こんなことで街の魅力が上がるのかもね。
美化活動:輪広がる 旧江戸川護岸、1人で始めたごみ拾い 協力者260人に /千葉
毎日新聞 10月10日(日)12時22分配信
◇口コミで協力者260人に
◇21日に堤防の落書き消し--浦安南高生徒らも参加
たった1人の強い意志が周囲を動かし、状況を大きく変えつつある。「ごみだらけで風景画が描けない」。そんな子供たちの声を聞き、4年ほど前、市内に住む男性が浦安市の旧江戸川護岸で、1人黙々とごみを拾い始めた。美化活動の輪は広がり、21日には市内の県立浦安南高(山中克男校長)の生徒たち20人を含む市民が、東京湾岸の堤防の落書きを消す作業に取り組む。【山縣章子】
この男性は、同市舞浜、会社役員、涌井正樹さん(49)。ある日近所の人から、子供たちが写生で旧江戸川の護岸に出かけたものの、ペットボトルや流木などごみだらけで風景画が描けない--という話を聞いた。
何とかならないかと行政に相談したが、担当者の腰は重い。仕方なく、1人でごみを拾い始めた。1日で、90リットルのごみ袋で200袋分を集めた。その後も休日などを利用し、黙々と清掃を続けた。しばらくすると、手伝ってくれる人が現れた。犬の散歩の途中で手伝ってくれる市民も。
活動の輪は口コミで広がり、協力者はやがて約260人に。涌井さんは09年、美化活動に取り組むボランティアグループ「環境バスターズ」を設立し、自ら代表として、年2回の定期清掃を中心に美化活動を続ける。
ごみの次に気になったのは、堤防などにスプレーで吹き付けられた落書きだった。市内の公共物への落書きを調べると約20カ所あった。メンバーと手分けして2年前から消す作業に取り組む。消すのに使う水性ペンキや軍手は県や市が提供してくれるようになった。
落書き消しはこれまでに延べ60回。「ひどい時には消した夕方にまた書かれたこともありました」。いたちごっこにもめげず、今では5、6カ所に減ったという。「街がきれいになれば子どもたちも安心して心地よく生活できます」
この活動を耳にした浦安南高の生徒たち有志が昨年、参加を希望した。生徒会やボランティア部など約20人や教師たちが事前に消し方を教わり準備していたが、昨年11月の実施日はあいにくの雨により途中で中止に。生徒たちは「今年こそ」と意気込んでいる。同校の担当教諭は「まずは落書き消しのリーダーを養成し、ゆくゆくは学校を挙げて取り組みたい」と話す。
21日の落書き消しでは地域住民の参加も募っており、希望者は同校正門前に午前10時半に集合。作業は1時間程度で雨天中止。事前申し込みは不要で、軍手やマスクなど必要な道具は貸し出す。