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0歳
旧華族の血筋を受け継ぐ大財閥「幸(さいわい)家」に一人の男の子が生まれた。
その生まれながらに美しい顔立ちは、周囲の人々を太陽のように明るく照らしだし、一寸の陰りさえも見えない。
莫大な富と名誉を欲しいままにすることを 生まれながらにして約束され、”幸・鉄平(さいわい・てっぺい)”と名づけられたこの男の子は、これからどんな人生を歩んでいくのだろうか。
[スレ作成日時]2007-02-18 15:32:00
0歳
旧華族の血筋を受け継ぐ大財閥「幸(さいわい)家」に一人の男の子が生まれた。
その生まれながらに美しい顔立ちは、周囲の人々を太陽のように明るく照らしだし、一寸の陰りさえも見えない。
莫大な富と名誉を欲しいままにすることを 生まれながらにして約束され、”幸・鉄平(さいわい・てっぺい)”と名づけられたこの男の子は、これからどんな人生を歩んでいくのだろうか。
[スレ作成日時]2007-02-18 15:32:00
45歳
「お嬢ちゃん、ええ会話しませんかぁ」
「英会話?」
パッチリした瞳の美少女が立ち止まる。
男は何食わぬ顔でミニスカートの中にカメラを入れた。
「かかったわねっ」
少女が空中に飛び上がった。
「変態男、キラーホワイトがお相手よっ」
電光石火の早業で白い足が弧を描く。
男は潰れたヒキガエルの如く、路上に崩れ落ちた。
「連続盗撮犯の噂を聞いて罠を張ってたのよ」
ホワイトは得意げに鼻をならした。
「小娘っ」
不意に背後から別の男が襲いかかった。
「あっ」
羽交い絞めにされ、白いリボンのポニーテールが大きく揺れる。
「ピチピチ戦隊か。一人で来るとはいい度胸だ」
男が立ち上がり、ホワイトの胸に手を伸ばした。
その瞬間。
「お待ち、この蛆虫」
黄金の鞭が男の首に巻きついた。
鞭の先には、グラマーな肢体を黄色のスーツに包んだ長い髪の女。
「行くわよ、ホワイトっ」
二人の細い足が舞い、蹴りが男達の顔面にめり込んだ。
「私はピチピチ戦隊の新隊員、ビクトリー・ベース」
男達はせっかくの自己紹介にも気づかず、昏倒していた。
「大丈夫?」
ルージュとシャドーが駆けつける。
「ええ、彼女のおかげで」
「頼りになるぅ」
褒められて、頬を染めるベース。
「でも、これはいただけないわ」
ルージュが、ベースの胸の不細工な青いペンダントを指差した。
「……これは」
ベースが口ごもった、その時。
「探したぞ、ピチピチ戦隊」
大声とともに、電飾の付いた極彩色の裃に身を包み、ちょんまげに薔薇をあしらった男が現れた。
その両脇には薔薇の文様の着流しを着た男が二人。
「また、ヘンなのが、出てきたわ」
シャドーが溜息をつく。
「エロ魔王をよくも葬ってくれたな。今度はこのエロ将軍が相手だ」
余裕の笑みを浮かべたホワイトがミニスカートのすそを捲り上げた。
「ピチピチフラッシュ」
白い太ももから出た悩殺光線が辺りを包む。
「男なら再起不能ね」
しかし。
「二人とも見て、やつら平気」
愕然とするホワイト。
「ふふふ、男がすべて女を好きだと思ったら大間違い。わしのエロは同性のみに向けられるのだ」
ちょんまげを震わせて男が笑った。
「ええい、控えおろう。このやおいの紋が目に入らんか?このお方をどなたと心得る」
供の男が叫んで、印籠をかざした。
ショッキングピンクの印籠の表面には二つの男性マークがウロボロスの蛇の如く円を描きお互いの丸を矢印が刺し貫いている。
ベースが呟く。
「矢追いの紋に、同性愛主義。お前はエロ将軍……み、meと肛門!」
「このわしを知っているとは、素人じゃ無いな」
エロ将軍が、ジロリとベースを睨んだ。
「まあいい、全員地獄に堕ちろ」
将軍はにやりと笑って全身の電飾を不気味なリズムで光らせた。
「悶々ビームを食らえ」
薔薇色の光線が印籠から発射され、四人を直撃した。
「ああんっ」
少女達は、苦悶の表情を浮かべて路上に蹲り、悶えた。
