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マンション管理をしていく中で、困ったこと、聞きたいこと等をここで質問してみませんか。
マンション管理士、建築士、弁護士、宅建士、管理会社勤務の皆さん、理事の皆さん、
住民の皆さん等が質問に答えてくれると思います。
[スレ作成日時]2018-08-08 20:19:27
マンション管理をしていく中で、困ったこと、聞きたいこと等をここで質問してみませんか。
マンション管理士、建築士、弁護士、宅建士、管理会社勤務の皆さん、理事の皆さん、
住民の皆さん等が質問に答えてくれると思います。
[スレ作成日時]2018-08-08 20:19:27
>>15900さん
計画はあくまで概算ですよ。
決定するのは相見積もりを取ってから決まるからね。
長期修繕計画書に記載しているのは大規模修繕工事だけではない。
その他の大型設備の工事も当然計画化されている。
その周期や修繕個所、グレードを決めておく必要はあります。
長期修繕計画書を基に必要な修繕積立金の額を算出します。
だから、計画書はできるだけ実態にそったものでなければならないのです。
設計図面を基に、各修繕個所ごとに平米数を算出し、それに単価を掛けて
工事費を出していく。
総工事費から1戸当たり月の必要修繕積立金の額を算出するんです。
だから、単にマンションの平均で出す管理会社のフロントがソフトに
打ち込んで作成する計画書は役に立たないのです。
設計概算書や数量調書は素人では作れません。
設計概算書と数量調書がどんなものか知らない人が多いんでしょうね。
見積もりは概算では困るが、
計画書は概算でも仕方ない。
よって長期修繕計画概算書と改めれば
私たち素人には理解しやすい。
長期修繕計画書は、見積もりを取ってから決めるものではないので、
当然予測金額なので概算予算となるのは皆さん理解できるでしょう。
30年で長期修繕計画は組みますが、20年後30年後の経済予測
はできませんからね。
長期修繕計画書を作成し、30年間の総工事費から1戸当たり月の
必要修繕積立金の額を決めるとなれば、その工事費の算出はそのマンション
の実態に合ったものでなければならないのです。
例えば、サッシの交換をするのか、専有部分の配管の更新工事をどうするのか、
給水設備の高置水槽から増圧直結方式に変更するのか等も決めておく
必要があります。
長期修繕計画書が、管理会社のフロントがソフトで作成する
ものであれば、それで修繕積立金が値上げされるのはいやだね。
>>15906 匿名さん
そもそも、建築士資格も持たないフロントに長期修繕計画書を作成する能力も知識もない。
少し専門的な質問をしてやれば彼らは青くなっている。
ただ、修繕積立金に関すれば多いほどいい。
いざと言うときの資産となるからだ。
修繕積立金を使うときは、専門家による精査が必要だ。
>>15907さん
しかしね、マンションとしては建築士を雇って詳細な計画書を
作成することはしないんだよね。
お金がかかるから、管理会社のフロントにソフトでの簡易な
計画書で済ませるのが殆どだからね。
>>15909さん
ソフトで打ち込んで作成したものでも目安にはなるでしょう。
しかし、30年間の総工事費から必要修繕積立金が算出される
のであれば、いい加減な計画書で値上げがされるのは嫌ですから。
>>15912 匿名さん
年率の物価上昇率で値上げの参考にする。
地政学的リスクが生じているので物価上昇率
の計算方法がこれから明らかになる。
地政学リスクが終わる気配がないが
いつかわ終わる。
暗号資産は危険
手堅く国債でいく
マン管士の知識など屁のツッパリにもならん
長期修繕計画書の作成ノウハウと建築士の知識はあんまり関係ないよw
>>15911 匿名さん
人件費が大きい。
今後日本も米国並みにインフレ政策を取らざるを得
ない。30年先は私たち人間のの所得はどれくらい
になるでしょうか。現在は日本の会社の米国駐在員
は日銀の緩和政策を恨んでいます。
その反面米国企業の日本駐在員は日銀の緩和策を喜
んでいます。これを知っていれば30年先の長期修
繕計画概算書をを作成するために修繕積立金の値上
げは大変な金額になります。
今まで通りにはいかないともいます。
将来の予測はつかないので、現状の物価水準で試算するんです。
長期修繕計画の洗い直しは5年から10年でやればいい。
専門家に委託さるなら実測でお願い( ´艸`)。
ロシア問題が長引けば世界はスタグレーション。
物は暴騰して所得は暴落。
その時期に修繕計画や修繕工事に多額な組合費を
費やすのは愚の骨頂。
国交省のガイドラインには次の記載が有ります。
長期修繕計画の見直し
長期修繕計画は、次に掲げる不確定な事項を含んでいますので、5年程度ごとに調査
・診断を行い、その結果に基づいて見直すことが必要です。なお、見直しには一定の
期間(おおむね1~2年)を要することから、見直しについても計画的に行う必要が
あります。また、長期修繕計画の見直しと併せて、修繕積立金の額も見直します。
①建物及び設備の劣化の状況
②社会的環境及び生活様式の変化
③新たな材料、工法等の開発及びそれによる修繕周期、単価等の変動
④修繕積立金の運用益、借入金の金利、物価、工事費価格、消費税率等の変動
その見直しを誰に依頼するかが問題なんです。
管理会社のフロントに依頼すれば、全国平均の工事費で
計画されますからね。
フロントでは、概算設計書や数量調書は作成できません。
概算の程度の問題ですよ。
全くの素人が作成するのとプロが作成するのとの差です。
建て替え合意要件緩和に伴う区分所有法の改正について
先日の新聞(9/3)で高齢化社会を背景に所有者の所在が分からない部屋が増加。合意形成の
ハードルを下げることで、建物の安全性や耐震性が懸念される建物の再生を促すために法制審
議会に諮問されました。
現行の区分所有法では、建替えの決議の際、所在不明の所有者は反対扱いになっています。
それを不明者は決議から除外する仕組みを議論することになります。
建て替え決議も現行5分の4以上なのを3分の2とする案のほか、耐震不足といった要件を
満たす場合にのみ変更を認める案も検討されます。
2021年末現在で築40年以上のマンションは116万戸あります。所有者の所在が分からな
いケースも増加。築40年以上の物件に限れば13,7%あります。
築40年以上の物件は今後10年間で倍増するといわれています。116万戸から249万戸に。
1981年以降に建てられたマンションは18%でそのうち13.9%が耐震性がないと判定され
ました。被災して放置されると復興工事の支障になりえるということで、法制審は3分の2の合意
要件で検討されることになりました。
建て替えをするには、住民の高齢化や引っ越し、費用の負担がネックとなってきます。
所有者不明の部屋が13%を超えています。また、築40年以上のマンションの住民の約半数
が70才以上となっています。高齢になるほど収入や資産が少なくなるため建替えはむずかしく
なります。
建て替えが実現したのは、容積率などに余裕があり、戸数を増やすなどして住民の出資が
抑えられたケースの場合でした。
今回検討されるのは、大震災で被災した場合と、耐震基準を満たしていない築40年以上経過し
たマンション、それに空きが多いマンションに限定されています。
これらの対応として、3分の2で承認決議がされるようになったとしても、建替え、解体、売却が
できないと懸念する学者の方は多くおられます。
要因としては、高齢者の資金の確保が一番で、それから引っ越し費用や期間(約3年)の問題
が挙げられています。
このように条件つきのマンションであっても、例え基準が緩和されても建替えや解体は難しい
状況にあります。ましてやそういう問題のないマンションであればなおさら建て替えや解体は難し
いと思われます。
そういう点を踏まえ、現状では建物設備の維持保全をしっかりやるのが一番ではないでしょうか。
建て替えの可能性の悪い要素のマンションは購入を
控えた方がいいでしょう。
マンションの管理や設備等の知識があれば購入予定
のマンションを調べたらその悪い要素を見抜くこと
ができるし、売却時期も理解できる。
まず自分に不利になる要素のあるマンション購入に
はかかわらないことだ、
>>15921 匿名さん
其は無理です、全ての工事項目について、正確な見積りを取っても30年間の計画を立てるので、物価変動に対応出来ない。
いずれにしても、概算金額になる。
現在の工事金額が100とすると30年後の物価変動
率をかけるとどれくらいの概算金額になるでしょうか。相当金額の修繕積立金の値上げをするのかを計算した
ことがありますか。
マンションを.買わなくなる( ´艸`)。
マンション管理士や管理会社や管理組合連合会や組合
役員等はこ超インフレの時代に工事費が不足すると組
合員からの管理費等の値上げで短絡的な.対応しようと
している。
私は管理士会にこの点で異議を申し立てたらぼんくら
役員から総スカンを受けた記憶がある。
このぼんくら役員たちは今で問題マンションにくだら
ない提案をしてマンション内部に火種を投じている。
これはよくありません。
私ならもっと良い分譲マンション管理を提案できる。
みていると無駄がおおい。
それは実務を知らないペーパー管理士だからです。
将来の修繕積立金がいくら必要かは正確には分かりません。
5年から10年間隔で計画の洗い直しをすればいいでしょう。
>>15934 匿名さん
クレーマーよりペーパー管理士の方がましです。
>超インフレの時代に工事費が不足すると組合員からの管理費等の値上げで
超インフレなら、値上げは必要でしょうに。
>私ならもっと良い分譲マンション管理を提案できる。
例えば?
