「Read, このマンションを、どう読むか。」
これは販売開始時に掲げられたキャッチコピーですが、この内容からは売主ですらセールスポイントをキチンと把握できていないのではないか、とすら思えてしまいます。
記載主はこのマンションの契約者ですが、初回に訪れた際のモデルルームと物件の第一印象、および10月中旬の物件周辺状況を報告したいと思います。
軽くdisっている表現もあるかもしれませんが、決してネガティブアピール目的というわけではありません。それではよろしくお願いします。
「Read, このマンションを、どう読むか。」
これは販売開始時に掲げられたキャッチコピーですが、この内容からは売主ですらセールスポイントをキチンと把握できていないのではないか、とすら思えてしまいます。
記載主はこのマンションの契約者ですが、初回に訪れた際のモデルルームと物件の第一印象、および10月中旬の物件周辺状況を報告したいと思います。
軽くdisっている表現もあるかもしれませんが、決してネガティブアピール目的というわけではありません。それではよろしくお願いします。
最初にMRを訪問したのは、GW前後だったかと記憶しています。
そもそも注目したきっかけは、ペンタゴンフォルムで角部屋が多そうだったこと、なんとなく構造的に先進的なイメージを持ったことでした。
あとは水盤を配置したエントランス・アプローチにさりげない上品さを感じたことでしょうか。
検討候補は23区東寄り、なるべく都心寄りの立地です。東寄りは個人的に通勤に便利なこともありますが、これから30年スパンで発展していくのはやはり東側なんだろうな、ということで資産性も考慮に入れています。
趣味的には、低層タイル貼りで窓から公園が見える物件の3階あたり、くらいがベストと考えているのですが、隅田川より東側でこの条件を満たすことは難しく、隅田川より都心寄りでこの条件を満たす物件は高くて手が出ません。
これに続く候補としては大規模タワーマンションとなります。共用設備が豊富なマンションにいくつか住んでいますが、これまであまり活用できていませんでした。
そのため、共用設備は不要派なのですが、24h同一フロアでゴミ出しなど、大規模ならではのメリットは細かい点で多いとも考えています。
前置きが長くなりましたが、記載内容が同価値観に基づくものと捉えていただけるとありがたいです。
MRは汐留イタリア街の中に設置されています。ゆりかもめで2駅違いの場所ですが、来場者の利便性を考えるとよいポジションだと思います。
初回来場者は2FのMR入り口に案内されます。ここには海外の港町かアッパーなホテルをイメージしたイケメンのドアマンが常駐しており、うやうやしくドアを迎え入れてくれます。
こんなところにお金かけるなら、住友不動産みたいに複数物件がまとめてチェックできる常設モデルルームがあると値段もちょっと下がるだろうに...と思ってしまいます。
もっともスミフはそこでコストを下げたうえで販売価格は他よりも上、という関西商人を意識させるスタイルですが。
まずはシアターが2つあります。片方はマジメに物件自体の解説をしてくれるもの、もうひとつは芝浦もファミリー向けなんですよ、とイメージづけさせるプチドラマ。
売主も芝浦とファミリー層がアンマッチと思っているのか、むりやり印象づけようと必死です。
ちなみにドアマンもイケメンですが、案内・受付の女性もかなりレベルが高いです。制服マジック?
派遣なんでしょうが、探せば美人は結構いるもんだなーと感心します(だからといって顔を見たいためだけに再訪する気になるわけではありません)。
MRには、建物の全体模型と共用フロアとなる1、2、29階の構造を俯瞰したミニチュアが置いてあります。
当初このマンションは、興味的には他マンションと横並びの優先順位だったのですが、少し心を掴まれたのはエントランスでした。
前面歩道から大きくセットバックし、石貼りの重厚なエントランスからクランクして水盤のアプローチへ。まずこの石貼りと大きめの庇がGoodです。
現在、3層吹き抜けのロビーがあるマンションに住んでいます。天井が高いと初見のゲストは圧倒されますが、住んでいれば割と感動が薄れます。
高い天井にあえて目線を動かしませんから。
ここでは水盤アプローチの向こう側に階段があり、目線を動かすための工夫があり、結果として高い天井が活きてくると思います。エントランスの天井高でGFTより勝る他物件は沢山あると思いますが、高さを活かす工夫をしている物件は少ないのではないでしょうか。
ゲストルームに外界を臨む窓はありませんが、その分天井が開放されたオープンスペースを設けています。高所が苦手な人にも安全な中庭、というイメージです。
これは高級ホテルでもなかなか設置できるものではないため、希少価値があるのではないでしょうか。
窓際の分譲区画を減らさずにゲストルームを確保する、という動機なのでしょうが、結果的に面白いものになったと思います。
ちなみに、CGでは空が近いですが、建物頭頂部より5層下に配置されているため、実際にはもっと谷底感があると予想しています。
ゲストルームに眺望がない点の補完として、レインボーラウンジを利用できる動線となっています。
細かい点ですが、29FのPP分離はキチンと配慮されており、その点でも目配りが効いた設計と思います。
有明・新豊洲あたりの物件だと、豪華共用設備が目を惹きます。プールがあったり有人のバーラウンジがあったり。
このマンションの共用設備は、あまり維持費用がかかるモノがなく、ほとんど「床と椅子」のイメージです。この辺が実需用途の自分には、評価が高いです。
維持費の高い共用設備は、まず毎月の管理費・修繕費にのしかかってきます。でも、その割に利用頻度は高くない人のほうが多いでしょう。
10年スパンの比較的近い未来に、
