玄関扉の修理については、必要であれば、大規模修繕工事時等に全戸平等に修理する以外は、原則個人負担とすべきと考えます。ほかの方の投稿で「俺も俺も」で切りがないというのが分りやすい理由ですが、それを法的に具体化したものとして、「管理規約」があります。
当マンションの管理規約は、国土交通省が一定のガイドラインを示すために作成した「マンション標準管理規約」に倣っております。
マンション標準管理規約の第21条では、「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする」としつつも、「ただし、バルコニー等の保存行為のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない」と定めております。
「保存行為」とは、壊れたものを直すことです。「バルコニー等」とは、各住戸に接するバルコニーや玄関扉、窓ガラス等、その住戸のみが使用できる「共用部分」のことです。
一方で、エレベーター等は誰もが使用できる「共用部分」です。
今回問題になっている玄関扉は、「バルコニー等」にあたり、規約に従えば専用使用権を有するその住戸の所有者が直さなければなりません。
さらに、標準管理規約に対する国交省のコメントでは、大規模修繕工事より短い期間で発生した個別修繕は、特段の事情がない限りは、個人の「通常の使用に伴う」ものとして、その責任と負担において保存行為を行うものとしています。
今回の扉の傷が、風災や第三者による犯罪行為等によることが明らかである場合等、「特段の事情」がない限りは、理事会の承認を受けた上、費用は自己負担で行うべきで、どうしても管理組合で修繕するのであれば、「特段の事情」である理由を詳細に示して総会決議を経るべきです。アンケートをとって、理事会決議で規約に反する事をできてしまうのでは、悪例として禍根を残すこととなります。
?マンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメント
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001417732.pdf