■物件概要
三井不動産レジデンシャルが分譲する「パークホームズ横濱妙蓮寺ザ ヒルトップ」横浜市神奈川区白幡向町に建設中の全118戸のそこそこ大規模マンションです。平成29年12月竣工、平成30年3月入居予定だということです。マンション用地になる前はゴルフの打ちっぱなし、さらにその前は養鶏場があった場所だそうですが、第2種中高層住居専用地域ということで周囲は住宅街です。
駅からのアクセスは、東急東横線「妙蓮寺」駅徒歩10分、また、オフィシャルには宣伝されていませんが横浜線「大口」駅から徒歩17分ということで、頑張れば2路線使えます。特に横浜駅方面に頻繁に行かれる方であれば、東横線だけでなく横浜線が使えるところもポイントが高いのではないでしょうか。なお、「妙蓮寺」駅は各駅停車駅ですが、横浜までは乗車時間6分ということで、横浜に勤めている方ならDoor-to-Doorで通勤時間25分以内も夢ではない立地です。
子育て世代がメインターゲットのマンションになる想定で、広さは71.32平米3LDKから91.02平米4LDKです。南向きの住戸はほぼ75平米の住戸が占めていて、90平米近い住戸は南西側の南棟角部屋と北東向き東棟・北西向き西棟の上層階に偏っています。
<工事現場に掲示されていた事業計画>
■モデルルーム
東京方面から電車で行くと、「妙蓮寺」駅に差し掛かるあたりで当物件のマンションギャラリーの建物が目に入ります。それくらい駅から近く、東口を降りてゆっくり歩いて徒歩2分といったところでしょうか。初めて妙蓮寺駅で降車しましたが、東口を出てすぐ眼前にどーーーんと広がる妙蓮寺にびっくりしました。駅前というと大抵なんらかの商業施設があると思うのですが、まったく何もなく、目に入るのはお寺ばかり。好みは分かれそうですが、地上駅の牧歌的な雰囲気と相まって落ち着いていて素敵だと思いました。ちなみに踏切を渡って正面口の方には商店街があります。
モデルルームの内部に入ると受付にも複数の方、その先の施設内にもたくさんのスタッフが見えて、まだオープンしたてで第一期販売も間近だったからか(9月1日より開始だそうです)とても気合の入った雰囲気でした。
(1)アンケート記入 マンション見学の際には必ず記入するいたって普通のアンケートです。現在の居住情報や勤務先、希望価格・希望面積などを記入します。アンケート記入後に担当の営業さんがやってきて、シアター鑑賞が始まるまでの時間で物件の周辺環境などを説明していただきました。やはりモデルルームと物件のある東口には日常的に買い物できる施設はなく、駅の反対である正面口の方に商業施設(オーケーストアなど)は集中しているようです。
(2)シアター鑑賞 時間が来ると、案内係の方が呼びに来られて、営業さんにシアターに誘導されました。大手デベの物件だと規模に関わらずシアターが用意されているのですね。シアターで上映された映像の内容は主に周辺環境と物件の共有施設でした。
アドレスとなる白幡地区は、1930(昭和5)年に横浜貿易新報(現・神奈川新聞)が行った新興住宅地の人気投票「新住宅地十佳選投票」でも43万票以上を獲得し1位になっているということでしたが、マンションの土地自体は前がゴルフ場でその前が養鶏場だったということなので、ちょっと疑問がわきました。後で確認してみるとどうやら白幡と名の付く地域は広いようです。
また、このマンションは共有設備にも力を入れているようで、家庭菜園ができるスペースを設けていたり、DIYなどを楽しめる多目的スペースを設けていたりと、ファミリーで暮らすのにあると便利で楽しいと思います。
(3)建物のミニチュア模型を見る シアターの後は、建物のミニチュアで敷地の紹介がありました。こちらは写真撮影禁止とのことでしたので、写真は掲載できません。パークホームズ横濱妙蓮寺 ザ ヒルトップは、南棟・東棟・西棟の3棟構成で、南棟の1階は完全地下住戸、東棟と西棟は2階からの6階建ての建物です。メインエントランスは西棟で、棟の前には接面している道路との間に25mほどの空間があり、ソメイヨシノなどが植樹されているため外部からの目線は気にならない作りになっています。西棟と東棟の間は57台分の機械式駐車場があります。駅距離や坂の上などの立地を考えると駐車場はもっと多い方が良さそうですが、最近は車離れが進んでいるらしいので、意外とこのくらいの数の方が無駄がないのかもしれません。ちなみに敷地を出た西側は貸し駐車場だそうです。
