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心機一転最初に言葉の定義から。ホワイトウッドと言う言葉で、欧州トウヒ、ドイツトウヒ、スプルース、ラテン名 Pinea abies と言う樹種を指していると仮定して話をします。
材木そのものに関する科学的な根拠に基づく構造的な強度比較では、ホワイトウッドはそれ程悪いとはいえません。
………………圧縮…引張…曲げ…弾性率…密度
スプルース…39……116…87…10000…470
ヒノキ………40……120…75…9000……440
スギ…………35……90……65…7500……380
(単位は 強度がN/mm2、密度がkg/m3であり、いずれも繊維方向の強度) ですので、曲げ強度では、ヒノキより優れていますし、圧縮、引張強度共にヒノキよりは少し落ちますが、スギよりはずっと強度があります。
加えて、集成材製品の場合には、さらに強度が高くなると理解されれば良いと思います。
スギの無垢の2x4と集成材のホワイトウッドの比較という事ですと、直接的な比較は出来ませんが、躯体となる材質そのものを比較するなら、ホワイトウッドに軍配が上がります。値段に差があるなら私なら迷わずホワイトウッドを選びます。 それでは何故、ホワイトウッドは、此処まで評価が低いか? という事ですが、何処の国でも国産材奨励と言う事で、実際の強度に少し手を加えて、その国の木材の強度基準に国産材優先する形で下駄を履かせているからです。
保護貿易的な観点から言いますと、北米材が日本に入ってきた時、日本の貿易黒字に対するUSAの厳しい圧力によって政治的に入ってきたのですが、何とか北米材は2x4で使って貰って、在来工法は国産材でと言う政策的な意図があったのでしょう。
でも日本の林業の荒廃化が進み、国産材では国の需要を賄い切れなくて、欧州材が入ってきた訳ですが、欧州材にはそういう圧力も無く、これが安い価格で入ってこられると国内林業が大いに困るので、色々と悪い噂を流したと思われます。
ホワイトウッドは確かに柔らかい木ですし、昆虫に対する耐性は低い事は確かですが、強度的には悪く無いですし、繊維細胞の構造上、耐候性のある材であります。 ホワイトウッドの話が出ると必ず『ホワイトウッド反対論』が登場しますが、いつも同じ文章を書くだけで、科学的な根拠の提示を見た事がありません。林業関係の方の感情的な意見も判らなくは無いですが、『国産材振興』は私も大いに賛同しますが、『国産材信仰』は程々にされます様。