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12月末から出現し、的確なアドバイスを下さるゼネコンボーイさん。
毎度感心して記事を読ませてもらっています。
そんなゼネコンボーイさんとQ&Aをするコーナです。
みなさま質問をどうぞ!
[スレ作成日時]2006-01-06 01:34:00
12月末から出現し、的確なアドバイスを下さるゼネコンボーイさん。
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そんなゼネコンボーイさんとQ&Aをするコーナです。
みなさま質問をどうぞ!
[スレ作成日時]2006-01-06 01:34:00
>>290さんへ
IかJタイプで間口6.4mでは、スラブの大梁内法距離もその程度と判断され、
建築学会RC規準の算定式で求まる値ぎりぎりというか、本当は220mm程度は
確保すべき部分ですね。超高層タワーマンションでは、この場合ボイドなしの
トラス筋内蔵のPC板で床が構成されるので、その合成床板(現場コンクリートと
工場打設のコンクリート板が現場で一体化されるのでこう呼びます)独自の
算定式となっている可能性も高いですが。
これで地震時にスラブが抜け落ちることは全くないと判断されますが、
長期たわみの進行は大きなものになります。このたわみは上下階で同じように進行すれ
ば特に問題は生じないだろうと推測されますのでご安心ください。
ただし、20-25Fの住戸プランでは戸境壁の乾式二重壁を部分的にスラブ中央に配置
しているケースがあり、経年のスラブ長期たわみで、スラブの中央ほど大きくたわむ
(スパン/250で長期たわみを設計することが多いので、この場合6400/250=25mm
近くのたわみが可能性としての最大値です)ので、乾式ボードの上下隙間が追随できず
に、シールが切れて戸境間の遮音性が劣化する危険性が増してきます。(長期修繕時に
手直しすればよいのでしょうが。また290さんの想定住戸は影響ない部分です)
一般的な推測ですが、施工するゼネコンが構造設計の手伝いをしながら、デベの要求
する施工単価を実現させていくことがよくあり、当ゼネコンはスラブ厚さを極限まで
薄くして、建物重量を最小化することで、構造体コストのミニマム化を図ったと思われ
ます。推測される階高は3100mm前後でしょうか。その余裕の中での、スラブ厚さ
200mmは先のSI仕様でないことと共に残念な部分です。
しかし、山手線駅からの徒歩圏内で割安感のあることも事実ですから、長期的な修繕
時の対応性に課題が残っていることなどが、目くじらたてることの程でもないと判断し、
案件そのものを気に入れば、特に問題ないプロジェクトなのでしょう。
>>290 ゼネコンボーイ様
度々にわたる細かい解説本当にありがとうございます。「大梁内法距離」が少々解らないのですが
漠然とで良いので解説頂けますか。(ネットで調べても今一理解ができませんでした。)
またGB様のこのマンションに対する評価(構造面)は10段階で表すとどの位になりますか?
度重なる質問申し訳ございません。私としては今までの意見を参考に当物件を前向きに検討しようと
思っております。
290さんへ
大梁間内法寸法と記載すべきでしたが、スラブが大梁で支えれているときの
大梁の側面から他方の大梁の側面までの距離です。これをスラブスパンと呼びます。
通常この寸法でスラブ設計を行いますが、人によっては大梁のセンター間をスパンに
することもあり、こちらの方が安全側の設計になります。
構造面評価では、全体のフレーム架構がよく分からないのですが、7点ぐらいですかね。
とにかく経済性重視の設計のようですが、当然平均的な評価では及第点だと思います。
新進のデベですが、財務信用度は抜群と思われますので、前向きにご検討ください。
>>290 ゼネコンボーイ様
本当に数々のアドバイスと知識の啓蒙ありがとうございました。当物件に関しては今後も検討物件筆頭に
入れて考えていきます。これからもGBさんのありがたいスレを期待しています。
ありがとうございました。
追伸:首都圏の城北地区でGB様お勧め物件がございましたらHPアドレス等を載せて頂きたいのですが
(GB様の所属会社の手掛かりになっちゃうかな?)
初めて投稿します。
ボイドスラブの物件を検討しています。
「カイザーボイド」らしいのですが,他の中空スラブと較べてどうなのでしょうか?
ゼネコンボーイさんお願いします。
WRPC工法ってご存知ですか?
耐震強度は他と比べてどうなんでしょうか?