だが、妖しい光の中すっくと立つ一つの影があった。
「な、なぜだ」
「無駄よエロ将軍、私には効かない」
冷たい声が響き、鞭が一閃した。
ピンクの印籠が砕け散る。
精神攻撃から逃れた少女達が立ち上がる。
しかし、今度はベースが身体を震わせ始めた。
「どうしたのっ」
胸のペンダントが赤く点滅している。
ベースの輪郭がずれ始め、次第に筋肉質の男の姿が浮かぶ。
「お前は、我が薔薇一族から出奔した黄願丸」
エロ将軍が叫ぶ。
ペンダントが赤に変わり、ベースの姿がガテン系の男に変わった。
「ベースっ」
悲鳴を上げるピチピチ戦隊。
「騙してごめん。ホルモン剤入りのペンダントが青い間だけ、女になれるの」
口髭がわなわなと震える。
「ふふ、姿を変えてもお前は男。心の奥にはエロの噴煙が立ち昇っているはずだ。ピチピチ戦隊でやっていけるはずが無い、我が軍門に下れ」
「愛に形は関係ないわ。良いエロは無敵なの。あなたのエロは、滅ぼすべき悪いエロ」
ベースはエロ将軍を睨みつけた。
「秘技、ミー、とオッ」
掛け声とともにベースが飛び上がり、両手を突き出した。
「パイッ」
手から放たれた細い針がエロ将軍らの胸に二つずつ突き刺さる。
針は一瞬、胸に突き立ち、すぐに地上に落ちた。
そのとたん、彼らの胸は服を突き破って膨れ上がった。
その頂点には虫に刺されたような赤いイボ。
「かっ、かゆい」
エロ将軍たちは、胸を掻き毟り、悶え苦しむ。
「蚊の毒液を最新バイオテクノロジーで強化したパイ毒よ。地獄の痒みを味わいなさい」
エロ将軍らは胸が気球のように膨張し、空中に舞い上がっていく。
「甘いな小娘。バイオテクノロジーと言うなら、パイをテクノロジーぐらいに捻らねば……」
ぷシューという音とともにエロ将軍は、ついに正体を現した。
それは、あの勝海虫であった。
「エロは夢。エロは希望。われらのエロに敗北なし」
彼は、苦痛にのたうちながら叫ぶと、部下とともに虚空に消え去って行った。
「この後に及んでダメだしとは、敵ながら天晴れ」
美少女戦隊は、唇をかんだ。
彼女たちの戦いは、まだまだ続くのだ。
46歳
いつものバス停に降りて腕時計をみると、まだ4時半だった。
今回の裁判は、結果が悪すぎた、いつになく疲れた。
事務所に寄って報告書を書く気力もなく吉田松竹梅は、裁判所からそのまま自宅へ直帰することにした。
見慣れた並木道に沿って、夕暮れ前の木漏れ日の中を歩いていると、剥き出しになった神経も少しずつ癒されていくような気がする。
今から家に帰れば、夕食まで子供とキャッチボールをする時間ができる。
こんな日は、まず子供の顔が見たい。
弁護士の日々は、あまりにも激務だ。
心の安らぐ場所は、マンションの小さな一角で彼を待っている家庭だけだ。
家路に向かう歩調も早くなり、ふと回りも見えなくなっていたのだろう。
気がついたときには、慌しい人声とサイレンの喧騒の中にいた。
立ち止まって方向を確認した。
一台の救急車がけたたましい勢いで走り去っていく。
人々がたむろしているところまで駆け足で近づいた。
見慣れた顔の一人がいる。
朝の通勤時に、よく挨拶を交わすことのある年配の奥さんだった。
「なにがあったんですか」
「ご近所の芳雄くん、さっきそこでダンプに跳ねられたんですよ。あの様子じゃ、もうだめでしょうね。まだ小学生なのにねえ」
「ここの四つ角、多いのよ。お子さんにも気をつけるようにいっておいたほうがいいわ」
芳雄くんのことはよく知っている。
息子のタケシと仲のいい友達で、学校から帰るといつもふたりで遊びに出ていた。
心を休めるはずの帰宅が、さらに陰鬱なものになった。
タケシにこのことをなんといえばいいのだろう。
黙ったまま玄関で靴を脱いでいると、台所から妻の「おかえりなさい」という声。
いつも通りの日常である。
今日のことは黙っておこう。
ずるい方法かもしれないが、知らなかった事にすればいい。
放っておいても、明日になれば近所の噂は妻の耳に入ることだろう。
今はただ、タケシとキャッチボールがしたい。
