今回は「二重床」「二重天井」は「必要最低条件」という事柄の総括を致しましょう。
まず,「二重床」のメリットは大きく2つです。
1番目は床衝撃音の重量衝撃音や軽量衝撃音の遮音性能が「直床」(じかゆか)に比べてかなり良い事です。
2番目は給水給湯配管が「直床」ですと「鳥居型配管」になり給水給湯設備機器にとってはあまり良くない事や「ウォーターハンマー」と言う「コーン」と言う音が生じる事が有る事です。
次に,「二重天井」のメリットは大きく3つです。
1番目は照明器具の移動が可能だという事です。「直天井」(じかてんじょう)では照明器具の移動はほぼ不可能です。
2番目は「直天井」は上階の床のコンクリートスラブ内に電気設備配管等が交差して入っていますので配管の交差部分の強度が弱く「クラック」(ひび割れ)が入り易い事です。「二重天井」の上階の床のコンクリートスラブ内には電気設備配管等はまず入っていませんので丈夫です。
3番目は上記「2番目」の内容でやはり床の遮音性能が落ちるという事です。
いままでは,「ハード面」のメリットでしたが「ソフト面」の「二重床」「二重天井」のメリットを御説明致しましょう。
「二重床」の場合はリビング・ダイニングルームからバルコニーに出る「掃出し窓」の下端のサッシュのレールとフローリングのレベル(高さ)が「ゾロ」(同一高さ)ですっきりしています。
「直床」はこのサッシュ下端のレール部分が床面より15センチ以上高くなりますので,またぐ必要が有り,出入り時にけつまずいたりして入居者が「高齢化」すると危ないです。
見た目も「二重床」の「掃出し窓」は床面から立ち上がっていますが,「直床」の「掃出し窓」は下端が床面から15センチ以上上にありますので,宙に浮いた感じで違和感が有り美的にも良くありません。
また「二重床」の「和室」ですと「畳」の厚さは約55ミリですが,「直床」の「和室」の「畳」の厚さは約15ミリ程度で「ゴザ」感覚です。
「二重天井」は大梁や小梁の存在があまり目立たない事で空間がすっきり致します。
また「二重天井」の場合は天井の「カーテンボックス」が露出せずにカーテンが引き立ちます。
まだまだ,「二重床」「二重天井」の良い所は沢山ありますが簡単にまとめますと上記の様な結論になります。
「二重床」「二重天井」は必要最低条件と私が「口酸っぱく」言っている理由がお分かり頂けたでしょうか…。
「直床」「直天井」は購入者にとって良い事は「価格が多少安くなる」だけでその代償は大きいのです。
分譲マンションは長く住まう所ですから若干高額でも「二重床」「二重天井」の物件を選ぶ様にすれば,私の意見は後悔せずに済むと思います。