建物はブラウンを基調とした落ち着いたデザインで、側面が45丁二丁掛タイルでその他はほとんと吹付タイルです。営業さんは吹付タイルであることを突っ込まれるのを想定済みなようで、吹付タイルの方がメンテナンスがしやすいということをアピールされていました。一消費者としては、吹付タイルというと昭和の団地をイメージしてしまいますが、吹付タイルの技術革新や台風によるタイルの剥落被害などを考えると一概にタイルの方が高級感があってメンテナンスフリーとも言えない時代なのかな、と思いました。住まい探しで外壁タイルが優先事項ならパークホームズではなくパークコートに行くべきかもしれませんね。
(4)モデルルームを見学する 建物のミニチュアを見た後は、二階に上がってスリッパに履き替えてモデルルームを見学します。
二階に上がってすぐの右手には南棟地下階(表記上は1階)一部住戸にあるテラスの実物大モデルがありました。奥行4m×横幅6m計24平米もあるのでもはや庭です。パラソルやビニールプールを出してもまだ余裕があるサイズ感でした。ちなみに地下住戸には湿気対策としてエアコンを設置しているそうです。
モデルルームとして公開されていたのは75平米前後のお部屋で、リビングに隣接する6畳の洋室を4.5畳にカスタマイズしリビングを広くする間取りになっていました。ちなみにすでに着工済みのため床材などのカラーセレクトも4階以上の部屋でないとできないようなので、下層階の部屋ではこのようなカスタマイズは難しそうです。
床がほんの少しふわふわしていたのでクッションフロアか確認したところ二重天井直床とのことでした。スラブ厚は20cmといたって一般的な厚さのようですが、遮音性を担当された営業さんに確認したところ遮音等級はL-40(LLではなくLと言っていましたが間違い?)ということで、よく見かけるスラブ厚20cmの二重天井二重床の遮音等級LL-45よりも遮音性能が良いようです。ちなみに二重天井二重床だと太鼓現象という現象で上階の音だけでなく斜め上の音が気になることもあるようです。隣戸との壁のコンクリートの厚さは即答されなかったのですが、後でもう一度確認し忘れました。なお、リビングダイニングの床暖房は2枚に分かれていて、ダイニング部分とリビング部分のスイッチのON/OFFがそれぞれできるようになっているということです。
天井高は大体2450mmで、水回りの下がり天井は大体2100mmです。リビング・洋室では梁のような下がり天井はほとんど気にならず2450mmでも天井は十分高く見えると思いました。
三井さんの物件をよくご覧になる方やお住いの方からすると当たり前なのかもしれませんが、今回、見学して印象的だったのは水回りの使い勝手の良さそうなところです。キッチンの食洗機がシンク下にある時点で驚きました。食洗機といえばキッチン作業台の真ん中についているものという先入観があったので端につけられることからして驚いてしまいました。考えてみれば食洗機に入れる前にお皿を軽く流したり拭いたりするのに、食洗機はシンク下にあった方が便利ですよね…。グリルは水無両面グリルですし、全住戸パントリーが付いています。あとカウンターは天然石です。また、洗面・風呂場では、全住戸大体同じサイズの洗面台などが採用されているということでモデルルームの広さがそのまま実際の広さになるのも検討者からすると嬉しい一面だと思います。浴室はダウンライト採用で魔法瓶浴槽が標準装備なのも良いです。さらにバルコニーにはスロップシンクがあり、子育てしているとなにかと出るドロドロの汚れ物や靴などを洗うにも便利だと思います。ちなみにバルコニーの壁板は天井まであるものが採用されていて、プライバシーが守られやすいと思います。
<東口出てすぐの妙蓮寺ビュー>
■価格
