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ウォールストリートジャーナル記事「品川が新たな東京の中心に浮上」
東京-400年以上前、徳川将軍が治めていた時代、彼は東京湾から数マイル北の丘陵に城を築いた。高貴な人が籠に乗ってそこから西日本へ旅をするとき、彼らは時折、旅のルートの最初の宿場町である品川で休息を取った。時代が変わっても、日本で最も高価なオフィスは天皇裕仁が居住する宮城に隣接した地域であり、品川は長い間、人々が通り過ぎるだけの小さい役割を果たし続けていた。しかし、かつてのマンハッタン南端からマンハッタン中心部がビジネスセンターの座を奪ったように、いま日本のいくつかの鉄道会社は品川と南東京に位置するその周辺地域を新しいビジネスの中心にしようとしている。
品川駅前にはソニーのグローバル本社やマイクロソフトの日本本社を含む大企業がすでに存在しているが、米国の投資銀行を含む多くの一流企業は丸の内や赤坂など、皇居に近い場所に居を構えている。より大きな企業やベンチャー企業を惹きつけるために、鉄道会社と不動産デベロッパーの2つの顔を持つJR東日本は、品川駅の0.5マイル北の32エーカーの土地に400億ドルを投じる計画だ。古い操車場の跡地におけるそのプロジェクトは、東京オリンピックが開催される2020年に開業する新しい駅を中心に展開される。駅の開業後に周辺にオフィスを含む7つのビルと高層タワーマンションを建てる計画だ。その近くでは、日本最大の不動産デベロッパーである三菱地所と三井不動産が東京ガスとともに30万平方メートルのオフィスや商業施設を併せ持つ30階建て以上のツインタワーを建設中だ。その地域の不動産賃料は競合する丸の内と比べて2割から3割安いとアナリストは指摘している。東京は、多くのグローバル企業のアジア地域のヘッドクオーターとしての役割を香港やシンガポールに奪われてきた。JR東日本の重要な最終目標は日本の首都がいまだに活気があり成長し続ける街であるということを世界に見せつけることだ。
「もし品川を軸に経済を再活性化する事ができなければ、日本経済の未来は決して明るいとはいえない」とJR東日本の開発担当役員の横山保一氏は言った。彼は、おなじく古い操車場跡をもっていたオレゴン州ポートランドの都市開発を研究したうえで、グローバルに展開する一流ホテル事業者と連携したいと言っている。3500万人の人口を抱える首都圏の人々は通勤に車を利用する事はほとんどない。東京における不動産の開発はほとんど鉄道開発の歴史であった。皇居の地下には一切地下鉄を通すことは許可されないにもかかわらず、もっとも密度の高い地下鉄エリアは皇居周辺の東京都心である。
品川の役割の優位性は鉄道と飛行機にかかっている。過去10年にわたって品川から電車でわずか15分に位置する羽田空港には数十億ドルが投資され、ローカル空港から北米やアジア各地への国際空港ハブに生まれ変わった。それは、いまだ羽田よりも多くのフライト便数を持っているものの都心からの移動に1時間を要するため利便性に劣る成田空港から東京の重心を変えつつある。さらに先に目を移せば、最大のプロジェクトは450億ドルを投じてニューヨークからワシントンの距離に匹敵する品川~名古屋までをわずか40分での移動を可能にするマグレブだ。JR東海は昨年、2027年の開通を目指して建設に着手した。現在の新幹線は皇居がある東京駅と品川駅の両方に停車するが、マグレブでは品川は東京の唯一の始発駅となる。
「富士通システムズ㈱は本社を東京北部から交通インフラに優れた品川駅前の新しいビル「品川シーズンテラス」に移転した」と富士通の桧垣博之氏は言った。「システムエンジニアは常にクライアントにスピーディーにコミュニケートしなければならない」と彼は言う。「新幹線や空港にアクセスが良いということがビジネスの競争力を増す」という。しかし桧垣は「品川地域は銀行支店やレストランなどの充実度の高い地域に比べれば施設の混雑がひどく発展途上である」とも言っている。彼は駅の混雑も問題であるとも述べた。東京の不動産投資会社ケネディクスの小松幸寿氏は「品川開発にともなって夢は広がるが、結局、東京の他のエリアから人を奪うだけに終わるのではないかということが懸念材料だ」と述べている。「東京という同じパイのなかでの単なるシェアの奪い合いに終わり、人口増や雇用創出にはつながらない懸念がある」とも述べた。伝統的に東京南部はソニーのような製造業を魅了してきた歴史があり、多くの製造業がその製造拠点を中国やアジア諸国の移す前は多くの製造業の本拠地であった。品川駅の南西1マイルで、三井不動産とその他数社のデベロッパーにより古い工場地帯8.9エーカーがパークシティ大崎というオフィス、商業、居住からなる地域に作り変えられた。かつて、このエリアに工場を持っていた製造業がいくつか入居している。
IPグローバル・リミテッドの投資責任者であるエリザベス・チュ氏は「交通インフラは投資先を決定する重要な要素だ」と述べた。 同氏は、香港、シンガポール、中東の高額資産を持つ個人投資家が海外に投資するのを手伝っているが、彼ら投資家はまだ東京に直接的な不動産投資を行っておらず、彼らの投資は手始めとしては東京都心に集中する可能性が高いとしている。しかし、一度東京の事情が分かってくると「彼らの投資のターゲットは羽田に近い品川に移動するだろう」と述べた。