き出すまではとても好印象で疑う事無く採用してしまう場所も多い事と思います。これが一番の被害かもしれませんね、次々に感染して迷惑を撒き散らす病原菌のような特性ですか。一度感染した組織は損害を撒き散らされてプラスを得る事無くその人物を排除していく事になるのでしょう。潜伏期間が長く、感染した際には全く気付けないのが厄介なところであります。
無能な働き者の特徴として、ただ働いているだけでも良いと思っている特徴があります。仕事を効率的に進めていくためには、作業のポイントを絞ったりコツをつかみながら行っていく必要があります。それぞれに、仕事に対しての工夫を行いながら作業を行う必要が出てくるのです。ところが、無能な働き者は、仕事でのポイントやコツを覚えることなく、ただだらだらと時間を浪費しているだけに終わってしまいます。仕事をまじめに行っているつもりでも、真剣には取り組む気持ちがないため、作業は一向に進みません。まじめに仕事をこなしているつもりでも、周りから注意されることが多い人は、この点に当てはまっていないか確認してみましょう。時間だけをこなせばよいと思っている人は、社会や会社に貢献することができず独りよがりで働いています。
自分の能力を適切に判断できない人も、無能な働き者になりやすくなってしまいます。人には、それぞれ適性というものが存在しています。能力的に適した仕事に就けば、即戦力として働くことができ会社でも重宝されることになるのです。ところが、能力に全くあっていない職種を選んでしまうと、いくら努力しても全く成果が表れてきません。仕事をしていても、虚しさだけがこみあげてしまうでしょう。無能な働き者にならないためには、自分が持っている能力を正しく判断できる力を身に着けてみてください。能力や性格を改めて考えてみたり、適性テストを受けるなどして働きやすい職種を見つけることにより、能力を発揮できるようになるのです。あまり周りから評価されずに悩みを感じている人は、適性に注目してみるとよいでしょう。
なんでも安請け合いしてしまう人は、無能な働き者としての評価をされやすくなっています。仕事を周りから頼まれたときに、深く考えずに安請け合いしてしまうと、能力を超える仕事を抱えることになり、仕事の質も極端に落ちてしまいます。仕事の質が悪ければ、周りからの評価もその分低くなってしまうでしょう。自分でできる仕事の量を理解していない人も、無能な働き者になりやすくなってしまいます。基本的に安請け合いしやすい人は、周りの人のサポートを行いたいという気持ちを持っていることが多くなっています。ただし、その陰には自分の能力を過大評価している気持ちも見え隠れしていることもあり、自信を持ちすぎている場合もあるのです。自分の能力を過大評価しすぎている人も、正しい判断ができなくなり無能扱いされやすくなるので気を付けましょう。
人のアドバイスを聞き流してしまう人も、無能な働き者になってしまう可能性が高くなってきます。仕事を行っていると、上司や同僚と作業を行ったりフォローしてもらう機会も多くなってきます。その過程で気が付いたことがあったときには適切なアドバイスをもらうことになりますが、せっかくもらったアドバイスを聞き流してしてしまうと、身になる機会もなくなってしまうのです。素直に人に話を聞いている姿勢を示しても、実はいい加減にしか聞いていないと無能な働き者として評価されやすくなるでしょう。アドバイスを聞き流してしまうタイプの人は、表面的には従順な姿勢を示すため働き者に見られますが、アドバイスを全く参考にしないため、仕事をうまくこなすことができません。この傾向を持っている人は、人の話に耳を傾けてみましょう。
いかがでしょうか。とてもこれだけでは語りきれない、もっと多くの不利益を彼らは組織に齎します。無能な働き者は組織の人間すべてに害を撒き散らします。それは主に精神面で顕著であり、そこから人間関係のみならず果ては業務にまで悪影響を及ぼすのです。もし仮にこのような人間を見つけたら、早々に排除する事をお勧めします。それが組織を預かる者の責任であり、社会全体の責務だからです。