本物件は徳川園の近くの良い場所にありますね。でも地元の人の中には快く思っていない人がいるようです。反対される理由の鍵が長谷工の特命受注です。
なぜ建設会社である長谷工が都市部の優良土地を次々に手に入れられるかですが、簡単にいうとマンションを安く作る比類ないテクニックと、とそのマンションを高く売る比類ないテクニックを合わせ持ち、その利益で他社よりも土地を高値で買うからです。競争入札なら必ず勝つ。
■ 安く作る方法:工業製品のような画一的な設計(出窓なし、曲線なし、低い階高、田の字の部屋、間口の狭い細長い間取り(縦横比が2)、共通外廊下に面した暗い北部屋、梁の多い天井、直床、機械式駐車場、吹きさらしの外廊下、居室に囲まれたエレベータ など)。最安の材料(ALCパネル壁、鉄柵の腰壁、窓やサッシや敷地の外壁柵の質。ここでは7000万円の部屋もALCパネル使用。)。他の長谷工の特命受注の物件のデザインを見るとたいてい同じ。短期間の完成で人件費削減も。
■ 高く売る方法:事業持込による特命受注。設計施工監理の他に地元交渉まで長谷工が受ける条件で、他の有名デベロッパーに売ってそのブランドで販売。長谷工が主導していることはわからない。住民交渉の汚れ役も長谷工がするので取引事業主は何もしなくてもお金が入る、簡単に言うとブランドの名義貸し。
例えば 同じ販売価格の物件でも、土地の価値が10億円として
■通常の物件
土地10、建物10、諸経費2、売主の利益3 =販売価格25 とすると
■長谷工の特命受注物件は、
土地11、建物6、諸経費2、売主Hの利益4、名義上売主Sの利益2 =販売価格25
(数字は解りやすくするためのたとえ)
だから、他より高い値で競争入札の土地が買える。
マンションの価値は場所が全てと考える人は、上の数字みて考えて。
このビジネスモデルは、名義貸しだけで美味しい思いをするS社や、委託販売会社などにも利益をお裾分けしているので業界内からは文句が出にくい。
一番心配しているのは、本当に良い住宅を人々に届けたいと真面目に考えている建築士や設計士やデベロッパー。
このビジネスモデルが拡がると、国内の優良の住宅地には長谷工の団地が並ぶことになる。タワーマンションを建てる技術は無いので、進出するのは戸建ての多い高級住宅地。景観を考える建築士や都市設計士者が長谷工の進出を心配している。
背景がわかると過去レスや業者の説明が理解できる。(さらに詳しくはネットで 「長谷工 特命受注」で検索)。施工だけ長谷工で設計が別なら「特命受注」物件ではありません。
以上は1級建築士の話から。この理解に誤りがあれば具体的に指摘してもらえると有難い。