価格は発表直前に下方修正されたようで、想定価格より数十万円お安くなったようです。坪単価は245万円で、竣工済み物件のプレミスト菊名を除外すると東横線上の近隣物件の中では最も購入しやすい価格帯だということです。とはいえ、妙蓮寺だと横浜駅界隈の物件や武蔵小杉駅界隈の物件と比較する方も少なそうなので、実際の検討者にとって買いやすいかどうかはわかりません。ただし、メインとしている子育て世代は20代から30代なので、その世代が買いやすいようにという値付けをされているとのことでした。
第一期は全住戸のほぼ半数が売りに出されていて、最低価格は東棟2階(実質地上階)の71,32平米4498万円です。
最も広い北東最上階角部屋の91.02平米のお部屋は第二期分譲予定だそうです。
西棟の一部は、完全に南棟の陰になるためお安めに設定されているとのことです。
<第一期販売開始時の価格表>
■現地
現地は駅から徒歩10分表記で実際に地図アプリでルート検索するとその通りの時間が出てきますが、慣れない道なのと坂道なのとで、実際につくまでには13分ほど掛かりました。妙蓮寺駅を出てから少し歩いてすぐ長い坂に差し掛かりそこを登り切ると緩やかな坂をひたすら上っていく感じです。駅から現地まではほぼ坂道を上りっぱなしですが、このマンションのメインターゲット世代にとっては勾配がきついと感じるほどの坂道ではないのではないかと思いました。道も細くなっているような場所はなく、現地に着く直前の一瞬、鶴川街道で車の交通量が多い通りに出ますが、歩道がしっかりあるので歩くのに危険な感じはしません。ちなみに帰りは地元の人の後を辿って歩いたところ、坂の勾配がきつくないルートを辿ってこれたのですが、途中で階段を何度か利用されていたので、ベビーカーや車椅子だとどうしても坂道を利用することになるのかな、と思いました。余談ですが、帰り道で杖をつきながらゆっくりと坂を登られるご年配の男性をお見掛けして、妙蓮寺で年を重ねることをぼんやりと想像できました。
<物件現地に向かう途中にある旧三井分譲の「妙蓮寺レジデンス」>
このマンションの気になる人なら気にするだろうポイントで外せないのは鉄塔と高圧線です。実際にマンション敷地の南西部分には高圧線が差し掛かっており、高さ制限があるために階数も低く設定されているようです。そして、その高圧線を支える鉄塔が南棟の正面に立っているのですが、鉄塔が錆びついているのか薄汚れているのか、あまりきれいな見た目ではなかったのが残念に感じました。マンション完成までには塗りなおされると良いのですが…。なお、敷地の東側にもやや距離はありますが鉄塔が立っているのと高圧線が伸びているのが見えるため、敷地自体は鉄塔と高圧線に囲まれ感はあります。しかし、建物が建ってしまえば囲まれ感はあまり気にならなくなるのではないでしょうか。
<敷地南側から見える鉄塔はさび色が残念>
■周辺環境
マンションの周りは住宅街のため目立つ商業施設はありません。行くのに便利なスーパーは妙蓮寺駅反対にある「オーケーストア」です。妙蓮寺駅正面口の方は古くからの商店街があり、個人商店が並んでいます。
小学校の学区は白幡小学校という学校で、営業さんの話だと地域では人気のある学校のようです。が、徒歩8分の表記でしたので、低学年の児童の足では登下校に10分以上はかかると見ておいた方が良さそうです。中学校は神奈川中学校だそうですが、特に話題はありませんでしたので、一般的な市立中学校なのだと思われます。マンションから至近の保育園などはなさそうですが、駅の方まで行けばいくつか選択肢はあるようでした。マンションのアドレス自体は神奈川区ですが、港北区の保育園も紹介資料に含まれていましたので、広い範囲で探せそうです。ただ、営業の方は、横浜市の待機児童は非常に少なく数年前には待機児童ゼロだった、と実際に保育園を探すと対象児の年齢によっては鵜呑みにできないことをおっしゃっていたので、このマンション自体が共働き兼業主婦よりも専業主婦をターゲットにしているのかな、と思いました。
ちなみに近所に住んでいる知り合いの話だと妙蓮寺に住む方は皆さん横浜で買い物されるため、妙蓮寺自体の買い物利便性は求めていない、とのことでした。静かな住環境を求める方にはうってつけの場所ですね。
<現地、南側に面している道路は歩行者が通る程度>