○強迫性人格障害
この人格の基本的な特徴は、
「秩序、ルール、完全主義などにとらわれすぎて、柔軟性や効率性がない」ことです。
強迫性人格障害はうつ病との関連が示唆されています。
強迫性格の特徴は几帳面、倹約家、わがままでした。「正しいやり方」や「物事の原則」を主張し、他人の視点や考えに妥協することを拒むのです。もしも、そういったように自分の思ったようにいかなかったり、完全にできなかったりしたら、抑うつ状態に陥りやすいのです。そして、頑固で柔軟性に欠けているので、ひとつのことにこだわってしまうのです。
では、実際の症例をみてみましょう。
(症例)
仕事でも家庭でも自分の思い通りにならないとよく口論になり、ときには暴力沙汰になることもあった。
ふだんから生活のスケジュールが分単位で決められたような細かい生活をしている。
家族にはお箸の持ち方から、食べる順番、お風呂に入る順番など事細かに決め、それに従わないときは、烈火のごとくはらを立てる。
娘が予定した帰宅時間を過ぎようものなら、それは一大事であり、大騒ぎになる。
家計の管理が自分で行っており、1円でも帳尻が合わないとそれはそれは大変なことになる。
以上のような症例が強迫性人格障害の典型例です。それでは、診断基準をみてみましょう。
次の8つのうち4つ以上あてはまると強迫性人格障害を疑います。
1何がなんだか分からないくらいに小さなこと、規則、構成、予定表などにこだわる。
2必要以上に完璧主義にこだわりすぎて、達成できないことがある。
3娯楽や友人関係を犠牲にしてまで仕事にのめり込む。
4ひとつの道徳、倫理、価値観にとらわれすぎて、融通が利かない。
5とくに思い出があるわけでもないのに使い古したモノや価値のないものを捨てることができない。
6他人が自分のやり方に従わない限り、仕事を任せることができない。
7自分のためにも他人のためにもお金に対してケチである。
8お金は将来の何時かに備えて蓄えておかなければならない。
9頑固である。