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家を失ったオイラが青テントで仮住まいを始めました。
基本的には放置です。
毎日は書き込みません。
連絡窓口として使ってください。
[スレ作成日時]2010-10-28 22:15:25
家を失ったオイラが青テントで仮住まいを始めました。
基本的には放置です。
毎日は書き込みません。
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[スレ作成日時]2010-10-28 22:15:25
「でべろっぱ君、僕に言わせればね、君は普通だ。普通だよ。ふ・つ・う」
野茂氏の名前が出てから清原は急に挑発的になった。
野茂氏が後ろ盾になってくれるとでも思ったんだろうか?
それで急に強気になったんだろうか?
あるいは自分が不利な発言をして不利な立場になった意趣返しなんだろうか?
「小僧にやられっぱなしになる訳にはイカン」
そんな感じなんだろうか?
それにしても失礼な野郎だ。
わしはかなりムッとした。
「清原さんの方こそ失礼ですね。あなたは私の上司でもなんでもないでしょう?」
「普通というのが何故失礼なんだね?僕の素直な感想だよ」
清原がニヤリと笑った。
わしが挑発に乗ってきたのが面白かったのか?
それにしてもレベルの低い挑発だ。
体調も悪いし早く話を終らせて帰りたかったので、これ以上言い返さないことにした。
チラッと阿波野を見た。
こんな会話のメモを取る必要はないと思ったのだろう。
彼は腕組みをして清原を睨みつけていた。
更に清原が話し出した。
「僕がでべろっぱ君と同じ歳のころにはアメリカで100人の部下がいた」
本当か?
えらい大風呂敷やないか。
わしは心の中で毒づいた。
更に清原が続ける。
今度はわしと阿波野ふたりを見ながら話し出した。
「普通の意味を言おうか?」
「君たちはハイエナだ。死体に群がるハイエナだよ。君たちはこんな狭い日本でそんな仕事をしてる。虚しくないのか?日本人の男子ならもっと気宇壮大なビジネスをしたらどうだね?少なくとも僕はそうだった。野茂君もそうだった。今の君たちを見たら野茂君は悲しむよ」
そう言いながら外人の様に両腕を広げ、大袈裟に肩をすくめた。
瞬時に返す言葉が見つからなかった。
わしは黙っていた。
頭の回転が鈍くなってきた。
駅から清原邸まで歩きながら阿波野にこう言ったのを思い出した。
「わしの反応が悪いと思ったら助けてくれ」
阿波野を見た。
阿波野もわしを見た。
「阿波野、頼むよ。助けてくれ」
目で合図を送った。
ここまで緊迫した試合は珍しい。
長い時間ずっと1人で喋って先発のわしはもう疲労困憊だった。
やっと9回の裏ツーアウトまで漕ぎ着けた。
しかしあとワンアウト、あと1人が打ち取れそうにない。
わしは審判に選手の交代を告げた。
「でべろっぱに代ってピッチャー阿波野」