上期マンション発売9.8%減 耐震重視、湾岸バブル崩壊
産経新聞 7月15日(金)7時55分配信
■液状化や高層建築に不安 地盤固い内陸部にシフト
東日本大震災の影響による首都圏マンション市場の失速が鮮明になった。不動産経済研究所が14日発表した今年上期(1~6月)の発売戸数は、前年同期比9・8%減の1万8198戸となり、2年ぶりに前年を割り込んだ。震災後の営業自粛に加え、液状化や高層階の長く大きい揺れへの心配から、湾岸エリアのタワーマンションの“バブル人気”が崩壊したことが響いた。
上期の発売が2万戸を下回るのは2年ぶり。ここ10年では、金融危機の影響で急減した平成21年上期の1万5888戸に次ぐ低い水準となった。地域別では浦安市などが液状化の被害を受けた千葉県が27・1%減と大きく落ち込んだ。全体の5割を占める東京23区も9・5%減だった。震災前の首都圏マンション市場は、低金利を背景に各地域で軒並み2桁の伸びを示すなど好調だったが、急ブレーキがかかった。
震災によるマンション選びの変化も鮮明だ。立地や周辺の環境よりも、地盤の強固さや耐震設計を重視する購入希望者が増えている。ケン不動産投資顧問が震災後に都内在住の男女500人を対象に行った調査では約8割が「震災後、地盤に対する意識が変わった」と回答した。
その結果、震災前は即時完売が相次いでいた湾岸エリアのタワーマンションは人気が凋落(ちょうらく)。不動産調査会社の東京カンテイの中山登志朗研究員によると、「震災後、湾岸エリアは完全に売買の動きが止まった」という。
その一方で、「(地盤の固い)内陸部を探す客が増えている」(三井不動産の菰田正信社長)。地盤が強固な、東京都区部の西側から八王子などを含む「武蔵野台地」と呼ばれるエリアでは、都心から離れているにもかかわらず、即日完売の物件が目立っている。
マンション業者も、内陸部に注力しており、今後、湾岸エリアの物件が値下がりする一方で、内陸部で値上がりする「二極化」が広がる可能性もありそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110715-00000106-san-bus_all
[スレ作成日時] 2011-07-22 11:54:38