お答えします。
①上場しているデベの経営状況については、減収減益かどうか等の「事実」を誰でも確認でき、その「事実」に基づいて自らの責任において「判断」を行うことができます。
この売主は、判断材料となる「事実」が開示されていません。
②私はこの売主の消滅リスクについて特定の結論を言っていません。
③「何が不安材料か」は人による面もあるかと思いますが、私が最も重視している事項は瑕疵担保責任の履行見込みです。
ちなみに姉歯の耐震偽装事件では、瑕疵担保責任を負うべきヒューザーが消滅したために購入者は多大な経済的・精神的ダメージを受けてしまいました。
このような事象の再発を防止するため、国は「住宅瑕疵担保履行法」を施行しましたが、この物件は同法の適用対象外なので、売主が瑕疵担保責任履行不能になった場合の消費者救済措置はありません。(この物件だけでなく、来年10月より前の引渡し物件はこの点では共通しています。)
私が「消滅リスクの相対的に小さい売主を選ぶことが大事」と考える理由はそこにあります。
なお、私はデベの見極めにあたっては、
「販売部門を自社内で持っているか」
「管理会社を系列に持っているか」
も勘案します。
いずれも「マンション事業に本気で取り組んでいるか否か」の判断材料となるからです。
最後に、繰り返しますが判断は個々の自己責任において行うものです。
「この売主の消滅リスクが高いか低いか」自体をここで論ずるつもりは私はありません。