堅苦しいスーツを脱ぎ捨てて、居ても立ってもいられない気持ちで、子供部屋を覗いた。
タケシがいない。
「あれ、タケシはどこだ?」
「今、外へ遊びに出たわよ。晩御飯まで遊んで来るんですって」
「ひとりでか?」
「芳雄くんが、あそぼって、誘いに来たのよ」
それはいつだ、と尋ねた声は、叫び声だった。
妻が眼を丸くして、ついさっきよ、と振り返った。
芳雄くんは交通事故で死んでいるのだ。
妻はわけもわからず、ただ怯えて言葉もない。
気づくと、無我夢中で、外へ飛び出していた。
タケシを救わなければならない。
ドアから一歩外へ出たとき、非現実の世界に足を踏み出してしまったのだ。
もはや後戻りはできなかった。
どこどう走ったのかわからない。
マンションの端にちぎって捨てられたような小さな公園がある。
気がつくと、まるで呼び寄せられるように、その前に立っていた。
子供たちのはしゃぐ声が聞こえる。
あたりはすでに薄暗かったが、淡い光を集めたような空間の中で、ふたりの子供が追いかけっこをして遊んでいた。
一人はタケシであり、もう一人は芳雄くんだった。
だが、夕日を受けて芳雄くんの足元から伸びているはずの影がなかった。
「あ、おとうさん」
その時、私を見つけたタケシが、こちらに向かって走ってきた。
芳雄くんがそのタケシを追っている。
その刹那、初めて背筋も凍るような恐怖心が湧き上がってきた。
死んでいるんだぞ、君はもう。
芳雄くんの顔が、たちまち潰れたように歪んだ。
口の両端が耳元まで裂け、真っ赤な隙間から覗いた歯は、五寸釘を何本も並べたように鋭かった。
どこまでも遊んでいるつもりなんだろ、タケシは無邪気に私の背中に回って抱きつこうとした。
私は後ろ手でそれを追い払った。
「すぐに家へ帰るんだ、タケシ。母さんが待ってるぞ。走れ」
その間も異形の者は、獲物を狙う禽獣のように背中を丸めて身構えていた。
「おじさん、あそぼ…」
「ああ」
と、私は答えていた。
どうやら、この異形の関心は私に移ったようだ。
次の瞬間、タケシを残して私は弾けるように駆け出した。
異形は、待ってよ、と叫んだ。
日は完全に没していて、辺りの人影は少なかった。
すれ違う人々は、一人として気づくものはいない。
助けてくれ、という呼びかけはどこまでもむなしかった。
人々は怪訝な顔を向けて、身をかわすだけなのである。
おそらく、こいつは、他の誰にも見えないのだ。
私は、並木通りを駆け抜け、バス停を越え、さらに国道に面した往来に向かって、逃げ続けた。
吉田松竹梅が、消息を絶ったという連絡が鉄平に届いたのは、その翌日のことだった。
47歳
母を背負って海岸までの細い坂を下る。
彼女は何も言わずにただ黙って西郷猛盛に背負われていた。
彼は前を向いているので、母がどんな表情で背負われているのかわからない。
海岸に出ると、満月が煌々と砂浜を照らしていた。
ハマユウの花が、純白の花弁を夜風に揺らして甘い香りを漂わせている。
すぐ後ろを歩いていた中年の女性が、そそくさと波打ち際まで進み、背負っていた老婆を乱暴に降ろし、不安そうに遠くを見つめる老婆の背中を、海に向けて黙って押した。
見回すと、浜辺には思ったよりもたくさんの人がいた。
若い女性は、赤ん坊を海に向かって放り投げている。
投げられた赤ん坊は小さな弧を描いて、暗い水の中に消えた。
赤ん坊が着ていた白いベビー服が、残像となって西郷の瞼の裏に焼き付いた。
猫背の青年は、海に入って行く初老の男の姿を、少し悲しそうな表情で見送っている。
男は振り返りもせず進み、老いてしぼんだ小さな体は少しずつ海に飲み込まれる。
静かだった。
取り乱したり泣いたりしている人は誰もいない。
母親らしき女性に手を引かれている小さな子供でさえ、何も映らないガラス玉のような瞳で月の光に輝く水面を見つめるだけだ。
波打ち際では夜光虫が暗い水の中で淡い光を放っている。
たとえ海の中が冷たく音も無く心細い世界だったとしても、この夜光虫の美しい光がどんなにか水底に沈んで行く人々の心をなぐさめてくれるのではないか、と西郷は思う。