教えてください。おねがいします。
>>304 290さんへ どのマンションがよいかの調査は時間的にできませんで
ご容赦ください。
>>305の方へ カイザーボイドは、ボイドの平面サイズが400×1200の矩形ボイドを
使用するものです。現在、このタイプはタワーマンションを中心として、間口が6.5mを
超える際に多用されています。競合品としては、オムニアボイドスラブ、フジモリ
ボイドスラブ、KHスーパーボイドスラブがありますが、どれも似たようなもので
差別化できておらず、誰が製造してもよいものですが、(財)日本建築センターの評定品
ということで、数社で独占販売を続けています。
(20年以上前からの工法だから、いいかげん誰が製造しても問題ないもののはず)
タワーマンションで競合するのは、スパンクリートですが、スパンが9mを境として、
経済的にスパンクリートが有利になるようです。
遮音上は、矩形ボイドの場合は、遮音タイプを使用することが大切で、そうでないと、
間仕切りがボイド上部に来たときに、インターフォンの呼び出し音や扉の開閉音が下階
に響くようになります。(ボイド上部の薄板部分が共振する)
また、スパンクリートは中央がむくっているので、現場で上部をコンクリート打設
した後の合成床板ではスラブ中央の厚みが薄くなるきらいがあります。(その分、中央
部分の遮音性は落ちる)PC鋼線のおかげで薄い板厚さでスパンを飛ばせ、軽量化できる
ので使用されますが、その分振動はしやすいものかも知れません。
中空部に水がたまらないためには、矩形ボイドでは無垢タイプを使用することが予防
となり、スパンクリートでは、施工時に孔部分にしっかりと止水処理があることが肝要と
なります。(この止水処理が不十分で、コンクリート打設時に孔内に水がたまる事例がある
そうです)
いずれにせよ、間口が広く内部に小梁のない住戸の普及は、優良なマンションストック
の構築からも望ましいことであり、305さんの選択は望ましいと思います。
>>306の方へ
一般に壁式の耐震性は優れているといわれます。
地震時の水平力に対しての変形が微少であり、耐力に優れている場合が多いからです。
戸建てでも、在来軸組工法に比較して、2×4の壁式の方が遙かに大震災に耐えたのが
実証されてきました。GBの同僚である構造設計担当者ももわざわざ壁式のマンション
を探して、購入しました。
壁式のプレキャスト造は、一時期昔の住宅公団の旗振りもあり、工業化工法として
推進されましたが、コスト上の課題で、在来工法に取って変わるまでにはなりませんで
したが、三井プレコンなどこだわる会社が続けているものです。
検討して損はない物件だと推測されます。
305です。
ゼネコンボーイ様,詳しく説明くださりありがとうございました。
カイザーボイドスラブが20年以上前から実績あり,一般的な工法とのことで安心しました。
検討中のものが遮音タイプかどうかを売主に確認してみようと思います。
販売センターで閲覧することのできる設計図で確認できるものでしょうか?
間仕切りとの位置関係くらいは分かるかもしれませんが・・・
ありがとうございました。
また,相談させてください。
305です。もう一つご教示ください。
カイザーボイドスラブの物件でリビング等は床厚360㍉です。(間口は約9,300㍉)
配管を通すためだと思いますが,洗面室・浴室等は180㍉です。気になる点が2点あります。
・洗面室床下に根太材?を置いてその上に合板が張られるのだと思いますが,
いわゆる太鼓現象が生じやすいと思いますが,それを防ぐための方法があるでしょうか?