皆様、ご無沙汰をしております。初めての方、こんにちは。
大変長らくお待たせしました。って、もう、さすがに待ってはいないですよね?^^;
ようやく、予告した文章をアップする目処がたちまして。
1ヶ月も何をやってたんだと言われそうですが、
・調べ物をし過ぎて眼精疲労と肩凝りで、しばらくネットはお休みしてました。
・そうこうするうち、色々なことがわかってきて、当初予定してた文章に収まらなくなり、大学生のゼミのレポートくらいのつもりが、卒論並みの大風呂敷に(おぃ)
・下手に掲示板を覗いてしまうと、また考える題材が増えて、きっと書けなくなってしまうと思い、ひたすら自分の原稿に集中してました。(嘘、かなりお疲れで休み休みやってました。)
・(3)というか第3章を書いていたつもりが、「第3章を書く前に、重要なこと」っていう間奏部分が生まれ、それがでっかくなってしまい、悩み始めたら止まらなくなったんです。構成し直し、ようやく先が見えてきたのがつい最近です。
・第3章は1ヶ月前くらいに大部分を書いてしまっているので、間奏の第2章との整合性をつけてるところです・・ ←今ここ
とにかく師走に突入してしまい、スレ主様をはじめ皆様もお忙しかろうと思いますので、再編集や再々構成なんてせず、今あるものを活かす形でアップしていきます。
かなり長文の連投になるので、「他でやってくれ」と、きっと言われると思ってます。
でも、このスレで始まった話なんで、他でやる意味がない。
今日アップする第2章【その1】だけでも、読んで貰えばそれはわかります。
【その2】の最初の方を見て下さったら、さらに意図はわかると思います。
今ある皆様の対話の「流れ」を壊したくないのですが、出るタイミングがわからないので、とにかく、掲示板付属のエディター画面で微調整しつつ、どんどこアップしていきます。
読みたい人だけ、読んでください。
「もうアンタの戯言はいいよ」っていう方は、思いっきりスルーなさって、ガーッとスクロールして、どうか今ある対話をそのままでお続けになって下さい。
一応、章立てです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――-
予告編(既出 >>15596)
第1章 集会主義の復権
(1)総会は議論をする場ではないということの根拠を問う(既出 >>15597)
(2)総会における集会主義と直接民主主義と合意形成について考えてみる
(既出 >>15607)
→※これらがそれぞれ、「第1章」「第2章」のつもりだったものですが、
新規に「第1章」としてまとめて扱うことにします。
→※以下、今日からの投稿です。
第2章 第3章を書く前に、重要なこと
~集会(総会)に対する見えない侵略は、善意の顔で近付いてくる~
【その1】集会主義に対する「総会前合意形成主義(仮)」と
「ネオ集会主義」とも言えるWeb会議による集会の可能性
【その2】会議の目的(議題)を通知せよ、すなわち総会では議論をして決議せよ
第3章 総会にとって『議論』とは何か
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――-
今までお世話になったお礼として、自分、これアップし終わったら「ミッション完了」なんで、そしたらさよならします。
マンション関連の情報からは距離を取ろうと思うんです。
書いてて気づいちゃったんですよね、自分は管理会社や理事会に対し、随分と怒りというか、ルサンチマンのようなものを育ててしまってたんだなあと。
(文章には、極力出さないようにしてますから、怖がらないで下さいね。)
かといって、マンションを買い替えるっていうのも、もう、なんだかいいやっていう気がしており、戸建てにシフトしようかと画策しております。
今日、かなりの部分をアップする予定でいますが、明日は昼間に用事があるんで、全部アップし終わるのは来週になってしまうと思いますが、何卒よろしくお願いします。
第2章 第3章を書く前に、重要なこと
~集会(総会)に対する見えない侵略は、善意の顔で近付いてくる~
第3章を書く前に、重要なことを書いておきたいと思います。
ただし、これはあくまで私、15536の個人的な見解であることにご注意ください。
【その1】集会主義に対する「総会前合意形成主義(仮)」と「ネオ集会主義」とも言えるWeb会議による集会の可能性 1
=========================
(a)区分所有法の「集会主義」とは異なる考え方が、
このスレッドのみならずマンション管理関連のサイトや
ブログ等で表明されていること
=========================
スレ主さんと「基本的な考え方が同じ人」が何人か常連さんにいらっしゃいます。そのことには、最初にレスを頂いた頃からずっと気付いておりました。
そして、このスレ主さんの考えと「同じような」考え方は、この掲示板のスレッドのみならず、いくつものマンション管理情報サイトやマンション管理士さん等のブログ、あるいは管理会社のホームページの提供するQ&Aなどで書かれていることがあると気付いたのです。
マンション管理方法を支えるある種の「主義」すなわちベースとなる思想のようなものです。
それが区分所有法(以下、法と表記)や標準管理規約(以下、規約と標記)、あるいはマンションの管理の適正化を推進する法律(適正化法)の「適正化指針(註1)」や「基本方針」に沿ったことであるなら、ただ単に「当たり前のこと」ですが、そうではないのです。
註1:
2000年の法改正を受け2001年に「適正化指針」として公表され、2016年に一部改正されている。
2020年の法改正時においては新規に「基本方針」が出され、その中に同「指針」も収められることとなった。
よって、本稿では「指針や基本方針」または「『指針』『基本方針』」のような並記、もしくは「適正化指針」(「基本方針」に所収)といった形で、以降、表記する。
法や規約、ならびに指針、基本方針は「集会主義」をベースとしていますが、どうもそれと対立する「主義」「思想」を掲げている一群の人達が、スレッドにもマンション管理業界にもいらっしゃるということだと思います。
その「考え方」「主義」「思想」においては、法や規約、指針や基本方針に定められていない事柄を、それらの拡大解釈ではないかと思われるようなある種の方向性に従って奨励しているのです。
もちろんマンション管理のプロが多くのマンションを見て来たその目から「現状では、こういうやり方にするの望ましい」と提案されているいくつものことが、次第に一定の傾向に収斂していくことはあり得ると思います。
でもそれが、「さも、しなくてはならないことである『かのように』」言及されていることに気が付いたのです。
「かのように」ならまだ良いのですが、「しなければならない」「そうすることになっている」等が明文化されていることもあるのです。
前者の「かのように」ならば「奨励」の範囲であり、マンション管理情報サイトやマンション管理士等のブログ、あるいは管理会社のホームページの提供するQ&Aなどは、まだこの範囲に収まっているものの方が多いです。しかし、境界線上かもしれないと感じるケースもありました。
対するスレ主さんやこちらのスレッドの常連さんの書かれることは、後者、つまり、自分達が従っていることは、法や規約、指針、基本方針で「規定されている」ことである、「義務である」等と言い切っていることが圧倒的に多いのです。
これだと、虚偽に相当すると思われます。
まず、代表的な例を2つ出します。
・法や規約、指針や基本方針では、総会開催前に総会の「目的となる事項」すなわち「議題」を通知しろと書かれているが、議案を通知しろとは書かれていない。「議案の要領を通知しろ」という文言があるのは、特別決議の場合に限定されている。
=「議案書」を事前配布することは義務ではない。
→議案書は事前配布を「しなくてはならない」と、スレやサイトで書かれている(虚偽)
・「総会は議論の場ではなく理事会案の決議の場である」という命題は、法や規約や指針・基本方針にはない文言。
→この命題が「規定」であるかのように、スレやサイトでは、細かいところで表現が異なるだけの似たような言葉が溢れている(虚偽)
こちらのスレッドでは、明らかにスレ主さんをはじめ多くの皆さんが「しなくてはならないこと」としていらっしゃるので、まあ、適法的じゃないというか、虚偽だとしても、でも「その方向を強く推す」という意向の最先端を突っ走ってるんでしょうかね? 意外にカゲキなスレでした?(笑)
それとも、私のような初心者を引っ掛けてハメつつ、そのショックで開眼させ、自助努力で「正規の方向性」にまで漕ぎ着けるようにして学ばせる「愛」の場なんでしょうか?(笑)
このスレだけがそういうことをしているのなら、皆さんと戯れあって、愛に溺れる生き方もありかもしれないと思いますが、しかしながら、他の情報サイト等では、「しろ!」とまでは強くなくて「推奨されるアドバイス」的に書かれていることが多いんです。なので、これはやっぱり、愛ではなくて主義なのかもしれないと…。
そのような、ネット上で「推奨されるアドバイス」的に書かれている場所は、その「主義者」の方々が潜伏しつつ、善意の社会運動を行っている真っ最中ってことなのでしょう。
ですが、アドバイスに過ぎないことが、複数のサイトや団体等で情報共有され、「ほぼ同一の言い回しの定型句」になっていることが多いので、そのため、それらはあたかも法や規約にある文言である「かのように」素人の読者には思われやすいですね。
そこからは果てしない「伝言ゲーム」か、もしくはコピペという名の遺伝子逆転写ウイルスへの「感染」みたいなことになりそうですね。まあ、思想にかぶれるってのは麻疹みたいなもんだよって昔の人は言いましたが(組合に入って赤く染まっちゃダメよ的な(笑)←労働組合ね、管理組合じゃないっすよ。)
素人と言っても、そういうところを読む人は、現在、管理組合の役員だったり、輪番制で次に回って来そうだという人だったり、あるいは、何かトラブルがあって調べ始めた一般組合員などでしょう。
なので、全く関係ない(戸建ての人等)素人さんが興味本位で読むことはなく、知識を吸収しようとするからこそ、専門的であることを謳う場所を読むわけで、専門的だと思うからこそ、書かれていることは正しいことだと信用して、必死で読み込んでしまう、過剰適応的に読んでしまう、という感じでしょうか。
そうすると、まるでマンション管理業界の定めた推奨事項であるかのように、さもそれが「当然のことであるかのように」読まれてしまい、そのまま拡散されてしまう懸念があるんですよね。
もちろん、ネットでもそうでないところはそうではないんです。
例えば、弁護士事務所のサイトや弁護士のブログだと、マンション管理の経験則的なアドバイスよりも、何と言っても法や規約に基づく見解が述べられますから、雑談ぽいノリのブログ記事でもそっちに則ってますよね。
ですが、いきなりWebで弁護士の見解に当たってみようというのは何かトラブルでもあった場合でしょうし、そうではなくて、標準管理規約のわかりやすい解説や、理事会活動についてのTIPSや総会の進め方などについて知りたい素人は、どちらかといえばマンション管理業界に属するマニュアルっぽいサイトのようなところを参照するでしょう。
=========================
(b)集会主義に対する「総会前合意形成主義」とでも
呼べる思想が姿を現した!
=========================
(a)で例を二つ出しましたが、まだまだ他にもあります。
それらは互いには無関係な、単発的な「アドバイス」か、「思い込み」「独善」「狂信」等がパラパラと散見されるというより、まとめてみると「一定の傾向」があるのがわかります。やっぱり、主義かも!
リストアップしてみます。((a)で最初に挙げた二つも重複します。)
・「総会の前に議案書の事前配布が望ましい」もしくは「事前配布をしなくてはならない」
・「総会は議論の場ではなく、理事会案の決議の場である」
・「総会では質疑には回答しなくてはならないが、意見には回答する必要はない」
・「議事録では質疑応答や意見は主要なものにすべきであり、特に意見に関してはその回答まで記載する必要はない(註2、→別途、投稿予定)」
・「議決権行使書提出者への配慮のために総会での新たな議論の展開は抑制し、理事会案についての情報は、議決権行使書が提出された時点となるべく変わらないようにしないと公平性が保てない」
・「理事会の議事録や質問書・意見書の活用、住民説明会の開催で、組合員の意思は十分に汲み取られ、総会前に議論は尽くされ、議決権行使書を安心して出せる状況となってることが望ましい」
これらを一言でまとめると、「議決権行使書提出主義」と言いたくなります。特にこのスレはその傾向が強いですね。
ただし、他の情報サイトやブログ等では、そこまで議決権行使書に焦点が当てられておらず、どちらかというと、総会での合意形成が不本意な形にならないよう、事前に十分に区分所有者等の意見を議案に反映させる理事会運営をしておこうという方向性が見られるので、むしろ総会に至る前の段階での「常日頃の理事会と住民のコミュニケーションや合意形成の工夫」「だからマンションはコミュニティだって考えようよ」的な焦点の当てられ方をしているように考えられます。
なので、「議決権行使書提出主義」も含めて、「総会前の合意形成の活動が望ましい」という主義なんですよね。
そこで、総合すると(本当は総合しちゃまずいんですが、後述(c)後半部)「総会前合意形成主義(仮)」とでも呼べそうです。長いので「総会前主義」としておきます。
これは、言うまでもなく、区分所有法とそれに基づく標準管理規約の「集会主義」と対立する考え方です。
一旦ここで区切ります。
【その1】集会主義に対する「総会前合意形成主義(仮)」と「ネオ集会主義」とも言えるWeb会議による集会の可能性 2
============================
(c)区分所有法・標準管理規約の「集会主義」と、
日本のマンション管理業界の一部で支持されつつある
「総会前合意形成主義(総会主義)」の潜在的な対立の危うさ
============================
ざっとまとめておくと、「総会前主義」と「集会主義」はこんな感じになるでしょうか。
・総会前合意形成主義(総会前主義)と仮に呼んでみた立場:
現代日本の社会状況に由来する生活諸事情から、総会への欠席者が増えがちなことを受け、総会前の時点での議決権行使書の提出を重視し、かかる提出者への配慮から、総会前での議案についての徹底した情報共有と、総会で議案についての議論を深めることの抑制が、公平性を担保することであるとする立場。断材料として、議案書を事前配布することを、たとえ区分所有法や標準管理規約に反してでも、否、「乗っ取ってでも」義務付けるくらいの勢いで奨励する者も多い。
・集会主義:
あくまで区分所有法、標準管理規約に「則って」区分所有者等が集会(総会)に、理想としては全員参加することによる直接民主主義的な議論により、組合員の意思が議事において十全に反映されることで決議へと導く「集会主義」の立場。普通決議なら、総会の前に通知するのは議題のみで良く、議案の要領の通知や議案書の配布は義務付けない。
(特別決議の場合、総会前に議案の要領の通知が義務付けられ、特に立替決議の場合には住民説明会の開催も求められている。)
こちらのスレッド、ならびに同様の立場で活動していると思しきマンション管理関連の情報サイトやブログ等では、この「総会前主義」が前景に出ており、知らない人が読めば、マンション管理業界自体がそれを指導しているかのように読めてしまう恐れがあります。
そして、それは本来の区分所有法と標準管理規約にある「集会主義」とは異なるベクトルを持ったものだということなのです。
ところが、「集会主義」という基礎知識がなければ、このスレでも他のサイトでも、関心のある箇所を少し読んだくらいでは、「集会主義」と「総会前主義」の対立など、そんなものがあるかどうかさえもわからない状況です。
初心者や輪番制の「なりたて」役員は、法や規約の無味乾燥な言葉を読むより、ネットですぐ検索できて、見やすく図解され、ヴィジュアルも綺麗で、何よりわかりやすく説明してくれているこれらのサイトに飛びつくでしょう。
そして、それを「マニュアルや教科書」のように使う。
すると、知らぬ間に「総会前主義」が、現状に即したアドバイスであるように「ふむふむ、なるほどなあ」と思えてきて、さらに、「それが決まりなんだ」と刷り込まれていく恐れがあります。
別のトピックについて調べたくなった時に同じサイトを開けば、そのまま「総会前主義」を前提として学習が進んでいくことになるでしょう。いっちょあがり~♪
また、この『マンション・コミュニティ掲示板』を発見した人は、こちらのスレのように専門知識を持ってる常連さんからの書き込みが参考になると思って、喜んで読み始めます。
某巨大匿名掲示板よりもより細分化した内容がスレッドのタイトルになっているし、掲示板の運営会社がこまめに管理をしている様子も伺えます。ここなら読むのにちょうどいいなと、この秋からの新参読者である自分も、そんな感じで読みに来てました。
…ですが、今思うと、「ネット情報を鵜呑みにすると危険だ」という教訓そのもののような状況がそこに転がっていたと思います(笑)
しかし、業界絡みでネットで提供される情報が「ネットに飛び交う怪しい情報」であるって、これは一体どういうことなのでしょうか?? …不可解です。
もっとも、これは実は業界の「仕込み」なのだという見方もあり得ると思いました。
新旧交代のための。
すなわち、現行の「集会主義」による法や規約は「そのうち書き換えられる」だろうという前提が業界内部で共有されていて、その方向で国や業界が進んだ頃に、全国のマンションの管理組合や住人から賛同を得やすくするよう、先回りして世論操作をしておくために仕込んでおいている、という見方です。
次の時代の法や規約作りへの「お膳立て」として、ネットや勉強会、研修会などで「総会前主義」を拡散しておき、おっとり刀で国がその方向へ舵取りし、法や規約を改正していくという形を取っているのだろうと解釈されるわけです。
この国でマンションに住む人って多いでしょう? 賃貸も含めてでしょうが10人に1人だとか書いてるサイトがありましたよ。
そう解釈すると、弁護士系のサイト等では、いまだに「集会主義」で、マンション管理業界のサイト等では「総会前主義」が出現している理由も頷けます。
ならば、一部の行き過ぎた「総会前主義」が、現時点では現行の法や規約と齟齬しようと、また誰かがそれに気付こうと、所詮、過渡期のこととして割り切るべきだという済し崩しの状況なのかも知れません。
済し崩しになるのは、民主主義の本義による「集会主義」を崩すのがなかなかに困難だからでもあるでしょう(笑)そこで、新しい主義主張、実行方針を掲げる派閥の暗躍状態なのかも? すっごい邪推だあ~(笑)
しかし、そういう「総会前主義」がマンション管理業界で?力を持ってきつつあるというのに、なのに、標準管理規約も区分所有法も、また適正化法も含めて、近年行われた改正では、少しもそういう方向へなびいて行きませんでした。(完了形です。)そうでしたよね?