彼はこの海に、母親を捨てに来た。
ふうっと深いため息をひとつつくと、背負っている母を浜辺に降ろした。
いつの間にか浜辺にはたくさんのウミガメ達が海から這い上がり、産卵の真っ最中だった。
卵を産んでいるウミガメの前にそっと座って、その様子を静かに見守った。
ウミガメは泣いていた。
その小さな瞳からは大粒の涙がポロポロと流れ落ちて、砂の上に小さな黒いしみを作っていた。
どうして泣いているんだろう。
卵を産むのが、そんなにも痛くて苦しいんだろうか。
それとも、新しい命を生み出す感動の涙なんだろうか。
母が、同じように座り込んで、ウミガメの産卵を見つめている。
カメのしっぽの下のあたりから、ピンポン玉みたいな真っ白い卵がぽとりぽとりと砂の穴の中に落とされる。
このうちの何個の卵が孵化し、何匹の赤ちゃんカメが無事に海までたどり着けるのだろう。
母は卵を見つめたまま、身じろぎもしない。
ウミガメは卵を産み終えると、前足を使って丁寧に砂をかけて、またゆっくりと海へ戻って行った。
彼は卵を間違えて踏み付けてしまわないように、近くにあった棒切れを拾って卵が埋まっているあたりに円を描いた。
彼は立ち上がると、お尻についた砂を手でパンパンと払った。
母もつられて立ち上がる。
彼は母についた砂もはたいてあげた。
これが息子として、母にしてあげる最後の仕事なんだと思い、砂が落ちてからもしつこいくらいに母の体をパンパンと叩き続けた。
海面で魚が跳ねた。
跳ねた魚の青白い腹と水飛沫が、月の光を浴びて輝くのを見た。
それを合図に、彼は母の手を引いて波打ち際までゆっくりと進む。
心の中は、この海のように凪いでいる。
潮の香りが一段と強くなって、体の隅々までまとわりついて来るような気がした。
母のシルエットが、月の光に照らされて広大な海を背景にクッキリと浮かび上がる。
母はよろめいたけれど、一歩一歩、暗い海へと入って行った。
少しずつ、母の体は海とシンクロし、やがて頭の先が見えなくなって母は完全に姿を消した。
さよなら、お母さん。
しばらくの間、ぼんやりと海面を眺めた後、西郷は何かに追い立てられるようにきびすを返した。
柔らかい砂の上を足首まで埋もれながら小走りに進む。
ウミガメの姿は、もうどこにも無い。
砂浜には誰もいない。
暗闇が、その色をさらに増して私の背中にのしかかって来る。
振り向いてはいけない。
彼は少し前に母をおぶって歩いた細い坂道を、たしかめるようにひとりで登る。
寄せては返す波の音が心臓の鼓動と重なって、彼の中で規則正しいリズムを刻む。
捨てられた人々の体は魚や夜光虫の餌となって、また夜の海を神秘的に輝かせる。
いつか、そう遠くはない未来に、自分も息子に背負われてこの海に来る。
その時は、私は喜んで暗い海の藻屑になろう。
誰を恨む事なく、静かに冷たい海底にこの身を沈めよう。
風は止み海は凪いでいる。
水面で、またキラリと魚が跳ねた。
静かな静かな、房総の海だった。
48歳
男が二人、吉田松竹梅と西郷猛盛は、線路端の道を歩いていた。
「饅頭は怖いね」
「やだね、怖いものね」
月は天空遥かに上り、この二人をじいっと見ています。
「まるいのが良くないね」
「ああ、ぽってりしてるのがおっかない」
久々に顔を出したのに不愉快です。
前の満月の日は大雨でした。
「たまに皴が寄っているのが癪だね」
「はじの皮がちょろげているのも汚らしいや」
饅頭がなにをしたというのでしょう。
聞いているのもいやになってあたりを見回しました。
中央線が西へ西へと走っていきます。
「饅頭以外に何か怖いものがあるかね」
「そうだねえ、カマドウマはいやだね」
カマドウマなんて久しぶりに聞きました。
「カマドウマなんて久しぶりに聞くね」
男と同じことを考えていた月は、少しだけオレンジがかります。
「なんかさ、下駄箱の隅のところで三匹ぐらい寄り集まってこっちに尻を向けてじっとしてるの」
月は、都庁ビルの方を見ているふりをしています。
