免震層に使われている
積層ゴムは圧縮方向の力には強いものの
引張り方向の力には弱い為
引張り力を負担することが許されていません
地震時、細長い建物ほど杭頭部から基礎付近にかかる引張り力が大きくなります
その為、「超高層では免震を採用できない」ということになっていました
近年、各ゼネコンが積層ゴムに引張り力を負担させない支承を開発し
超高層にも免震を採用できるようになりました
最近竣工した物件としては、キャピタルマークタワーがありますし、
施工中物件としては、豊洲タワー(中間免震)やビーコンタワーレジデンスがあります。
免震の効果について疑問があるとすれば、長周期地震動時の挙動です。
そもそも、免震は建物の持つ固有周期を長くすることで、地震時の揺れを低減しています
近いところで起きた地震の周期はながくても2秒ほどですが、
長周期地震動の場合はこの周期が4秒以上になり
場合によっては、免震建物の固有周期と一致し、共振現象を起こし激しく揺れる可能性があります
この長周期地震動と深くかかわっているのが、堆積層の厚さと
その下にある硬い岩盤の層の形状です
関西はこの固い岩盤の層が比較的単純な形をしており
場所ごとの長周期地震動時の卓越周期が予測されています
一方、関東平野では固い岩盤の層の形状が複雑な為
長周期地震同時の卓越周期を予測することが非常に難しいそうです
さらに、震源の方向によっても卓越周期が変化する可能性があり
地点ごとの卓越周期を予測することを難しくしています
地震時に耐震や制振よりも揺れないのは、免震ですが
長周期地震同時には、長く、大きな揺れに見舞われる可能性が
耐震や制振よりも高いのが免震です