だから、業界(全体)による仕込みだなんてことは「少しもなく」(やっぱ邪推だ~)また、仮に業界内の新派閥によるクーデターだったとしてもそれも不発で、そんなベクトルで突っ張ってるのは、「一部だけ」であったってことですかね?
でも、まだその「一部」は、いまだに仕込み続けて機会を窺っている(進行形)ということでありましょう。
これを確認するのに、初心者としては結構手間取りました。・・・すっごく眼精疲労(笑)
そして、この「一部」こそが、(a)の末尾で最初に「議決権行使書提出主義」と呼ぶことが出来そうだと指摘した、法や規約、指針、基本方針の拡大解釈と乗っ取りをしてしまう派(メンバーが派閥として明らかなわけではなく、心情としてそれにシンクロしてるだけの人も含めて)なのだと思います。
一方、議決権行使書にフォーカスしているというよりは、総会に至る前に合意形成を進める方がより良い決議が出来るのではないかと模索している多くのサイトは(本音では議決権行使書主義な人もいるかもしれませんが)「総会前合意形成主義(総会前主義)」なのだろうと思うのです。
もしかしたら、この二つは区別した方がいいのかも?
というのも、「総会なり難し」な現代においては、マンション住民の合意形成を少しでも進めるためには、総会前の時間や機会の活用と、種々のコミュニケーション方法の採用をしておくことで、それらを通じて「多面的に」総会の民主的な運営をサポートするというのは、考え方としては「あり」だと思います。「補足的な取り組み」としてはいいんじゃないですかね。
つまり、「総会におけるより良い集会主義の実現」のために「総会前に合意形成の機会に区分所有者等を参加させ、そのプロセスを促進させる、その支援をする」ということなら、現行の法や規約、指針、基本方針と「大きく齟齬を来たすこともない」からです。
ただ、結構これ、難しいですよ。
例えば、住民アンケートの回収率が70%などの高数字だったり、マンション全体の8割のオーナーと、説明会ではなくてもエントランスなどで会話が出来てしまい、大方コミュニケーションが取れてしまったから「ほぼ合意で決まりだね」ってムードが出来てしまったらそれは完全に「アウト」ですからねっ。
総会前には、事情でそうしたマンション内コミュニケーションに関われない少数派が大抵は存在しますし、そうしたコミュニケーションは法や規約で定められてる義務じゃないんですよ、総会と違って。そういう人達が万障繰り合わせて総会に出てくるのに、それを無視することになります。
そして、その「少数」こそが議案に関する鍵を握っていることだってあるんじゃないかな。大勢が気づいていないことに気づいていたり、潜在的な当事者や隠れた犠牲者だったりすることなども、大いにあり得ます。マンションに限らずどこの世界でもあることとです。で、マンションの場合では、例えば、組合員が不具合を理事会に言わずに全て管理会社に言うような方式のマンションだと、潜在的な当事者や隠れた犠牲者が孤立しがちだろうなあ。
で、意外と、総会という「場」が、そうした「隠れた何か」を浮かび上がらせる場として機能する可能性がある。て言うか、それが本来の「集会主義」だと思いますけどね。
「場」の力って強いと思うんです。それに対して、総会前の工夫は「場」を形成できるのかい?って聞きたいところ。
総会がうまくいかないとか、声がデカイ人が勝つから嫌だとか、出席者が少ない等々を憂えて、なら総会前になんとかしようという考え方は、コミュニケーションを大事にしてるから民主的でありそうに見えて、実は意外にそうでもなく、コミュニケーション・コンシャスな人達だけが内輪で盛り上がってる独善に陥りやすい。にも関わらず、それに歯止めをかける制度的仕組み(法や規約)がなかったりするという問題を孕んでると思う。
そうではなくて、例えば情報の周知により、総会での議論をスムーズに行えるようにする、といったあくまで「補足的な」ことなら、私としてもOKだと思いますが。
それでも、その事前周知の方法は、個々のマンションによって異なって当然であり、ケース・バイ・ケースでしかなく、よって、「総会前に合意形成のプロセスを促進させる、その支援をする」ための模索は、主義主張として方向を定めたり法制化、規約化をするということではなく、あくまで「ケース・スタディ(事例研究)」にしかならないと思います。
(マンションの内規として、管理組合が規約化するというのはアリです。)
ケース・スタディというのは。
そうした事例についての情報や、行われていることのエッセンスを、マンション管理業界がアーカイブしておいて、誰でも参照できるようにするとか、管理会社やマンション管理士が参考にして、担当しているマンションに対して提案するとか、そんなことだと思います。
なので、もう、結論先取りなんですが、「総会前合意形成主義」が「集会主義」に取って変わることは出来ないというのが私の基本的な立場なんですね。
「総会前合意形成主義」は、あくまでノウハウ、経験知の集合体、アドバイスの集合知でしかないので、「集会主義」のような根本的な思想とは次元が異なるものだと思います。
それでも、現状としては、これが「集会主義」と対立するような新たな思想であるかのようにして、マンション管理業界の提示する情報サイトやブログ等で語られているのだ、ということなので、今起きている「現象として」は、「総会前合意形成主義(総会前主義)」は「集会主義」とは対立していように観察されるわけで、それはもう、実はバトルなのかもしれません。
そして、突出している「総会前合意主義(総会主義)」であるところの「議決権行使書提出主義」は、明らかに総会の形式化、形骸化に繋がります。総会崩しです。それも「総会前」というより「直前」で完結しちゃいますからね、これはスピード感溢れる総会崩しです。
それに対し、「総会前合意形成主義」は「総会がダメならその前に、さらにその前に、前々からの、日頃からの努力、みんなの協力~」と、どんどん前に戻していく「時間稼ぎの先取り」のような形でが取り組んでいるわけですが。
でも、そのことこそが、このバトルの本体であるところの「総会崩し」だと見破ってしまった私の邪推眼から見るならば、「総会前合意形成主義」だって「議決権行使書提出主義」と大差ないんです。
そして、「みんなのコミュニケーション」という一般に善意として解釈できるような形での「ひたむきな努力」に見えることこそが曲者というか、「議決権行使書提出主義」を行使させるための土壌づくりに余念がない、と見ました(笑)
一見すると「総会前合意形成主義」なのだけれど、実は「議決権行使書主義」だった、という「隠れ蓑」的なあり方なのかもしれません(笑)
つまり、総会前合意形成主義の「中に」尖んがった「議決権行使書主義」があるのではなく、本体こそが「議決権行使書提出主義」かもしれないよってことです。
つまり、「みなし」ではなく、本当はカゲキなんでしょ、「総会前合意形成主義(総会前主義)」は。こちらのスレ主さんや常連さんの一部のように。やっぱり~?
ははは、邪推、邪推(笑)
ただ、「総会前合意形成主義(総会前主義)」の人達の中には、「総会前合意形成主義の良心」とでも呼べそうな、上で書いた「総会の民主的な運営をサポートしたい」という、どちらかというと、「総会は総会で、やっぱし、ちゃんとあって欲しいんでねぇ」的な「お人好し」な人達もいるということなんですよ。
これこそが「本来の」「ありうべき」「善意の総会前合意形成主義」に該当する考え方、姿勢、思想、主義なのではないでしょうかね?
どうも見てるとそんな感じがします。
で、この方達は、光学迷彩のように使われる(笑)すなわち、隠れ蓑あるいは着ぐるみにされちゃってるのかもしれないですね(笑)
「議決権行使書提出主義者」さんってのは、羊の皮を被った狼さんなのかもしれません(笑)めえぇ・・
となると。まともにこのスレで、正攻法で「総会にとって『議論』とは何か」なんて論じてしまったところで、「暖簾に腕押し」にしかならないのは目に見えているんだよなあ(笑)
だって、こちらが何を言おうが、関係ないわけでしょ? 最初から自分たちの戦いを仕掛けている人達にはさ?
