水を注したい訳ではないけれど、駅周辺の再開発に関しては、あと数年のうちにどんどん進むみたいな勘違いはしない方がいいかもな。
練馬区の都市計画マスタープラン(都市マス:2017改訂版)によると、上石神井駅は石神井公園・大泉学園・光が丘と同等の地域拠点に位置付けられているから、区内では周辺整備の重点エリアとみて間違いは無い。でも、駅周辺の「まちづくり構想案」の最新版を見る限り、地元の協議会による実際の計画検討や権利者の意見聴取が本格化するのはこれからで、東京都からの事業認可は昨年12月にされたものの、具体的な事業手法をどうするか、ホントに再開発でやるにしても事業主体をどこにするのかという大きな課題には殆ど手が付いていない感じだ。地元に撒かれている広報紙を見てもそういう状況だよ。
ttps://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/kakuchiiki/kamishaku/index.files/kamishakunews25.pdf
都内あちこちで再開発が「進められて」はいる訳だけど、一般的にはこの状態からが長いんさ。たぶん区は事業主体になろうとはしないだろうから、地元で組合を設立してそこが主体やるという流れになるんだろう。当然、素人権利者集団では何も出来ないから、コンサル選定やら事業協力者選定やらがこれから始まることが予想される。そこに至るまででも早くて2~3年かな。で、最初は準備組合で色々やり始めて、最初のステップとして地区計画や都市計画決定を目指すと。その頃になると地元の賛否も影響してくるから、目標達成まで何年かかるかも判らない。一般事例だと準備組合設立から都市計画決定まで5年や10年なんてザラにある。市街地再開発事業として本格的な活動はその後の話。区が発信してるスケジュールの一番右に「事業の実施」と書かれているのも、都市計画決定以降のフェーズのことだよ。そこだけでも普通は何年もかかる。駅前だけに鉄道事業者との調整もある筈だが、これまた一筋縄ではいかないだろうね。ましてや西武だろ?駅前広場の設定にも色々注文を付けてくるだろうし、ホント大変だと思うよ。
近い例だと、池袋線の石神井公園駅周辺が今の上石神井駅周辺と同等のフェーズに達したのが平成14年ぐらいかな。で、今の駅ナカ施設と南北の駅前広場が整備完了・供用されたのが平成25年ぐらいか。普通に10年以上かかってる。ま、それが現実よ。
将来性に投資することばかり考えるのではなく「現況」をいかに評価できるか。そっちの方がずっと重要。そういう意味では、今のままの環境でいいじゃんという気もするんだが。