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神奈川県内には2カ所の原子力関連施設
東日本大震災で被災した福島第1原発の事故では、電源復旧作業中だった作業員3人が被曝(ひばく)、25日には2人が専門の医療施設に搬送される事態となり、被害はさらに拡大した。神奈川県内には川崎市と横須賀市に原子力関連施設が1カ所ずつあり、事故を起こした際の対応の不備について国から厳重注意を受けた施設もある。原発への信頼性が大きく揺らぐなか、県内での有事の際の対策について検証した。
川崎と横須賀
川崎市川崎区の「東芝原子力技術研究所」は施設内に、社内の研究員らの教育訓練用に、臨界実験用の研究用原子炉(熱出力200ワット)を所有しており、年間50~60日稼働させている。
臨界状態を観察するのが目的のため、熱出力は福島第1原発の数百万分の1程度。実験装置の放射性物質について、東芝広報室は「ごく微量で、万が一の事故があったとしても、施設外では人体に全く影響がないレベル」という。地震の際、原子炉は稼働していなかった。
横須賀市内には、原発用の核燃料製造会社「グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」(GNF-J)の工場があり、核燃料を生産して全国に出荷している。
同社は、「現在では社内態勢を見直し、報告を迅速にできるようになっている」と再発防止策を説明している。
“過大評価”で対応
同社によると、11日の地震発生時には水道水が一部で漏れるなどしたが、作業員の被曝や周辺環境への影響はなかったという。
過去に事故も
GNF-Jの工場では平成20年、人為的なミスで2度の放射能漏れ事故が発生し、作業員が被曝している。いずれも被曝量はごく微量で人体に影響はないレベルといい、周辺への放射性物質の放出はなかったが、国が厳重注意をする事態となった。
事故は同工場で同年7月、核燃料の原料となる「二酸化ウランペレット」を製造する過程で起きた。ウランを供給する金属製管からウラン粉末約8グラムが飛散し、1人が被曝。1カ月後の8月にも加工過程で出る不要なウランの回収の際にウラン溶液が飛散、2人が被曝した。
点検用のふたを閉め忘れるなど、いずれも作業管理の不備が原因。国への通報の遅れや、事故翌日に外部の見学者を受け入れていたことも問題となり、経済産業省原子力安全・保安院は厳重注意を行った。昨年12月には、過熱防止装置が作動して電源が落ちたことに気づかず、電気炉の電源を数回入れようとして再度厳重注意となった。
県は両市に緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)を設置。有事には市と連携し、周辺住民の避難や交通規制などにあたる。県内13カ所(川崎市5カ所、横須賀市8カ所)に環境放射線測定装置(モニタリングポスト)を置いて原子力事業所周辺の放射線を監視している。
横須賀市の担当者は「臨界事故のような最悪な事態を想定した防災計画を立て、随時見直しを行っている。GNF-Jと直接協定を交わし、地震などの際、細かい報告を受けるようにしている」と話す。
福島第1原発の事故への対応については「避難対象区域を広げていく対応は不安と混乱を招く」と国の対応に疑問を呈する。そのうえで、「国の対応が遅い場合も考え、事故が発生すればリスクを“過大評価”気味に動くことにしている」と安全対策を強調。川崎市も東芝などと連携し、同様に「防災態勢に万全を期している」としている。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110326/kng11032621200001-n1.htm
[スレ作成日時]2011-04-24 13:37:58