すでに対話ではないわけなんですよ。同じ土俵じゃない。
ここまで時間かかりましたよ、眼精疲労の肩こりをほぐしながら、山のようにサイトを見て回り、裏付けをした上で書いたんだけれど、…長すぎ。
掲示板に連載してしまうと、私がスレを墓石てしまうわ、違った、破壊してしまうわ~・・
いや、そんくらいじゃ、壊れんですわな(爆)
あ、別スレ立てる気ないですから。終わったら、さっさと消えるから。3Dプリンターでおうち作ってみたくなっちゃったんで、戸建て主義者になろうかと(笑)
と言いますか、ここ数日で悟ったんですが、分譲マンションって、最も自由度の高い「施設」なんですよね。施設っていうのは、学生寮や社宅と同じ福利厚生カテゴリーや、児童養護施設とか老人ホームのような福祉カテだなあってことです。
皆さんにお世話になりまくって、こんなことを言うのもなんだけど、でも、マンションに対する気持ちがポロポロ、ポロポロ流れて枯れてしまいました。
「集会主義」に期待するとしても、マンションだけでそれを期待してどうなる?って。
・・あ、いや、日本人にマンション居住者が多いということを考えたら、ここで「集会主義」がうまく回ったら、国全体に波及するのか? ・・そんな「見果てぬ夢」をどこかで描いて、一応、自分なりに蹴りをつけたいので、書けるとこまで書いときます。
とりあえず、ここで区切って、次に行きます。
【その1】集会主義に対する「総会前合意形成主義(仮)」と「ネオ集会主義」とも言えるWeb会議による集会の可能性 3
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(d)国はパンデミックに直面しつつも「集会主義」
の方針を変えず、今では「ネオ集会主義」へ移行中
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(c)で書いたように、「総会前主義」がマンション管理業界で台頭しつつも、標準管理規約も区分所有法、そして適正化法の改正においては、「総会前主義」が反映されることはありませんでした。
法も規約も、いまでもソクラテス以来の「集会主義」を厳守しているのです。
そして、昨年の標準管理規約の改正で打ち出されたこととは、Web会議システム等による「集会」です。「WEB 会議システム等」とは、「電気 通信回線を介して、即時性及び双方向性を備えた映像及び音声の通信を行うことができる会議システム等」 (標準管理規約第2条第 11 号)のことです。
「総会前主義」からは、パンデミックで集会は行えないんだから、総会前に合意形成の工夫をして議決権行使書を活用しようという意見が出ていたかもしれませんが、Web会議システムがあれば、三次元空間で対面しなくても、ネット空間という「場」を共有する「集会」が可能となるわけです。
集会を三次元で実際に行いながら、そことWeb会議システムを繋いで中継しつつ、Webでの参加も可能にするという場合もあれば、全てWeb会議で行う場合もあるかもしれませんが、どちらにしても、ネット回線を用いた「集会」です。リアルタイムに「場」を共有できているからです。
システムの導入には技術的な問題や、デジタル・デバイド的なユーザーの不平等に繋がる問題もありますが、それこそ管理会社等がサポートすることで、カバーできることではないでしょうか。
そして、これはパンデミック対策から始まったことではありますが、今後の政府のIT政策(みんないくつもアバターを使ってネットで社会活動してね~♪)とも重なる方向であるため、時代の最先端ですね。(良し悪しの議論は置いときますよ? 自分はAIによる超管理社会の方向性への懸念も持ってます。)
で、Web会議なら、事前に議決権行使書を出さず、どこかでネットに繋いで集会に「出席する」ということも出来ます。場所という制約からの解放です。
でも、ライブ配信になりますから、時間という制約は解消されておらず、どうしてもタイミングが合わず、議決権行使書を出すしかない人はやはりいるわけで、それは変わらずOKと規定されています。
ですが、「議決権行使書を提出した人が、Web会議を傍聴しても問題ない」と回答されているんですよね。
*IT を活用した総会・理事会の開催に関する Q&A(改訂版)
https://www.mankan.or.jp/cms-sys/wp-content/uploads/2022/03/20220307_C...
「Q3 WEB会議システム等を用いて開催される総会において、議決権は書面で行使したうえで、 総会の動画を傍聴することはできますか。
A3 区分所有者等が事前に議決権を行使した上で総会等を傍聴することは、これまでも認めら れており、WEB 会議システム等を用いて総会等を開催する場合であっても同様であると考えられます。 」
どんな場合がそうなのか↑では具体的には書かれていませんでしたが、想像するに、例えば、最初は間に合わないと思ったけれど、後半の議案からネットに繋ぐことが出来たとか、病気療養中でWeb会議への参加も身体に負担なので家族に頼んで議決権行使書を代筆して貰ったが、ベッドサイドにモニターを置いて視聴することくらいはなんとか出来る、とか。色々な場合があるでしょう。
やはり、一番重要なのは、リアルだろうがネットだろうが「総会の場で」「実際に」何が話されるのかであって、それを、組合員全員で情報共有するのが理想だということに変わりはないのです。
Web会議システムは、「集会主義」の可能性を広げてくれたと言えます。これを「ネオ集会主義」とでも呼んでおきましょう。
(あくまで便宜上の呼称であり、この「ネオ」を論じるつもりも準備もありません。また、これ以降、「集会主義」と「ネオ集会主義」を区別した上での論を展開する予定もありません。)
今までは「集会主義」こそが、「総会前主義」によって悪者扱いされてきました。
総会当日の議事進行にこだわることこそが、議決権行使書、委任状の提出者の権利を阻害し「公平性を損ねている」と。それで、代わりに「総会前主義」が台頭してきた。こちらのスレッドでは周知のことですね?
でも、Web会議の普及で、そうした懸念はかなり解決されそうですよ?
何はともあれ、国はこういう方向を打ち出したのです。(重ねて言いますが、Web会議についての是非の議論はしません。)
国は「ネオ集会主義」を法制化しました。標準管理規約もその上で改正されています。
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(e)対する「総会前合意形成主義」は、
マンション内コミュニティでの合意形成活動で
国に立ち向かうことが出来るか?!
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①廣田信子氏ブログの事例1
②廣田信子氏ブログの事例2
③廣田信子氏ブログの二つの事例の考察
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「ネオ集会主義」の出現による総会当日の「場」の重視の方向性に対し、対する「総会前主義」では、理事会の議事録の提示と質問書・意見書の活用、総会前に住民説明会の開催などで、マンション内で、「コミュニティとして」の合意形成の機会を、総会の前に「より」充実させようとしているようですね。
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①廣田信子氏ブログの事例1
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以前、>>15661で別件で(8/19日経新聞「理事会なしマンション増加」、最初から理事会なしの第三者管理方式も増加)ご紹介した廣田信子氏のブログに以下の事例が出ていました。
*10時間総会の経験が生み出した新しい総会の形|廣田信子のブログ
2021-03-25 09:00:00
https://ameblo.jp/nobuko-hirota/entry-12664467383.html
以下、重要な箇所を引用していきます。
「総会しか、組合員が意見を述べ、聞いてもらう場がないと、総会が激しい議論の場に」なり長時間かかることもある反面、実際のところ「今の総会のしくみでは、総会に議案を上程すれば、結果的にほぼ可決されて」しまいがち。
改善するために、あるマンションで行った対策とは、
「事前に対話や説明会などの場を作り積極的に住民意見の収集すると共に、理事会の考え方を説明する機会をつくり、そこで出た意見をまた議案に反映する…という丁寧な進め方」で、?具体的には、
・アンケートによる間接対話:議案候補の案件を議案化するかどうか決める
・素案説明会(検討会)2回:
アンケートで判断できなかった場合はここで意見交換
議案化する場合も素案について議論。
・議案説明会2回
ここで出た質問等への回答は総会での説明に反映する
(※文章から箇条書きに編集、by 15536)
アンケートが一方的な情報収集でなく「間接的対話」と位置付けられており、会合も理事会から一方向の広報のような「説明会(質疑は受けるとしても)」ではなく、「素案説明会(検討会)」と呼ばれるように、理事会と一般組合員の間で双方向の「議論」が行われるようにされており、理事会の最終議案も、さらに説明会での質疑等を受けて総会での説明に反映するという念の入れようです。
総会より前の「検討会」は「集会主義」に「近い」直接民主主義的な要素であり、「総会前合意形成主義(総会主義)」と「集会主義」の折衷案的な感触を受けます。
(単に顔を突き合わせて議論すれば集会主義になるわけではないので、あくまで要素としておきます。後述。)
廣田氏という人は、頭のいい人でして、決して「お人好し」ではないのですが、それでも今のところ私の「邪推眼」を通しても、(c)で触れた「善意の総会前合意形成主義」とでも言うべき「バランス感覚」の持ち主さんかなと思います。(ブログを全記事読んだわけじゃないから、わからないけどw。)
そして、この組合は、ここまで事前に仕込みをしておいても「総会」で採決だけに近い「シャンシャン」にはならず、廣田氏曰く、「総会は最終的な考え方を確認し、しっかり決議する場となり効率的に2時間ぐらいで終わらせることができるはず」とコメントされていました。
え? 2時間ですか? うちの「異常な」組合では、総会は常に1時間で終わるので、自分の感覚では、2時間でも長い気がします。
むしろ、「しっかり議論すると2時間くらい」になるんじゃないか、そのくらいやって欲しいという感じですが、ここのマンションの場合、「しっかり議論」を事前に積み重ねて、それでも総会当日に2時間もかけるんですね。すごいなあ。
(というか、それが当たり前の「普通の」組合さんの標準的な時間なんでしょうかね??)