・共用設備に飽きた居住者が退去して住民の流動性が必要以上に増す(=短期住まいの人は将来的な維持に配慮しない可能性が高い)
・共用設備を継続して維持するか否かで住民間で紛糾する、閉鎖になってもプールなんかは蓋をするのにも金がかかりそう
あたりが容易に想像できます。
勿論こうはならないかもしれませんが、高い買い物なので自分でコントロールできないリスクはなるべく避けたいです。
でも、屋上の展望設備は欲しかったなぁ。どうせ出るのは年に1回程度なのでしょうが、学校の屋上然り、非日常の逃げ場所というか開放されたい場所としてでも存在すると、心が安らぐかもしれません。
構造面では、免震であることは勿論、浸水や給水についての対策もアピールされていました。
重力排水や機械室の上階配置など、普段の生活ではあまり意識することがありませんが、3.11を踏まえ必要な配慮は行なっている、という感じです。
免震は制震より必ずしも優れた対策ではないという認識が一般的になってきましたが、このマンションは建物のアスペクト比などから免震との相性がよい物件です。
同時期に販売している対岸のワンダフルプロジェクトでは、免震より一歩進んだ免制震構造となっています。
となると地震対策で一世代古い印象がありますが、地盤の関係からかこのマンションでは免制震設計にしても、耐地震の性能は変わらないと某所で聞きました。
駐車場の設置率は約4割、いまどきのマンションとしては標準的な設置率です。
補完策として、EVカーシェアが3台準備されています。
車種がsmartなのは、隣のヤナセ(株主が売主の1つである伊藤忠商事)との関連があると思います。
毎月4万円というのは近隣駐車場とレベルを合わせたものと思いますが、ちょっと高い印象です。
もう5000円くらい安くてもよいと思います。
サービス面については、シェアーズステーションというイベントデスクが設けられています。
クルマがなくても色んなところに行くことができる!というのはマイカーレスのライフスタイルの提案なのでしょう。
三井不動産が「マンション居住者向けイベント企画」のビジネスモデルを円滑に遂行するための橋頭堡と見ることもできなくないですが...
こちらの価値については正直未知数です。ただ維持費がかかるものではないため、あっても支障はないかなと思います。
眺望については、東京タワー(主に西)、東京湾花火(主に東)、レインボーブリッジ(主に南)と全面でなんらかのオブジェクトを探すことができます。
但し、東京湾花火については年1回であること、選手村設営の絡みで入居年以降の開催は不透明(開催しない可能性が高い)な点は頭に入れておいたほうがよいでしょう。それでも東京湾を臨む開放感のある眺望は長く変わることはないと思われます。
住戸のモデルルームは3つあります。小世帯向けの60平米、ファミリー向けの80平米、あとは富裕層向けの120平米。
他物件も含めどのモデルルームにも共通しますが、間取り変更とか最小限にしてくれないかなぁ。
ここも他と同じく、間取り変更で一部屋潰して広さをアピールした構造になっています。ちょっと参考にならない。
120については、まぁ自分用にカスタマイズする方も多いようなのでどれだけ変更してもらってもよいのかもしれません。
それでも個人営業の隠れ家バー仕様といった内装は、あまり趣味がいいとは思えませんでした。
このマンションを語るにあたり「田町駅東口北地区再開発」を欠かすことはできません。
豊洲が面レベルの街全体の再開発で大ブレイクしたことをきっかけに、再開発→資産価値向上の図式が一般化したように思います。
この分野では三井の実績が豊富ですが、安く仕入れて再開発で価値を向上させて高く売る、というのは一昔前の私鉄沿線のビジネスモデルを見るようです。
田町駅東口が豊洲レベルのインパクトを引き起こすのかを予想するのは難しいですが、可能性は高いように思います。
・田町駅自体、JRと地下鉄2路線で交通結節点としてのポテンシャルが高い。
・ビジネス需要がもとより強い立地のうえ、慶應や芝浦工大といった若者の流動性も高い。
・芝浦アイランドに居住者が多いことから、成功事例である豊洲が指向する「産・学・住・遊・商」の複合開発の3要素を既に備えている。
・今回、再開発で「商」「遊」の要素が入れば全方位にスキがなくなる。豊洲の成功事例も三井が手がけているため、当然この辺も視野に入れてくるハズ。
再開発の高層ビルはビジネス用途ですが、個人的な推測として足元にはそれなりの規模の商業施設が入ると考えます。
駅近のTGMMプロジェクトは、三井・三菱・東京ガスの3者による開発ですが、特に三井は一般消費者向けの商業施設設置に多数の実績を持っています。
駅とほぼ直結といってよい立地に、(地域住民だけではなく)各路線の乗降客を引き寄せるだけの魅力的な商業施設をつくることは必然のように思われます。
もう少し欲をいえば、2棟であることを生かして回遊性のある商業施設にしてくれるとベターですね。
以降は、実際に物件現地の周辺レポートになります。テキストばっかりの退屈なレポートで恐縮ですが、ここから写真入りになります(つうか、MRは撮影禁止のところが多いのに写真必須っていうこのカテゴリの条件にやや無理を感じます)。
再開発という面ではポジティブな物件ですが、東は首都高、西はJRに挟まれた立地というのは留意点でしょう。
JRは音、首都高は排ガスがネガティブ要素になると思います。
北面の国道は、第一京浜と海岸通りのバイパスルートとなるため、短く幅も狭い割に大型車の往来がかなり多いです。
生活動線としてこの道を横断することは少ないと思いますが、排ガスと騒音は注意したいところです。
反対に、西に面する旧海岸通りは、幅が広い割に交通量は少なく場末感を感じさせるくらいです。