「あれをみていると、なんだか俺の悪口を言われているみたいで」
「それはどうだろう」
月は新宿中央公園の公衆便所の脇でカマドウマを散り散りに十七匹見つけました。
長い触角が影を落として、何倍にも長く見えます。
「でもやっぱり饅頭は怖いよね」
「うん、まるいしな」
「まるいし」
男たちはそれから黙って歩きました。
きっと、うとうとしていたのでしょう。
ものすごい地響きに目を覚ますと、寝ている間にはるか東になった奥多摩のあたり、大きな饅頭がひとつ転がり出てくるところでした。
暁を浴びた赤黒い巨塊はほぼ真っ直ぐに中央線沿線をたどって都心へ向かっています。
饅頭が転がるたびに足元ではいくつもの爆発や炎上があって、無辜の東京都民が敢えなく命を落としていることでしょう。
ですが、来てしまったものは仕方がありません。
月は地平線に沈んでいく己が身を少し**ました。
するとその時です。
朝焼の新宿中央公園の地面が弾けたと思うと、大きな大きなカマドウマが三匹も飛び出したのです。
三匹はそれぞれ新宿西口の高層ビル群をなぎ倒しながら集まると、触角を摺り合わせてひそひそと、饅頭の悪口をささやきあっているのでした。
いったい、このあと どうなってしまうのでしょう。
月は転がっていく饅頭を見送りながら「きっと夜中のあの男の人は恐怖で発狂しているに違いない」と思ってなんだか愉快でした。
ようやく満足した表情で、だんだんと夜明けの光に消えていきました。
吉田松竹梅と西郷猛盛が、ともに助け合って、美少女戦隊に最後の戦いを挑むのこの後、一年後のことである。
鉄平の友人、四天王と呼ばれた彼らが、何故、こんな戦いをしなければならなかったのか。
全ての謎は、やがて解かれようとしていた。
続きが読みたいので上げてみます。よろしくね♪
ねぇ、続きは、どうしたの?
51歳
「明けましておめでとうございま〜す!」
初詣でにぎわう神社の一角。
人混みから叫びながら飛び出したのは、宝模様がちりばめられた赤い振袖を着て破魔矢を持った少女。アップにした髪に白い羽飾りが揺れている。
「ルージュ、シャドウ、ここよ、ここ」
「きゃー、ホワイト。今年もヨロシク!」
ルージュと呼ばれて振り返ったのは星と小花の舞うピンクの振袖をひらめかせ、綿菓子と焼きイカを両手に持った少女。
そして背後から渋い深緑の地にあでやかなランの花が浮き上がる振袖でシャドーが登場した。
襟元から覗く白い首筋が相変わらず妖艶だ。
「総合美科学研究所美少女戦隊が勢ぞろいって訳ね」
「今年も、コスメパワーで変態どもをやっつけるわよ!」
久しぶりの晴れ着に、盛り上がるホワイトとルージュ。
「ところで」シャドーが、袂からゆっくりと一枚のおみくじを取り出した。
「今年も波乱万丈になりそうなのよね」
切れ長の目が妖しく微笑んだ。
「ここが、おみくじに見せかけた挑戦状の場所?」
ピチョーン、ピチョーン。
暗い洞窟の中はただ滴り落ちる水滴の音が響くのみ。
「戦闘服に着替えてくればよかったかしら」帯を苦しげに持ちながらホワイトが呟く。
「だって、着付け代高かったんだもの、簡単に脱ぐなんて嫌よ」
ルージュが口を尖らせる。
「それにしてもなんだか、息苦しい」
シャドーがともすれば滑りそうになる足元を気にしながらあたりを見回した。
懐中電灯を向けると、瓜のように膨れてぼよんぼよん垂れ下がる鍾乳石の先端から水滴が滴り落ちるのが照らし出される。
「なんだか、すご〜く不愉快なのよ。まるで豊満な胸に囲まれているよう……」
「これ見よがしって感じね」
確かに、息が詰まるような圧迫感がある。
ホワイトはふと手元に垂れさがる鍾乳石を掴んだ。
むにゅっ。
「こ、これは……」
ぽったりと垂れ下がる肌色の鍾乳石の先端には、ほんのりピンクに染まった突起が。
「これは、鍾乳石じゃないわっ」
その瞬間、洞窟の中がいきなりまぶしい光に満たされた。
52歳
続きが読みたい。だれか続きを書いてくれ。
53歳
続きはぁまだぁ〜?
閉鎖されてんのかな?試しにエイっとw
続ききぼんぬw