待望の第8版が出来ました。
[スレ作成日時]2018-01-26 23:35:01
待望の第8版が出来ました。
[スレ作成日時]2018-01-26 23:35:01
新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクや紙類が不足している。
転売サイトなどを避けて定価で購入するには、開店前の行列に並ばなければいけない。
米国発の経済学書『不道徳な経済学 転売屋は社会に役立つ』
(早川書房)を翻訳した作家の橘玲氏は
「価格の引き上げを認めれば、このバカげた行列はすぐになくすことができる」という。
■SNSで拡張される「不安と同調のフィードバック」
世の中には一定数の「強い不安を感じるひと(日本人は生得的に多いとされる)」がいて、
このひとたちはなにかしないと不安を抑えられないので、
マスクやトイレットペーパーやパスタ類を買い占めたり、
目の前にある機会に飛びついて積極的かつ衝動的に行動します。
やはり世の中には「同調圧力に弱いひと」が、
こちらはかなりの割合いて(やはり日本人は生得的に多いとされる)、
「不安感が強いひと」に引きずられて同じ行動をします。
この同調性は、「群れる」ことがもっとも効果的な生存戦略だったことから進化論的に説明できます。
こうして多くのひとが同調するようになると、冷静で知的なひとも、
自分も同調しないと不利になると合理的に判断して大衆に追随するようになります。
これが「全体主義(ファシズム)の起源」です。
これは社会心理学の基本ですが、感染症はこの構図を誰でもわかるように可視化します。SNSにはこうした「不安と同調のフィードバック」を拡張する機能があるので、より対処を難しくしています。
■人は想定外の状況で合理的に行動できない
トイレットペーパーは感染防止に役に立たないので買い占めてもなんの役にも立ちませんが、
「不安なひと」問題で難しいのは、ほんとうの極限状況ではこの戦略が正しいことです。
たとえばシリア内戦では、
真っ先に国外に脱出してヨーロッパに向かった「不安なひと」がもっとも生存確率が高かったでしょう。
ナチス台頭のときのユダヤ人も同じで、
ホロコーストを逃れたのはドイツに留まった楽観主義者ではなく、
アメリカに脱出した悲観主義者でした。
進化論的には、これが社会に「不安なひと」が一定数いる理由らしいです。
「不安なひと」は、主観的には生存の危機(このままでは死んでしまう)にあるので、
生き延びるためにどんなことでもします。
当然、他人のことなど全く気にしません。
リベラルの理念は「社会を変えれば人間性も変わる」ですが、
これは幻想で、社会がリベラル化するのはゆたかで平和で自由な世の中になったからです。ちょっと圧力がかかると、たちまち人間性のグロテスクな面が表に出てきます。
■定価販売という「差別」
マスクの高額転売が禁止されましたが、
ドラッグストアの行列に「自粛」をお願いするだけではなんの効果もありません。
朝6時から行列できる「糞ヒマなひと」が、
すべてのマスクを買い占めて自宅の部屋に積み上げるだけです。
買い占め行為に対して「ほんとうに必要としているひとがいる」
との道徳的批判はまったく効果がありません。
ドラッグストアの長蛇の行列に並ぶひとは、
「ほんとうに必要としている」と思っているのですから。
「貧乏人はどうなるんだ」と定価販売を主張するひとは、
それがドラッグストアに行列できる糞ヒマなひとたちを不当に優遇するのでしょう。