・ユニットバスの洗い場の中心にはシャワー音の伝搬を防ぐためゴムで防振していると聞きましたが,
それ以外は金属脚がスラブに直接置かれるようです。
浴室は寝室に隣接する間取り(専用部の中心に浴室がレイアウトされているため)であり,深夜の
入浴により騒音が生じるのではと思います。
よろしくお願いします。
>>308
返信ありがとうございます。安心しました。
用心深いので耐震強度は?って質問したら
1.0らしいです。計算方式が合わなくて
実際は数字以上あるとの事でした。ニュースステーション
でやってましたがソフトによって誤差があるみたいですから
1.0っていわれてもどうなんだろうって思ってしまいます。
ゼネコンボーイさんどう思われますか?お願いします。
>>310. 305ボイドスラブさんへ
ボイドスラブ厚さが360mmとは、すごい厚さですね。床仕上げは直床ですね。
洗面室は配管のために、180mm程度の二重床仕上げとすることで、
床レベルを全フロア同一にしています。よって、いわゆるLDに使用するのと同じ
ゴム付き支柱で、パーティクルボードを支え、その上部にコンパネか通常合板を捨て貼り
して、クッションフロアなどの仕上げを行っています。(最近は、フローリングを回す
ことも多い)この二重床は、壁取り合い部分を透かすことで、太鼓現象を緩和させます。
洗面の場合は化粧台で隠れる部分や洗濯機パンの後ろ部分などの目立たない部分で、
十分に空気抜きさいた施工をすることが大切になります。
ユニットバスの質問は新鮮ですね。ユニットバスは音が出やすい部位で、今は
この水回り段差部分のスラブ厚さも200mmとる例が多くなりました。下階への衝撃音
伝搬を防止するために徹底的に防振化を図ることもあるようですが、その場合出入り口
との取り合いが難しくなるとか、浴槽の水による変位や人の振動に耐えうる配管類の
遊びも必要になってるので、通常は305さんのような仕様です。自分の寝室との仕切り
はPB2枚ずつの両面張り仕様の間仕切り壁となっていれば、まず及第点ですが、
不安ならばさらに内部にGWを充填してもらいましょう。
ゼネコンボーイさん初めまして。
ひとつ質問をさせていただけないでしょうか。
現在検討中のマンションの戸境壁が二重壁です。
コンクリート260mm+軽鉄+9.5mmプラスターボード+クロス
あまり見たことのない二重壁なのですが、
防音性能等、いかがなものなのでしょうか。
http://www.nomu.com/new/vc-yoyogi/equipment/index.html
の下のほうに、概念図があります。
お忙しいのにぶしつけな質問で申し訳ないのですが、
お分かりになる範囲でお教えいただけないでしょうか。
>>313.次郎さんへ
これは特に問題ありません。
このような戸境壁は正確には、ふかし壁付きのRC戸境壁と呼びます。
20年前にスーパーゼネコンで立証されているといって、「一流建築家」がいまだに、
マンション選定マニュアル本でクロス直貼りの方がふかし壁より優れると喧伝して
いますが、ボードとRC壁の間に55mm以上の中空層を設定する場合、
全く問題ないどころか、250Hz帯域以上では5dB以上遮音性がよくなります。
これは人の会話等は、より聞こえなくなるというものです。
特にこのようにRC壁自体が透過損失係数でRr55の等級を持っているので、200mm
戸境壁のクロス直貼りよりははるかによい性能です。(平面詳細をみると、ふかし壁と
しているのは居間や洋間の部分だけのようですが)
もともと立地の良さ(土地代が高い)、敷地面積の制約と設定価格のかねあいで、
1フロア3戸の計画とし、専有面積が少ないプランなのに、どうしてこの界壁だけ、
有効面積を減らしてまで高級遮音性を確保するのかの疑問が生じますが、タイプAと
タイプCの間の戸境壁が耐震壁としては、玄関開口とバルコニー仕切開口を持つものと
なっており、耐震壁そのものの必要厚さが200mmを超えたので、Rr55等級となる
260mm厚さにしたのかも知れません。(床の方は、天井厚さも50mmとかGBも
どう納めるのか知りたいような薄さになっており、その分遮音性はやや犠牲にされ、
階高はかなり圧縮させている印象を受けます。)
詳しくお教えいただき、感謝&感激です。
二重天井&二重床ということで安心しておりましたが、
そうですね、たしかに階高を圧縮させていますね。
こちらも貴重なご助言、ありがとうございました。
ゼネコンボーイ様に質問です。
マンション購入を考えています。
スラブ厚とか数字が色々ホームページに載っているのですが、
基準が良く分からないので良いのか悪いのか、どう判断したらいいのか分かりません。
こんどモデルルームに行って質問したいのですが・・・
http://purelife.sanpre.co.jp/shinden/quiality/index.html
↑に詳細が載っているのですが、もしよろしければ良いところ・悪いところ等
ゼネコンボーイさんの意見を踏まえて答えて頂けたら嬉しいです。
どうか宜しくお願いします。
>手付金等の保全措置手付金は5%以下につき保全措置は講じない
のこ会社大丈夫?
