無意味な自己責任論争を回避するため、前スレ242さんの書き込みを貼り付けておく。
検査機関を民営化するという話が出た際(80年代の終わり頃だったとおもうが)に、日弁連や一部
建築士などから、民営化は危険だという異論がありました(テレビで、河合弁護士本人が証言)。
なぜなら、検査機関のお客さんは、デベロッパーですから、検査機関は、デベからお金をもらって
検査をするわけです。で、厳しい検査をして、検査機関の本来の仕事をきちんとこなすと、お客であ
るデベからは不興を買うという構図になる。それなら、いい加減に甘く検査して、なんでも素早くOK
を出してあげれば、そういう検査機関にお客が増え、検査機関は楽をしてもうかるということになる。
つまり、きちんと検査をさせるというインセンティブが、この制度では働かないわけで、欠陥住宅が
増えることは目に見えている、という異論ですよ。
にもかかわらず、「官から民へ」という安易な考え方で、この異論を押し切って、現在の検査態勢に
なったわけです。で、案の定、こういう結果になったわけで、当時、今日の事態を容易に予見できて
いたにもかかわらず、制度設計の工夫を怠った、という意味で、そして、そんないかがわしい検査機
関にお墨付きを与えていたという意味で、国には一定の責任があるのです(全部ではないが)。
売り主の瑕疵担保責任を、国が肩代わりするという話ではないのです。全部を国が「補償」する必要
はないと思うが、自らの落ち度もあるのだし、一定の救済措置をとることは、政府としての責務であ
り、本来の政府の仕事だと思う。こういうときに国が助けないで、いつ助けるのよ?自らのミスの結
果でもあるのだから、震災被害以上に助ける義務があるでしょう。
ですから、純粋に「民=民」の関係だとは言えないのです。運転免許や医師免許の話とは全然別の話。
ここで国の責任が全くないといっている人たちの言い分がとおるのであれば、国はメチャクチャ楽です。
業務をすべてアウトソーシングして、失態があれば、すべて委託先の責任にすればよい、ということに
なりますよ?アウトソーシングするという判断をした以上、そのアウトソーシングによって、自らの仕
事をきちんと代行させるという責任が発生するわけです。民間企業でも、アウトソーシングして顧客に
迷惑をかけた場合、アウトソーシングをすると判断した企業は、やっぱりその迷惑についての責任を負
うでしょう?委託先が悪いんだから、知らない、なんて言い訳通用するの?しないでしょうが。
ここまで書いても、まだダメかしら?何を言っても、聞く耳持たないからなぁ(苦笑)。