とはいえ、「時間」という要素は、今、私がここで検討したいことからはズレるので置いておきます。
検討したいのは、「総会前」の仕込みの結果、総会がどうなるのかの「実際」です。
廣田氏の上の言葉でも、総会では「しっかり決議する場となり、効率的」と書かれているため、2時間かかろうが、それは議論話で、丁寧な説明(事前の質疑に対するフィードバック)と採決だけになっているってことなのでしょうね。
これだと、やはり「総会前主義」が土台です。総会の「場」を本来的な「集会主義」として構成しようという気はなさそう。
特に、廣田氏によれば、この組合の取り組みはパンデミック前から行われていたとはいえ、図らずもそうした社会状況からの「総会出席者を減らしたいという要請」に合致した取り組みでもあったとのことで、他にもパンデミック対策で事前に丁寧な議案書を配布して出席を抑える組合は増えていると指摘されています。
やはり、「総会前」の段階に力を入れれば、議決権行使書の提出が増えそうですし、総会は採決だけに近い形になるでしょう。パンデミックに後押しされて、「総会前主義」の本領発揮のようです。
しかし、実際は、この事例の組合さんでは、出席者を抑えるためというのとは「正反対」の意図で、「総会が適切な時間で終わることで」一般組合員も参加しやすくしたいという趣旨だったと言います。
微妙なところです。それが功を奏して、事前にそれだけやったことで総会出席者が増えたとしたら、「その組合さんだからこそ」の何か、「ファクターX」がありそうな気がします。
マンションの規模や、形成されているコミュニティのあり方、アンケートや検討会、説明会の運営の仕方が具体的にどう行われているかということまで見ないと何とも言えないですね。
なぜなら、一般に総会に人が出てこなくなる理由は様々であり、この組合で問題の発端となった「長時間の総会」だけではないからです。組合員が抱えている事情によっては、いくら長時間総会を解消できたとしても、総会に出て来ない人が減るかどうかは別問題です。
というのも、総会より前にコミュニケーションを何段階にも渡って積み重ね、その結果、住民が納得するような「理事会案」まで練り上げることが出来てしまうと、そこで皆さんホッと一安心してしまい、「あとは決議するだけだから」と議決権行使書だけ提出して、総会に出てこなくなる可能性は、やはりあるんですよね。
結局、理事会の意図としては、「できるだけ多くの人が参加しやすいように」と思ってやってみたところで、事前に投入するエネルギーを間違えれば、逆の方に引っ張られますよ。
このことは、廣田氏の別記事で紹介された次の事例で見ることが出来ます。
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②廣田信子氏ブログの事例2
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*総会の成否は総会議案書で決まる|廣田信子のブログ
2019-04-03 09:00:00
https://ameblo.jp/nobuko-hirota/entry-12451579348.html
「事例」と言っても、具体的な地域やマンションの築年数や規模等の諸条件にはあまり触れておらず、どちらかというと教訓を含んだ「寓話」のようなな感覚で読み進めた方がいいかもしれないものです。
事例の詳細は、上記ブログでお読み頂くとし、私の言葉で簡単に書いておくと、そのマンションでは、以前の総会での問題提起を端緒として「足掛け3年」議論されてきたことに対し、ようやく解決の目処が立ち、総会で可決間近の状況だったそうですが、思わぬ形で総会での採決が見送られてしまったとのこと。
まず、3年前の総会で問題を指摘され、理事会が取り組みを開始し、住民アンケートも行い、改善のための方法を何通りも提案し、理事会での審議経過も、その都度、広報してきたそうで、最終的な管理会社からの提案が妥当だろうということになり、理事会案として見積書が総会で提示されたそうです。
ところが、そんな経緯を知らない「新規入居者」が、高額な見積金額により修繕積立金が減ることを懸念し、「無駄な出費」とみなして反対意見を提出。さらに、管理会社の「儲け主義」だと批判。
役員は一年で交替する組合だそうで、新理事が前理事会の審議の経過を説明できない。
一方、以前からずっと要望を出していた中心となる人達は、これまでの経緯を知っているからこそ安心して「議決権行使書」の提出だけで総会当日は欠席、他の住民も同様に考えた様子で、総会での出席者は少なく、「助け船」となる発言が出来るほど詳細な事情に明るい出席者が不在。
結局、新理事には総会で決議に持ち込むことが出来なかった悲劇、とのことでした。
廣田氏は、この頓挫の「原因」としては、議案書が簡素なものであったことを挙げています。3年間の経緯や対案の検討結果等が議案書に示されていたなら、総会で新規入居者からも理解が示され、新理事でも必要な説明が可能だっただろうにと述べておられます。
なんかね、上で「寓話的」って書いたのは、ブログ記事のタイトルからもわかるように、議案書をどのように書くかについて廣田氏が自説を述べたかったから、それに合いそうな事例を持ってきたんだろうなという、そんな感じもします。
ですが、それより自分的には、「最初から要望していた一群の人々」が「議決権行使書だけで総会を欠席」ということが妙に気になり、印象に残った記事でした。
問題の渦中にいる人達が、こうもキレイさっぱり総会を欠席できたりするものかねえ~、と。
だとしたら、「総会前合意形成主義(総会前主義)」なんて、むしろ逆効果じゃないかって思ってしまうわけです。
「合意形成が出来てるんだから、総会はもはやセレモニーだよね~」
「それなら、出なくてもいいんじゃね?」
「自分達は、これまで一生懸命、理事会と足並み揃えて活動してきたんだし?」
「あとは、普段はあまし協力してくれなくて、総会だけはまあまあ出てくるような人達に、賛成票を投じて貰えばそれでおしまいっ!(笑)」
「てゆか、うちらの議決権行使書や委任状だけで可決するくらいになるんじゃないの?」「んだ! んだ!」
そんな声が聞こえてきそうじゃないですか(笑)半分くらいは「邪推モード」ですw。
「総会前主義」で、いくら総会より前に、日頃から合意形成のための努力をしたところで、その結果が「総会のシャンシャンシャン」で終わるんなら、「総会の形骸化」を促進するだけに思います。
それどころか、この記事では「シャンシャンシャン」さえ出来なかった!
単に瓦解しちゃっただけ・・・。
ただ、これ、そう悪い結果なのかなって思うんですよ。
議案にとっては不幸だったかもしれませんが、でも、高額の工事を行うことで修繕積立金が減ることについて、それをどうカバーするのかについて、「総会の前には誰も議論していなかった」ということも明らかになってしまったように読めるからです。
なので、瓦解して、かえって良かったのかもしれないです(?)
だって、どのみち、臨時総会やり直すだけでしょうから、それまでの間にもう少し頑張って、そこんとこ議論しとけやって思いません?(笑)
飛んで来た101羽目のカラスがアルビノさんだった(白いカラス)みたいな話ですよ。
つまり、この新規入居者氏は、事情を知らずに不適切な発言をしたと「咎められてはいけない」んだということです。
だって、その工事で修繕積立金が減ることを、議案書と添付資料の数字を見ただけで指摘してくれたわけで、そのことを「足掛け三年組」さん達は、自分達が夢中になってる案件に突っ込みすぎて、あまりよく考えてなかったことが、「総会の場で露わになった」ということでしょう?
大勢が同じ方向を見ているときに、1人だけ別の方向を見ている人が居て、その人のお陰で重要な情報がもたらされたり、危険が回避できるるということは、よくあることです。
だから、私はこの事例を、廣田氏とは別の意味で寓意があると考えました。
この事例から見えて来るのは「場」の力なんです。本来なら全員参加が条件の「場」だからこそ、普段のコミュニケーションでは出てこない「影の視点」が浮き彫りになる機会となったのだと。
議決権行使書を出して安心した人達は、自分達は頑張ってここまでやってきたと思ってるかもしれない。でも、その「自分達」の中には「新規入居者」が入ってなかったわけです。
また、上で「邪推モード」で書いたような、「総会にしか出てこないような人達に、ぜひ賛成票を投じて貰いましょ」みたいに、この人達がもし思っていたとしたら、マンション内で分断が起こってるだけ。
どこがコミュニケーション、どこが合意形成、何がコミュニティ(笑)って感じではないかと。
まあ、この記事の「事例」は、厳密な意味での事例ではなく、オリジナルの事例を元にして個人情報等を抜いた上で、ブログ向きに作話したものでしょうけどねw。
そのためか、よくよく読んでみると矛盾もあります。
いや、オリジナル事例に矛盾が生じていたのかもしれませんが(笑)
・3年間かけてアンケートも取り、理事会での議論の経過も広報してきたわけですよね? ならば、なぜ、新しい理事は、「これまでの経緯を存じませぬ」になってしまったんでしょう?
・輪番制で回ってきた役員だったとしても、その3年間、「同じ屋根の下」で情報交換してきた仲間じゃないんでしょうか?
・前の理事からの引き継ぎが不十分すぎて笑うレベルです。
・新規入居者の場合、入居前、売買契約の書類一式の中に「管理規約書」は入ってる筈ですし、管理会社が「この管理組合さんは住民のコミュニケーションに力を入れておりますので、さしあたり前回の理事会からの広報も書類に入れておきました」とか、入居時の挨拶で管理人さんから、「この掲示板には、色々な案内だけでなく、理事会の議事録や広報も貼り出されますのでご覧になって下さいね。ほら、これ、前回のものです。」とか、伝えてくれるかもしれません。そうすれば、新規入居者が総会前に、議案についてのこれまでの経緯の一端を見ることも出来たかもしれず・・・。
それを、「簡素な議案書だったから」ということが原因だと言うのは、廣田氏も、ブログ記事のタイトルに持って行き過ぎ(笑)
私の邪推眼wで見えてくる「原因」としては、「自分達は頑張ってここまでやってきた!」というのが独善的ではなかったのかということです。どこまで本当に全住民の意思を反映した合意形成だったのか、と。
「こんなにもやったんだ! やったんだぞ!」と言いながら(脅しをかけながら)すっごくイビツなことしか提示されないことって、世の中にはよくあります。
(経験者は語る、ていうか皆さん、ある程度の人生経験がおありならお分かりになりますよね。)
「善意の総会前合意形成主義」でも、その「良心」からこそ、「良き思い」に盲目的に突っ込んでしまうところがあり、本当の意味でコミュニティの全体が見えてないこともある気がしますね。コミュニティ活動が好きな人達ばかりを集めてしまいそうだなあ…。
その「行き過ぎ」が、憚りながら、この事例的な寓話では、総会の「場」によって「正された」と見た方がよろしいのではないか、と。
さらに、これら①、②の事例には、非常に重要な問題が含まれているのです!
ここで、区切ります。
【その1】集会主義に対する「総会前合意形成主義(仮)」と「ネオ集会主義」とも言えるWeb会議による集会の可能性 4
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(e)対する「総会前合意形成主義」は、
マンション内コミュニティでの合意形成活動で
国に立ち向かうことが出来るか?!(続き)
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③廣田信子氏ブログの二つの事例の考察
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①の事例(長時間総会の回避策)でも、②の事例(仲間内の頑張りに盲点があった寓話)でもそうですが、「総会前主義」にとって大事な方法となるこうしたアンケートや広報、総会前の質問書や意見書等についても、理事会がそれらをどう扱い、どう運用するのかについては、区分所有法、標準管理規約による規定は「ありません。」
例えば、質問書や意見書への回答は、誰が、いつ、どういう形で行うか。
理事長が代表して回答するのか、それとも一度理事会を開いて合議の上で回答文を作成するのか。回答は出欠と議決権行使書の提出より前に行うのか、後で行うのか(後にせざるを得ない場合も多そうですね。)
あるいは、総会時に「このような質問や意見もありました」として触れながらその場で回答するのか(それだと議決権行使書を出した人には回答が伝わらないですね。)
また、総会前に回答するとしても、掲示板で全員に対して質問や意見そのものがわかるようにして回答を告示するのか、質問や意見を出した人にのみ回答し、全員には「主な質問、意見」のみ、それも概略的に示して回答すればいいのか。
総会前の質問書や意見書を用いて、どこまで公平で合意形成に寄与できる運用ができるかは、理事会のあり方、そして、メンバーの技量にも依存します。
いや、そもそも、「文章で質問や意見を出すのは苦手だ」とか、「その時間がない」という人もいるわけでしょう? そういう人は、「総会に出ていって発言しよう」と思うかもしれません。「総会があるんだから、その時に話せばいいじゃないか」と思うのも当然の反応。
つまり、事前の質問書や意見書に、組合員全ての質問や意見が出されるわけでもないし、出してくれと言って締め切りや提出場所などを告知したとしても、総会への「出欠票」ほどの拘束力はありません。
あくまで「自発的な」コミュニティ活動ですから、参加のシバリはないのです。
まあ、組合によっては、独自の規約を作り、運用細則として総会前活動について定めているところも「あるかもしれない」ですが、それは、本当に独自のものであり、他の組合に「右へならえ」しろと言うわけにはいきません。
あくまで「参考となる事例」「参考となる運用細則例」ではないでしょうか?
また、住民説明会は、確かに対面的な場で全員参加も可能であり、「集会主義」に近いものではありますが、それでも、定義上あくまで「説明会」であり、「議論の場」でも「決議の場」でもないわけです。
①の事例では「素案説明会(検討会)」があり、議論が行えるようになっていましたが、それでも、開催の仕方についての規定も法や規約で定められておらず、議長ではなく便宜上の司会進行役だとして、それを誰が行うかなど、恣意的な運営がされたところで、それに文句を言ってもどうにもならない場です。
また、そこで出た意見を反映して、素案を練り直して最終案を固めるよう努めていると理事会側は言うかも知れませんが、出た意見全てが本当に平等に検討されるかどうかは不明ですし、そうした意見をその場で書き留めておいたとしても「議事録」として組合でシェアされるわけではないのです。
「さっきの意見は大した話じゃなさそうだし、先程の回答だけで充分」と理事に流されてしまい、その場でメモされもしなかったのが、実は発言した本人さえも気づいてない重要な問題を示唆していた、とか、ありがちです。(小学校の学級会の頃からありますよ、学級委員が勝手に低く見積もってくれちゃって、板書もされないとか、そんなの。)
つまり、公式な「集会」にはなり得ない、あくまで「説明会」の延長でしかないものです。
本当に「集会」にしたいのなら、「素案について審議し、正式な議案化をするかどうか決議することを目的として」臨時総会でも開いた方がいいでしょう。
そうした「総会前の」組合活動で、不公平が出ないのか、問題が生じないか、トラブった時にどう解決するのが良いものか・・・。
あくまで自発的なコミュニティ活動として行っていたとしたら、最初は意気込んで頑張ってトライしていても、そのうち理事会や管理会社の担当者が疲弊してゆき、住民の参加もあやふやになってグダグダになっていくのが目に見えるようですよ(笑)
・・なんか、「善意の総会前主義」であっても、憚りながら、どこかブレていらっしゃるような気がしてしまいます。
ブレてしまうと、それがいかに善意から発したものであろうとも、悪意が入り込む隙が出来てしまうところもあろうかと思われます。
悪意については触れませんが、やっぱり「政治的」だよな、というくらいの所感は置いておきましょう。
=========================
(f)「総会前合意形成主義」の思惑は、議案の可決の
ために総会での議論を抑制することとへと繋がっている
=========================
「総会前合意形成主義(総会前主義)」には、「総会で議論はしたくなくて、総会より前に合意形成をしてしまいたい」という思惑があるようです。
例えば、理事会や管理会社は理事会案(管理会社案)として練ったものを覆されたくないので「総会前主義」で行きたいとか、内輪ではそう根回ししつつあるといったケースが想定されます。
(e)の廣田氏のブログ記事の②の事例(寓話)は、まさにそんな感じを含んでいるように思います。
ところが、一般組合員は「総会前主義」なんて知らないし、そんな方向性を奨励している人たちがいることさえ、その思惑さえ知りません。一般組合員の中でも規約を読むような心がけのある人なら、その言葉は知らずとも根底にあるのは「集会主義」だとしか思っていないので、総会に出てきては意見を言うでしょう。
そういう善意の意見を、理事会(管理会社)サイドが迷惑そうに思うというのは、とてもおかしなことではないでしょうか?
