前スレ
https://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/8520/
こちらは過去スレです。
グランドメゾン伊勢山の最新情報をチェック!
[スレ作成日時]2007-07-30 14:09:00
前スレ
https://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/8520/
[スレ作成日時]2007-07-30 14:09:00
この偽装事件についての積水ハイムの声明では、基礎の杭打ち工事に取り掛かった所だったが、それの取止め届を出した、となっています。
偽装をする動機は主に2種類あります。第一は、姉歯事件の様に建築費を安くする為に鉄筋やコンクリートの量が少なくなる結果に途中経過を偽るものです。→デベの利益が直接的な動機。 第二は、構造計算の作業自体を省いて、以前行った結果を途中に(キセルのように)はさんで体裁だけを整えて手抜きを偽るものです。→構造計算業者の利益が直接的な動機。一時下請けの設計会社もピンはねで利益。
構造計算は昔は全て手計算で行われました。今は計算自体はコンピューターが行います。但し前準備は人手でする作業があります。それは、建物の構造の柱梁壁天井などの部材の大きさを想定する事です。鉄筋鉄骨コンクリートの持っている強さを全ての部分でバランスよく限度一杯用いることが経済的な設計になります。
コンピューターのプログラムでは、予め建物の大きさ(階数、広さ等)や
用途を打ち込むと自動的に推奨する大きさを設定するものもありますが、それを適切な寸法に集約する場面では人間の判断が必要になります。それらを全て自動的に行うプログラムもありますが、コンピューターの運転費は高価です。その結果を用いて大臣認定のプログラム(現在偽装事件での改訂中)を動かすと、やり直し無しで最適な結果が出る訳です。
昔熟練の構造計算の技術者が全て手計算で行っていた時代に、突貫で建物を作らないとスケジュールが間に合わない(東京オリンピックとか万博とか)場合に、その技術者が経験で杭は何メートルを何本、1階の柱と梁の大きさは云々と 入れる鉄筋や鉄骨はこれこれと決めて工事に取り掛かったら、建物が完成したときに、部下が追いかけて構造計算した結果で、ピッタリ最も経済的な設計になっていたなんてエピソードもあります。
そんな神様みたいな技術者でなくても、役所でも民間でも似たような神業師がゴロゴロ居たから、確認申請を係官が見たらそれが可笑しいかどうか人目で分かった場合も少なくなかった。それが、電子計算機でするようになってから、皆が折角の腕をなくしてしまった。
姉歯でのヒューザーのような動機は、結果大勢が引っかかりましたが、ちょっと注意すれば避けられた事件だったと感じます。土地の値段が安かったからお手軽分譲価格になったとかの説明を鵜呑みにするなんて、一生で1回かも知れない大きな買い物をするのには消費者として勉強が足りません。 火曜日に発表された、東京の江戸川の堤防が決壊したら100万軒単位の床上床下浸水が発生するリスクハザード情報、恐ろしい話です。何兆円もかけて堤防は作っていますが、住民は知ってか知らずか、嵩をくくっているのでしょうか。
今回の例は(今の所)、制度の変更で駆け込み申請をするための手抜き、と言われています。もう少し掘り下げて見ると、積水ハウスは自前の構造技術者を抱えずに済む事で(目先の)利益の向上、松田平田建築設計も自前の構造技術者は減らして下請けに出せば、元請費用の一部をピンはねして利益の確保、孫請けの偽装した当事者は多少の事は目をつぶって要領よく体裁だけは整えてくれる便利屋の評価、それで仕事が途切れなくなる。それぞれが欲に目が眩んで、誇りを捨てて利益に走った結果でしょう。
構造計算の作業の手抜きで、必要以上の強さの建物になる事はまずありません。類似の建物と比べて、柱梁が太かったり鉄筋鉄骨が多ければ過大設計であることが分かりますから。 建物の大きさや種類別に、面積当りの鉄筋量やコンクリート量は統計的な表を持っているのが普通なので、積水ハウスか関係者がもしやと一覧表を比べてみて、ダブルチェックをしてみたのではないか。それで、建物の柱や梁がもっと太くなると、杭も更に丈夫なものにする必要があるかも知れないから、杭を打つ作業を取止めたと言う訳。
まあ、前回の偽装事件で学習した効果が出たのかも知れないし、もっと単純にはずみで露見したのかも知れない。
個人の最後の砦がこんな意識が低い業界に頼っているのは正直怖い。こんなマネージメントだけでなく、現場で仕事をする熟練職人も激減している。こんなことで福田新総理大臣が語る【200年住宅】なんて夢物語になりかねない、私は相当危ぶんでいる。国全体の政策が、国民が安ければ少々危険でも住宅を買うのと同じ思想だから。