- 検討スレ
- 住民スレ
- 物件概要
- 地図
- 価格スレ
- 価格表販売
- 見学記
北向き住戸は値上がりする
都心のタワーマンションの場合には、北向き住戸が値上がりすることが多い。信じられないかもしれないので、まずは根拠を示そう。2006年から2010年の都区部におけるタワーマンションの北向き住戸の中古売り出し事例を対象に、新築時に比べて価格がどう変化したかを調査したが、第1位は中央区で騰落率はプラス20.8%という結果になった。つまり、中央区では北向き住戸は新築時に比べて2割も値上がりしているのだ。
では、なぜ北向きが中古になった時のパフォーマンスがよくなるのか。これはマンションの売り方が大きく関係している。マンションの場合、北向きの住戸は総じて人気がない。特に低層マンションはその傾向が顕著だ。低層の北向き住戸は、日当たりや視界が周りの建物に遮られて極端に劣ることが多いため、値段が安くても買い手が付きにくいのだ。
新築の分譲時は基本的に物件は建築中なので、青田買いと言って図面やモデルルームを見ながら物件購入を決める。最近は周辺物件との距離感は模型で、眺望のイメージは写真で見せてくれることもあるが、一般の方には実感はわきにくいだろう。このため、陽が当たらないことから「北向き」は敬遠される傾向が強く、結果として販売側も割安な価格設定にしがちなのだ。よって、新築で売り出す際の価格には、南向きと北向き住戸では南北価格差を付けるのが一般的である。当然、北向きの方が安く、他の条件が同じなら一般的に10%程度の差がある。
これに対し、中古を購入する際は実際の住戸を見て決める。タワーの様な大規模物件であれば、同じ物件の中で複数の売出住戸があるので、すべて内覧したとしよう。各住戸の条件で大きく違うのは窓から見えるビューになることが多い。特にタワーマンションの場合には、開口部の広さが他の物件とは異なる最大の特徴であり、その魅力から探している人も多い。設備の老朽化も同じ物件なら大差はないし、壁の汚れなどはクロスの張り替えなどで済んでしまう。面積や間取りは内覧前から図面で確認ができている。内覧が決め手となる中古の場合、お金をかけても変えられない条件、つまり眺望が最大の差別化要因になる。どんな買い物もそうだが、「見たら欲しくなる」ものである。その人間心理を中古価格は忠実に反映していると考えた方がいい。
そこで、40階以上のタワーマンションを対象に、住戸の向きと階層ごとに中古騰落率を調査してみた。結果は、北向きが22%、北西17%、北東も17%、これに対し南向きは3%だった。新築時の南北価格差がついている分、中古では価格逆転現象を起こしていることがわかる。つまり、北向きの住戸は、新築時は割安で中古になると割高になる傾向が強い。そうした特性を読み切れば、値上がりする物件も狙うことができる。
【結論】新築と中古の売り方の違いから、条件のいい新築の北向きに妙味がある