「集会主義」を真面目に信じて発言する一般組合員の意見を、あたかも「トラブルメーカー的な「場にそぐわぬ発言」として見てしまう。空気を読んだ一般組合員の方は、「なんか自分が発言したことがいけなかったのかな」等と思わされるだろうけど、何が悪いのかわからない。
理由がわからず迷惑組合員にされてしまった一般組合員と「総会前主義」信奉者である役員の間で分断が起こり得ますね。
それとも、総会の場で、「総会は議論の場ではない、決議の場である」と、法や規約を無視してまでも宣言するんですか? 重要事項説明にでも、なさいます? 「皆さん、総会では質疑応答は行いますが、意見表明はなるべくしないように。それでもおっしゃりたければ伺うだけ伺っておきますが、議論はやめましょう」と?
う~ん、皆、子供じゃないしねぇ…。悪意はなくても、そんな宣言をしたならば、その場がおかしな事態に十分なりそうな気がしますが。
今のところ、私はこのスレやサイトやブログなど、ネット上の言論だけを相手にしてるからいいけれど、これ、本当に総会の場でやられちゃったら堪らないですからね。
意見を言いに出てきたのに~って、そう思う人の気持ちがどう荒れ狂うことやら。荒れ狂ううことは抑止できたとしても、声に出さない内心の荒れ狂いが、その後、マンション管理にどう影響を及ぼしてくるか、いや、管理以前に、コミュニティとしての日々の暮らしにどう影響を及ぼしてくるか、考えると空恐ろしい気がします。
さて。そろそろ【その1】を閉じ、【その2】へ移行したいと思います。
まとめると、【その1】では、総会での「議論」の可否というトピックには、「総会前合意形成主義(総会前主義)」と「集会主義」の対立が「裏側で」関与しているということを指摘いたしました。
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(g)予告:第3章の二本柱「総会前主義と集会主義」と
「それぞれにおける議論の定義の違い」
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また、【その2】で触れますが、「総会前主義」と「集会主義」においては、それぞれが「議論」という言葉の指し示す範囲や定義が異なり、また異なるイメージを抱いている気がする、ということを指摘しておこうと思います。
今回、私が「3章」として書きたいことは、これら「総会前主義と集会主義」「それぞれにおける議論の定義の違い」が二本柱となりますが、分けられるようなことではないので、その都度、それぞれについて参照し合いながら述べていきたいと思います。
そして、ここでこの【その1】の冒頭で示した「総会前主義」が述べていることが「集会主義」に抵触している二つの例を、もう一度、振り返っておきます。実は、これらが3章の議論の要となるからです。
・総会前主義では、議決権行使書の提出に必要な「議案書」は事前配布を義務とする
集会主義では、普通決議は「目的となる事項(議題)」の通知のみでOK
・「総会は議論の場ではなく理事会案の決議の場である」とする総会前主義。
集会主義の法と規約においてこのような命題は存在しない。
【その1】は、ここまでです。
>>15941 の誤字に気づいたので
>>検討したいのは、「総会前」の仕込みの結果、総会がどうなるのかの「実際」です。
>>廣田氏の上の言葉でも、総会では「しっかり決議する場となり、効率的」と書かれて
>>いるため、2時間かかろうが、それは議論話で、丁寧な説明(事前の質疑に対する
>>フィードバック)と採決だけになっているってことなのでしょうね。
下から2行目:
「それは議論話で、丁寧な~」× → 「それは議論は無しで、丁寧な~」○
失礼いたしました。
第2章 第3章を書く前に、重要なこと
~集会(総会)に対する見えない侵略は、善意の顔で近付いてくる~
【その2】総会前には議題の通知だけで構わない。このことが意味するのは総会で議論すべしということ。1
※注意!※ この投稿は、あくまで15536の個人的な意見として書いております。
【その2】では、【その1】を受けつつ、少し別の角度から話を始めたいと思います。
書き込むのにしばらく間が空いてしまったので、15536で私が初めて出てきて以降の流れについて、すでに記憶の彼方でいらっしゃる方も多かろうし、最近、お読みになり始めた方に、「15536から遡って全部読め」とは言いづらいので、少し、経緯もわかるような形で書いてみたいと思います。
そのことで、最初の時点で潜在的にあった「総会前合意形成主義」と「集会主義」の対立
が、私のどのような問題意識と結びついていたかも、浮き彫りになると思うからです。
小見出しは【その1】からの通し番号というか、通し記号でw、(i)から始めます。
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(i)区分所有法にも標準管理規約にも、総会前に議案書を
配布すべきという規定はない
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本当は、ある一つのことだけ述べれば、私が書こうとしている「3章」は、かなりの部分が終了してしまうのです。
それは、最初に15537さんが私(15536)にレスを返した時に述べられた以下に反論することです。
15537 匿名さん 2022/11/04 09:11:02
>>15536さん
総会案が総会当日に示されるというのは驚きです。総会は2~3週間前までに
本人に通知しなければならないことになっています。
その時に、出欠表と一緒に総会の議案書が配布されなければなりません。
それをみて、組合員は、委任状や議決権行使書で賛否を示すのですから。
「総会の開催通知に総会の議案書が配布されなければならない」という命題。
これに反論するということです。
この命題、【その1】でも触れましたが「虚偽」なんですよね。
「普通決議」の場合は議案の要領の通知の義務はなく、義務付けられているのは「特別決議」の場合だけです。
区分所有法にも標準管理規約にも、議案書の事前配布の義務は規定されておらず、「会議の目的たる事項」を示せという文言となっています。
(区分所有法の第35条「召集の通知」第1項と第5項、標準管理規約の第43条「招集手続」です。)
この「目的たる事項を示す=議題を示す」ということです。議案ではありません。
何故なら、議案を示すことの必要な「特別決議」については「議案の要領」を事前に示せと書かれているからです。ここで初めて「議案」という言葉が出てきます。そして、普通決議の場合は、もちろん「議案の要領」を示せとは書かれていないのです。
よって、「目的たる事項=議題」と解釈できるのです。
それは、以下の弁護士さんのブログにも書いてありました。
*市川市本八幡法律事務所羅針盤の弁護士のブログより。
マンション管理組合の総会招集通知に必要とされる議題とは?
2021.09.5
https://law-rashimban.com/lawyer/
また、法や規約にはないことですが、適正化法の「指針」や「基本方針」(註2)ではどうでしょうか?
註2:【その1】の(a)より、凡例として、「適正化指針」は2020年の法改正で提示された「基本方針」に含まれるようになったため、このように表記することとした。
「管理組合の管理者は事前に必要な資料を整備し、集会において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある」と書かれています。
ですが、これは「必要な資料」であり、「議案書」という指定はなく、かつ、「事前に通知しなくてはならない」「事前に配布する必要がある」等といった文言ではありません。
総会に臨むに際し、組合員が理解できるように、また、説明できない事柄がないように、充分に資料を整備しておけという意味です。
当日になってあたふたと壇上でファイルを引っ張り出して数字を調べるようなことでは困るぞ等でしょう。
一般的な文脈に移してイメージしてみるならば、会議にはプレゼン資料を用意しろというのと似てますね。ただし、プレゼン資料を事前に配っておけとは必ずしも言われないし、当日配布の方が圧倒的に多い気がします。(事前に配布なんて、時間的に無理だったり。)
また、パワーポイントなどでスライド表示するだけでハンドアウトを配らない会議もあったりします。そのくらいの自由度が、この文章にはある気がします。(マンションの総会では収支決算書や見積書などの細かい数字の提示が必要な場合が多いですから、パワポだけってことは、あまりないような気がしますが(笑))
もちろん、事前配布が禁止されてるわけでもないのです。
事前に議案書と添付資料を配布したところで、それが法や規約に違反したり、指針や基本方針の趣旨から逸れたりしているわけでは、もちろんありません。
実際のところは、この箇所は拡大解釈され、議案書の「事前配布」が行われることが多いそうですね。
ですが、それは「実務レベル」の話であり、規定ではありません。あくまで経験則のようなこととして、「その方が総会がやりやすい」「スムーズな議事進行ができる」という判断をしている管理組合が多く、現状ではかなり広く「慣行」されているというだけです。
それがいつの間にか、「総会前主義」によって「事前に配布しなくてはならない」という拘束力を持ってしまっているのは大いに気になるところです。
そして、これ、決定的に重要なことなんです!!
ここを衝けば、15537さん、ならびに、同じことを主張されている方々のロジックは、残念ながら崩壊するのではないかと思われます。
まず、15537さんによれば、上の引用部分にもあるように、議案書の配布の「根拠」は、委任状や議決権行使書で賛否の判断をする人のために、判断材料としての議案書が必要だからということですよね?
結局、「総会前の」議決権行使書を重視する立場にとって、議案書の事前配布が必要だということなのですよね? 「総会前合意形成主義(総会前主義)」です。
確かに区分所有法でも標準管理規約でも議決権行使書を用いることは可能であると書かれています。(区分所有法の第39条第2項、標準管理規約の第46条第4項)
これは区分所有者にとっての「権利」を定めたものと言えます。
そして、その権利を行使する、つまり、議決権行使書で議案の賛否を示すためには、「議案の内容についてまでも、あらかじめ通知されていなければ、賛否を示せないではないか」というのは、一見、とてもまともな話に思えるのですが、実際は、「それがどういう総会で、どういう議題なのかにもよる」のではないかと思われます。
通常総会、臨時総会で行われるあらゆる討議の議題を合わせて、全ての総会の全ての議題について、全て議案の詳細(に相当するであろうもの)を事前に配布しなくてはいけないという「強行規定」があるわけではなし、それは以下の(b)で述べていくように「不可能」だと思われます。
まず、特別決議の場合は、定型的かつシビアな決議事項があらかじめ想定できます。よって、それに基づき、議案の要領を事前に示さなければならないという規定が「可能」なのに対し、普通決議の場合は、あらゆる事態を想定しても「そうすべし」とまでは言えないと思うんですよ。
総会には、理事会案について決議する場合と、そうでない場合があり、開催状況が全く変わってきてしまうことを考える必要があります。
以下、それぞれについて見ていきます。
ここで、区切ります。
自己陶酔ってやつかな……
初見だと結論的に何を言わんとしているのかが全く解らないから読みようがない。
>>15943 また間違ってしまった(す、すみません!)
【その2】のタイトルを変更したんでした。忘れとった。
旧:
【その2】総会前には議題の通知だけで構わない。このことが意味するのは総会で議論すべしということ。
新:
【その2】会議の目的(議題)を通知せよ、すなわち総会では議論をして決議せよ
以下、新しい方にしますので、よろしくです。
>>15944 匿名さん
初見でレスを頂きまして、どうもありがとう!