ゼネコンボーイさん
検討中のマンションについおて、高価格の割にはスペックが悪い、との意見があり迷っています。
著名デザイナーを使用し、大理石な度使っているのですが、換気システムが熱交換でなく換気口があいているだけとか、
サイレントシンクでは無い、とかエアコンがカセット出ない、とか言うことですが、購入者としてはこれらを、どの程度
重視したら良いのか、デベロッパーの姿勢に問題があるということなのか、どのように考えたら良いのか困っています。
専門家の立場からのご意見(一般論で結構ですので)をいただければ大変有難いです。
>>316の方へ (ひょっとして306の方ですか?)
三立プレコンは、自社のプレキャスト工場を回転させるため、デベ事業を始めたよう
ですが、コンセプトはしっかりしているようですね。ただ、このHPにある9階WRPCは、
かなり耐震壁付きラーメン構造に近いというか、桁行き方向は、壁というよりは、
かなり柱に近いディメンションで、柱幅と梁幅が同一になっているだけのような。よって、
通常の耐震壁付きラーメンより同じ1.0でより強いかどうかGBはよく分かりません。
また、なぜ柱型を部屋内に出すようにしているのか、よく理解できない部分ではあります。
しかし、280厚さの矩形ボイド合成床板を使用し、フローリングの下地には、今は主流で
はない発泡スチロールブロックによるものです。確か床厚さが薄い場合に、軽量衝撃音の
250Hz当たりに弱点があったような気がしますが、今回の件ではそれほど薄くないだし、
重量衝撃音では、通常の乾式二重床(素面より−5dB程度悪くなる)に比較して、
ほとんど劣化させない使用なので、よいですね。しかし、HPの表現は何か、建築学会
規準と品確法の対策等級の表示が混乱しているようですね。(たぶん、重量が対策等級4で、
軽量は対策等級3のはず。LL45の1級表示は、性能試験から類推した現場推定値の一つで
あり、公的なものではないでしょう。軽量の対策等級3はLL55の達成を指標にしている
ものですから。同様に、重量の対策等級4はLH55の達成を指標にしています。
(過去事例での実測データをみせてもらいましょう)
最後に、戸境壁のしくみがGBもよく分かりません。戸境壁もPC工場製品とすると、
片側はPBを完全密着で貼るのでしょうか?他方の空気層はどのように形成している
のか、独立間柱で形成しているのか?遮音性能のデータはあるのか。MRで聞いてもら
えると有り難いですね。
過去のマンション事例を見ても、屋上は屋根付きを標準とするなど、良質な
マンションを提供していきたいという姿勢が伺えるように思います。
>>318の方へ
>熱交換型の換気システムについて
特に意識する必要ないでしょう。熱交換型は確かに、省エネにアピールする部分も
大きいですが、排気ガスと吸気ガスのショートサーキットはよく指摘されるところですし、
全熱型(顕熱=空気温度と潜熱=湿度が内在している熱エネルギーの両方を交換させよう
とするもの)では、湿気に内在する臭いやNOXなどの分離が現状できないようなので、
やめた方がよいものです。導入するとしても顕熱型ですが、先の短絡の問題も外部の気流
がないような時は問題だし、空調負荷の電気代の差異も、高級マンションを購入する人が
気にする範囲のものではないでしょう。
参考:http://www.ads-network.co.jp/ziten/S01-kanki/S01-03.htm
「住宅設備・家電」が危ない 足立博 2004.12 ㈱エクスナレッジ
も大変勉強になります。
>シンクの防音処理
これも無いよりは有った方がよい程度のもので、マンション選択の規準になるような
ことでないでしょう。だいたい、食器洗いのときは食器を重ねる音が生じるし。
>エアコンが天井カセット式
そうなっていれば、確かに豪華な感じもしますが、実際には、意匠的に壁部分に付ける
部分がなくなって、ビルトインしている事例も多々あります。居間にある天井カセット型
は単に室内機を天井部分に持ってきたものですが、その分階高がないとうまく設置できま
せんが、室外機が個々に必要です。マルチ仕様にしても2つの室内機しかまかなえません。
その点、マンション用の全館空調システムが導入されている方が、初期コストは生じます
が、全部屋の空調用室外機が一つになり、その分バルコニーが有効に使えて、より高級な
仕様といえるでしょう。しかし、壁型のよい点は、戸建てを含めて大きく普及している
ので、コストパーフォーマンスがよく、買い換え時の作業も容易なことです。よって
天カセかどうかも特に購入時の選定基準にすべきことではないでしょう。