こうなったことを今更嘆いても仕方ないので、どうすればいいか考えている。
ただ建築前のパンフレットには鉄筋スパイラルとかN40とか耐震性能を謳う
文句が並んでおり、大丈夫かと思った。私の買った物件は一般販売前に殆ど
売れていて、殆どの住民としては「見れば分かるだろう」と言われても戸惑う
ばかりではないだろうか。
ヒューザーに文句言いたいことは山ほどあるが、確かにテレビに出てくる住民
の反応を見れば不快に思う人が多いだろうということは想像つく。だから、組
合の会合でも、あまりそういう反応はしないで、冷静にかつ、連絡を密にとり
あって対応を考えよう、ということになっている。現時点で区レベルの行政に
大きな期待をもっている人はあまりいないようだ。そういう意味で、私の購入
したマンションの住民は一定の節度を持っているようで、多少精神面での不安
を抑えてくれている。
異論はあるとは思うが、ニュースでご存知のとおり、ヒューザーが存続して立
て替えしてくれる(買取はむずかしい、という意見は少なからず存在する)の
が次善の策ではないか、という考え、というか全体的な雰囲気はある。かく言
う私もそう思う一人。
法的な議論はよく分からないが、総立替費用の何割かでも国が融資してくれて、
ヒューザーが立て替えをしながら細々と存続してゆく道筋をつけてくれたら心
底有難いとは思う。
正直、エゴと楽観とが入り混じっているのは自覚しているし、また、これを受
けてどういう批判レスが展開されるのだろうか、と考えると不安だが、一住民と
してそのように考えている。
私ごとで恐縮だが、親を不安にさせたくなくて当該物件を購入したことを隠して
いたが、隠し通すことはできなかった。母は「人生長いんだからなんとかなるよ」
と。父は「息子と孫の夢が砕かれたことが許せない」と私の前で初めて泣いた。
親の愛情が有難く、申し訳なく、それでいて「いろんな感じ方があるものだ」と
今ひとつ自分の問題として直視できていない自分を見出したりした一週間だった。