初見なら、今日、>>15937で目次を書いておいたので、以前の、というか、最初の第1章と第2章と、頂いた他の人のレスを、まずは読んでみて下さい。
それ読まなければ、この第2章の意味はわからないです。
自己陶酔ではなく、死ぬほど苦しみながらの1ヶ月、のたうちまわりながら書いたんですよ?
責任感からです。
自己陶酔でこれだけ書ければ、とっても幸せもんだよ。もっと別のことしてるよ(爆)
「ばかばかしくなって」何度やめようと思ったことか、わからないんだぜ?(笑)
そんな心境、あなたは経験ないんでしょうけどね?w
第1章、第2章の最後に「第3章」を書くって予告したのに、スレ主氏はそれを無視して、「もうそろそろいいんじゃない?」と追い出されそうになりまして。
第1章、第2章は、スレ主さん宛に書いたものです。
一等最初にスレ主さんが初心者の私(>>15536)に「嘘を教えた」ことから始まったのに、
レスもされずにそういうやり方は卑怯だと思い、だから、最後まで書いてやるわって、「宣戦布告」しました。
そう言った以上は、最後まで書きます。「それだけ」です。
でも、これはスレ主さんへの戦いじゃない。
第2章【その1】の最初に書いたでしょう?
スレッド全体にも居る。
マンション管理業界のサイトにも居る。
それで、私のような初心者が、そういうところを読んで、洗脳されないとも限らない。
「民主主義」「集会主義」に、ちゃんと軌道修正できるように、誰かが書く必要があると思って、やってんのよ。
第2章 第3章を書く前に、重要なこと
~集会(総会)に対する見えない侵略は、善意の顔で近付いてくる~
【その2】会議の目的(議題)を通知せよ、すなわち総会では議論をして決議せよ 2
※注意!※ この投稿は、あくまで15536の個人的な意見として書いております。
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(j)総会が理事会案に対する決議のための開催か、組合員の招集権に
よる開催かによって、事前の議案書や資料の作成条件が変わってくる。
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①理事会案について決議する総会
②組合員が招集する総会
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ーーーーーーーーーーーーーーーーー
①理事会案について決議する総会
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現行のこの国のマンション管理の場合、普通決議の場合、大抵は理事会案が総会に上がってくる形になっているようなので、それまでの理事会の議事録を時系列を追って把握していれば、最終的に「その次の」総会に上がってくる事柄も、「ある程度は」周知されていることになるでしょう。
なので、必ずしも議案書が事前に配布されず、議題の通知のみでも、賛否を議決権行使書で示すことは可能な場合「も」あるでしょう。
これは、ただし、そのマンションの管理組合が日頃、どのように運営されているかによりますよね。(後述の(n)節以降では、理事会の議事録の完全無欠性は覆すつもりです。)
一方、議案が理事会案である中でも、議案書が事前に手元にないと議決権行使書で賛否を決めるのが「著しく難しい」場合もあります。
例えば、通常総会では、収支決算、事業報告、そして次年度の収支予算、事業計画について決議するので、さすがに「資料」を見ないでOKを出すわけには行きませんから、事前に「資料の配布」が必要な議案だと思います。
ここで必要なのは、収支決算書等の資料です。なので、「議題の通知+添付資料」でもいいかも知れません。必ずしも「議案書+添付資料」でなくてはならないこともないでしょう。
まあ、それは他に抱き合わせで通常総会の日に決議しなくてはならない議題に何が出てきているかにもよるかも知れません。ケースによるでしょう。
また、【その1】の(e)の廣田氏のブログ記事の「寓話的」な事例のように(>>15940)総会直前に新規入居者が居るような場合は、その組合員はそれまでの理事会の審議の経緯を知らないので、公平になるように何らかの措置が必要となります。せめて直近の理事会の議事録を当該入居者に渡しておくとか、あるいは、万全を期して、事前に議案書や資料の全戸への配布をしてもいいのかも知れません。
やはり、「やり方はケース・バイ・ケース」ではないでしょうか。
もちろん、議案書を事前配布して「いけない」ことは全くないのです!!
事前配布をすることは、法と規約の「運用」の範囲だと思われます。なので、積極的にこれに取り組むことでそのマンションの皆がハッピーになるのなら、それはやるに越したことはないんです(ニッコリ)
でも、(n)でも書きますが、議案書が配布されていたとしても、要約的なものであれば、やっぱり総会で説明を聞きながら、直接質問等を行うことでようやく理解に至る場合も多いと思われます。
なので、「議案書が事前に配布されていさえすれば良いのか」と言えば、何とも言えないことになります。
思い出して下さい!! 【その1】の(e)の廣田氏の事例②を。
総会で採決が出来なかったその事例では、諸条件が重なったとは言え、決定的な原因は「議案書が簡単過ぎたから」というのが廣田氏の説でした。(自分的には、「別の原因もあるんじゃないの?」説をそこでは書きましたが、廣田氏説にも一理あります。)
何が何でも「事前に配布しなくてはならない」という規定はないのだし、事前に「急拵え
」でテキトーに形にした議案書など送られてもねぇ。
以上で、「議案書」を事前配布すると「良いかも知れない」ケースについて、先に検討してみましたが、
・総会の種類:通常総会、臨時総会
・決議内容:普通決議、特別決議
・住民の状況:新規入居者の有無等
・議題:理事会で審議されたもの(議事録の延長)
・議案の内容:どこまで説明しておけば事前に賛否の判断がつくと思われるか
・書面による事前説明の種類:議案書が必要か、議題への添付資料で良いのか
・議案書の形式や内容:要約か詳細か、どの程度の詳細さか
→「規定なし」「標準や模範例はなし」
これらを一通り見た上で、ケース・バイ・ケース(運用次第)であり、やっぱり、「事前に配布しなくてはならない」という規定はないんだよなあ、ということに収斂してしまうという他ないですね。
「事前に配布しなくてはならない」という規定はない、これは何度でも繰り返します。
特に、次の②を忘れてはならないからです!!
ーーーーーーーーーーーーー
②組合員が招集する総会
ーーーーーーーーーーーーー
理事会による議案で理事長が臨時総会を召集するのではなく、組合員が総会招集権を行使する場合が認められています。
組合員総数の5分の1以上、及び議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意により、総会の招集を請求出来ます。(区分所有法の第34条第3項、第5項と、標準管理規約 第44条第1項、第2項)
このような場合、理事会が議案について議論を尽くした上で総会にそれが上がってくるというわけではありません。
もちろん開催を要請する組合員の有志の側で、臨時総会に向けた準備はしてくるでしょうから、総会当日には議案書や資料は配布されるでしょう。
もしかしたら、パワーポイント等でのスライド表示やミニ動画の上映もあるかも(笑)
開催が理事会じゃないですからね、自分達が総会を招集したことの意味を他の組合員にアピールするためにも、いつも総会で行われている手順とは違うことをやらかしてくれるかも知れません。(良い意味で。)
…こうなると、総会当日に出席してみないと、詳しい資料にアクセスしづらいですね。
まあ、「ネットに事前アップロードしておくから、議決権行使書を出す奴はそれ見ておいてくれ」ってのはアリかも知れませんが、…どんだけ手間かけますかっていう。招集者側も議決権行使書提出者側もw。
でも、政府がプッシュしたWeb会議方式が広まると、今後はコレ、理事会もやらなあかんくなるんかいね?(「総会前主義」の方々も、戦々恐々ですね(笑))
ですが。
このような組合員による総会招集権の行使のケースは、ある種の緊急動議のようなもので、要望として一般的によくあるような「この事案に関して、理事会で取り上げて欲しい」という段階ではなく、一足飛びに「もう、理事会じゃ埒があかない! これは総会を開いてもらうしかない!」という切迫した状況になっていると思われます。
場合によっては、何度も理事会に掛け合って来たのに他の議案が優先されていたり、理由も不明でスルーされて来たようなことで、当事者側は深刻な問題だと思っており、早急に組合全体に問いかけ、理事会がまともにこの問題を取り上げ、その解決に向けて、ちゃんと予算も充てて欲しい旨(専門家による調査を依頼するなど)をアピールしたいということもあるかと思います。
あったなあ、うちの組合で似たようなことが。組合員が総会を開く事態にまでは行かないことだったけれど。当事者のお宅が何度も管理会社の担当者に連絡を入れて、
「この件について早急に理事会に取り上げて貰って下さい→そうですね→結果はスルー、他の議案が管理会社から出されただけで、要望があったこと自体を理事長も知らなかったと後々に発覚」
「次回は通常総会だから皆さんいらっしゃるでしょう、その時にでも組み込んでください→そうですね→事前配布の議案書に項目がなく、総会の途中の休憩時間に当事者のオーナーがその場を借りて注意喚起の発言をさせて貰うに留まり、席を立っていた人には声が届かなかった」
まあ、うちは管理組合宛のポストが設置されてないし、理事長や役員に直接掛け合うようなコミュニケーションもない組合なのであかん!…のですが^^;
(管理人宛=管理会社宛ポストのみ、ある。>>15536参照。)
それでも、もっと深刻なケースだったら、そんなうちのマンションであっても、当事者が管理会社の相談窓口や担当者を飛び越して、連名で理事長に「総会を開催するよう請求します!」になっただろうなあ…。
そういう場合、「事前に議案書などを整えている暇がない」ことだって往々にしてあるのではないでしょうか。議題の通知だけ、もしくは、議題に何らかの添付資料をつけての通知、そのくらいの場合だってあり得るでしょう。
それで、総会までの間に、夜なべして資料を作るんでしょう、せっせせっせと(泣ける。)
まず、総会の招集を可能にするために5分の1以上の組合員の同意を得るだけでも、それなりに大変でしょうし?
そして、決議事項が、何かの見積書のような具体的な形ではなく、「理事会がこれを取り上げるべきだ」ということへの承認を求める(認めさせる)ということかもしれません。
問題自体が、もっと掘り下げて見なければ全貌がわからないようなことなら、簡単に議案書にまとめられる状況でもないこともあろうかと。
(環境汚染の場合など、調査をしないことには原因もわからない、理事会や管理会社は「大したことないだろう」「出来れば大きな社会問題には発展して欲しくない」「あまり関わりたくないのが本音、輪番制で次の理事会に先送りできたら」「そのお宅が対処するだけで何とかならないのか、しばらく様子見だ」とスルー、でも、ある区画の居住者の被害が複数戸に拡大し始めている、等。)
問題の当事者は困っていながら孤立してしまい、理事会や管理会社からの支援もない状況ならば、その問題について何とか組合全体に周知し、皆の視野に入れて貰うしかありません。
そのためには、総会という「場」こそが相応しいでしょう!!
少数者、弱者が声を上げられる「場」としての総会です。
これが直接民主主義、「集会主義」の美点であると思います。
また、そのような組合員から発した臨時総会開催の場合、やむを得ず欠席する人も、たとえ議案書が事前に配布されていようが、そう簡単に議決権行使書で賛否を表明できないこともあるでしょう。
事前に内容の理解が及びにくいということもありますが、同じマンション内の人間関係として、そうやって組合員からの招集だった議題について、安易に賛否など言えないこともありそうですし。
まあ、どうしても出席できないから、招集者の組合員か議長か、どちらかに委任状って感じじゃないかな?(うーん、これも政治的だ・・って私がここで今必死に考えることでもないのだが。)
以上①、②により、臨時総会の開かれる状況は様々だと思われます。
それを逐一、判で押したように議案書の事前配布と議決権行使書の「奨励」なんて出来るわけがない。
ましてや「義務付け」なんて出来やしないんです!!
「総会前合意形成主義(総会前主義)」は、議案自体が総会前に「理事会の審議を経て」形になっているようなこと(工事の発注、見積書など)にばかり目を向けているように思えますが、解決すべき事態の生々しいリアリティに、「組合全体で」取り組んでいかなくてはならないようなことに対しては、「総会前主義」は目を向けていないのではないかという気がしてなりません。
そして、このように「総会前主義」によって議決権行使書に焦点を当てられるのは、総会で決議が行われるからですが、ならば、総会では決議しかしてはいけないのでしょうか? あるいは、総会では、必ず何らかの決議に到らなくてはいけないのでしょうか?
ここで区切ります。
第2章 第3章を書く前に、重要なこと
~集会(総会)に対する見えない侵略は、善意の顔で近付いてくる~
【その2】会議の目的(議題)を通知せよ、すなわち総会では議論をして決議せよ 3
※注意!※ この投稿は、あくまで15536の個人的な意見として書いております。
==========================
(k)「総会は理事会案に対する決議の場である」という
命題には組合員による総会招集権が無視されている。
==========================
この(k)で取り上げる命題は、【その1】でも挙げておいた「総会前主義」を特徴づける基本命題のようなものの一つですが、上の(j)の②で説明した「組合員の総会招集権」により、すでに覆されております。「総会は、必ずしも理事会案のみに対する決議の場ではない」からです。
事前に通知された目的(議題)に関する決議ということであり、理事会が出した案とは限らず組合員の有志が出した案となる可能性があるわけです。(註3)
註3:管理会社の案であっても、事前に理事会を通しますので、慣行として「理事会案」とみなされます。(自分的には、反対ですけどね、管理会社案はいくら理事会が承認したとしてもあくまで管理会社案であり、理事会がそれを「叩き台」にして主体的に練った場合のみ理事会案と呼べると思いますけどね。)
では、「理事会案」ではなくとも、必ず「決議のみ」をしなくてはならないのでしょうか?
次に、これまでずっと「総会前主義」が当たり前のように言っていた、総会では「決議以外するな」に近いことへの異議申し立てをしてみたいと思います。
・・・これ。私が書いてることっていうのは、何をしてることになるのかと言うと。
ちょっと大事だから言いますが。
自分ごときがわざわざ書かずとも、法や規約、指針や基本方針を読めば、「当たり前のこと」だと思うんですけどね? すでに第1章の(1)と(2)で指摘した通り、「集会主義」の一言で足りてしまう、そう言ってしまえばそうであることでしかないのです。
ですが、現状は、【その1】で述べたように、「マンション管理業界の中に」「総会前主義(総会前合意形成主義)」が台頭してきていて、こちらのスレッドもそうだし、多くのネットの情報サイトもそうなっている様子が窺えるわけですよ。
すなわち、「法や規約、指針や基本方針」に対する「異なるアプローチ」が出現している(ニュートラルな表現で言えば)ということだからこそ、論点に対し、なるべく逐一、異議申し立てをしておこうという趣向なのでございま~す♪
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(l)総会では通知された目的についての決議しかできないのか?
動議が認められた場合には、その場での議論も必要では?
================================
※この(l)節(小文字の「える」ですよ)では、独断と偏見に基づき、私見を述べさせて頂きます。
区分所有法でも標準管理規約では総会では「決議」をするように書かれています。
まず、集会(総会)招集の目的となる議題が「普通決議」か「特別決議」に分類されていることからもわかるように、総会の目的は「議題についての決議」であるということでしょう。
しかし、総会で行うべきことは、事前に通知された議題について準備された具体的な議案に対しての「賛否を問う」という、それだけなのでしょうか。
これは【その1】の(e)の廣田氏のブログ②の事例(>>15940)のように、「今回は採決を見送り、次の臨時総会での継続審議とする」ということがその場で「承認される」というのも、一つの決議のあり方ではなかったかな、と。(当たり前の話ですが。)
そして、その日の目的となった議題についての決議が「次回へと持ち越し」されて、「継続審議」になると決着がついたなら、それで総会は「お開き」となる「べき」ものなのでしょうか?
場合によっては、「理事会に議案を差し戻し、議論を尽くして貰う前に、せっかくなので、残りの時間は、今回の出席者からの意見を聞いて、それをまとめるという公聴会的な機会にしたらどうか」という提案がなされる場合はどうなるのでしょうか?
あるいは、時間配分を見て、議長がそういう提案をするかも知れません。
法や規約の解釈としては、通知された議題、議案に関連がある範囲でなら、その場でいきなり出された「動議」も決議可能とされているようです。
色々なサイトで情報を確認しましたが、これは解釈が分かれていることはありませんでした。そこで、他の箇所で引用したものと被らないように、一例として以下の弁護士サイトのURLをあげておきます。
*管理組合の総会で出された動議の取扱いについて|マンション管理の問題解決
六報法律事務所 弁護士 池田泰介
http://マンション管理.com/2020/04/12/275/
また、区分所有法の第37条第1項では「あらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる」とありますが、第2項では「前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない」とあるので、普通決議の場合、動議についてはフレキシブルに各管理組合が規約を定めても良いことになっています。
となれば、上で私が例として出した「意見を聞く場とする」という提案は、決議された「次回の臨時総会へ持ち越し」の、その持ち越す「方法」として、「本日の残りの総会の残りの時間の有効活用の提案」という「動議」と見做すことは出来ないでしょうか。
そうすると、他の出席者から、「いや、今、すぐ意見を言うのは難しいし、口下手の自分としては書面で出したい、理事会が後日、質問や意見をまとめて欲しい」「アンケートを取ってほしい」という対立意見が出されることもあるかもしれないし、「質問書・意見書やアンケートなどの方法について今決めるのは難しいし、今回の出席者だけでいきなり決めるのは慎重にして、理事会で揉んで貰って、方法を提案して頂きたい」「いや、次回の臨時総会へ出される議案なのだから、全部、理事会が議論して議案にするべきだと思う。理事会に一任にすべき」という意見もありうるかもしれません。
それらの意見が場に出揃ったタイミングで、議長が「方法についての」採決を取るというのは、アリなのではないでしょうか。
これらの一連の流れは、単に「決められた事項についてのみ」決議して「ハイ終わり!」ではなく、決議と議論が積み重なり合い、さらに深まってゆくという、集会の直接民主主義の有機的な過程ではないかと思われるし、決して通知された議題から逸脱しているわけでもない筈です。
もし、ここで決議して「はい、次回に持ち越しね、お開きお開き~♪」としてしまったなら、その後のプロセスはどうなるでしょう? 次の臨時総会までの間に理事会での審議へと「自動的に一任」されてしまい、一般組合員は理事会が次に出してくる議案について、臨時総会に呼ばれるだけになるかもしれません。
中には、理事会に対して個別に意見をポストに入れる組合員もいるかもしれませんが、理事会から「先日の総会の結果を踏まえて、質問や意見を出して下さい」「アンケートを取ります」といった要請がない場合は、自発的にポストに自分の考えを投函する人がそう多いとは思えません。いや、大抵の人が言われなければしないでしょう、そういうもんですって。
これでは、せっかく総会の場に人が集まっているのに、人々の意見を集約し、それをリソースとして有効活用できず、理事会のみが同じ面子で同じような考え方の傾向をベースとしてまたもや仕事をする、そして一般組合員との間に分断が生じてしまう、ということの繰り返しになるような感じがしてしまうのです。
また、上の【その1】の(e)の事例②(>>15940)のような「採決せず持ち越し」ではなく、議案が否決された場合でも、色々な展開が想像されます。
そのまま議案自体が却下され、「工事は不要」のように自動消滅になる場合もあるでしょうし、「工事の発注先が否決されたので、先ほどの意見にあった代案を理事会が精査し、臨時総会にかけます」とか、「もっと調査して案を練ることとします(出直し)」のように、議案の大枠の方向性は決まっていながら細目は決まらないということになる場合も多々あるはずです。
なんと言っても事例②は「足掛け三年」の歳月、組合で議論をしてきたって書いてあるじゃないですか。
そういうのって、たとえ総会でひっくり返されたから否定的な事態であるとか、総会が荒れたとみなされるのでしょうか? 違いますよね? 紆余曲折を経ながらも、合意形成へと向かって進んでいる過程だと思います、てか、思いたい!(笑)
「適正化指針」(【その1】の註1で示したように後に「基本方針」に含まれるようになった)では、以下のように書かれています。
「管理組合の自立的な運営は、マンションの区分所有者等の全員が参加し、その意見を反映することにより成り立つものである。そのため、管理組合の運営は、情報の開示、運営の透明化等を通じ、開かれた民主的なものとする必要がある。また、集会は、管理組合の最高意思決定機関である。したがって、管理組合の管理者等は、その意思決定にあたっては、事前に必要な資料を整備し、集会において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。」
ここで「集会は、管理組合の最高意思決定機関である」と言われている以上、一瞬、意思決定しかしてはいけない「かのように」読めないこともなく、ちょっと怯みました(爆)
ですが、前の下りに「管理組合の自立的な運営は、マンションの区分所有者等の全員が参加し、その意見を反映することにより成り立つ」とちゃんと書いてあり、「全員参加で意見を反映」する直接民主主義が提唱されているわけでして、それができる「場」と言えば、それは理事会ではなく総会を意味します。
総会で否決されたり次回に持ち越しにされたりしても、ただ自動的に理事会に差し戻せばいいっていうのは、なんか違うと思うわけです。
なので、総会では、まず第一に「全員参加で意見を反映させる」という機能があるように読めます。その前提の上に立ってこその次の文、「また、集会は、管理組合の最高意思決定機関である。したがって、その意思決定にあたっては~略」なのですよ。
最初から、何の但し書きもなく、いきなり「総会は最高意思決定機関である」という定義から書き始められているわけではないのです。
それに、これは法でも規約でもなく、「指針」(「基本方針」に所収)ですから、法や規約のような厳密さを持った言葉ではなく、「規定」「定め」ではないことに注意をしなくてはならないでしょう。
「最高意思決定機関」というのも、国政に擬えて、比喩的に、イメージ喚起的にわかりやすく語ってみた、って感じではないですかね? 「最高」や「機関」と聞けば、「すっごく大事なことを決めるんだ!」って感じが伝わってくるじゃないですか? つまり、レトリックですわ。…と、私は勝手に思うことにしました(笑)
なので、この箇所だけを切り取って、総会とは、「意思決定をする場だ! つまり、決議の場だ!」「決議をしなくてはならない!」「採決だけしろ!」というのは行き過ぎだし、何より、決議をするために行うべき議論のステップを抜かしてはいけないということです。議論なしで行える決議なんてないんですから。
上述のように、「指針」「基本方針」でも、「全員参加で民主的に意見を反映させた上で集会で意思決定しなさいよ」って言ってるわけでしょ?
どうもこの「最高意思決定機関」の文言が一人歩きをして、「総会前主義」が牽強付会に総会での「議論」を排斥して、総会では決議だけに「持っていこうとしている」ように思えてなりません。
結局、意思決定のプロセスは、決定打が出ない限り、一回の総会で終わらず、続いていくことは大いにあるわけです。それを、「決議の場なんだから、さっさと決議をしろ」というのは、暗に「(可決か否決かの)決定打を出す」ことを前提としているようにしか思えないんですよね。そのために、総会の前に仕込みをしておけっていう?
しかも、「総会前合意形成主義」の人々は、こちらのスレッドもそうですが、色々な情報サイトでも決まって「理事会案の決議」っていう限定された言い方をしていますよね?
「総会前主義」のサイトでは、「理事会が事前に審議を尽くしているのだから、総会ではそれがそのまま承認されることが多いものだ」とまで言っちゃうケースが多々あるわけです。
もう、ここまで来たら、「最高意思決定機関」という言葉を曲解し、「決議(だけ)の場」と決めつけるのは、暗に「理事会案を通すための政治的な手法」としか言いようがないと思えてしまいます。
・・で、それ、本当に理事会案なんですかっていう声もどこからともなく聞こえて来るような~(邪推ですよ(笑))
ここで区切ります。