将来の修繕積立金について!
機械式駐車場がなくて、普通の平置きや自走式の駐車場のみのマンションにおける修繕積立金は、概ね管理費の1.5倍で済めば良い管理をしてきた物件になります。
これは築後10年以内に修繕積立金の値上げを実施し、金額を段階的な値上げではなく、フラットにしたマンションの話しです。管理費が月間15,000円ならば修繕積立金は22,500円が適正水準です。1日も早くこの金額にすれば何とか22,500円ぐらいで済むのです。遅れれば将来の修繕積立金は莫大な額になります。
この物件は機械式駐車場の維持補修・建て替え費用を更に加算する必要があります。この加算金額を余裕をもって多目に試算しておきましょう。大半の購入者がリタイアし年金生活に入る時期に修繕積立金を大幅に上げざるを得ないマンションになると居住者にとって悲惨な状況にもなりかねません。
このマンションの15年後の修繕積立金は、少なめに試算しても月間35,000円ぐらいにはしないと、機械式駐車場の更新建て替えが出来ない状況に陥る可能性があります。機械式駐車場の建て替えはマンション自体の寿命【マンションの建て直し】を何年後と仮定して試算するかにより、かなり異なります。機械式駐車場はこの間に少なくとも2〜3回の建て替えは必要です。
マンションの建て直し時期には、仮住まいの費用や往復2回の引越し費用が発生します。購入者の子供や孫が住んでいる時に必ず建て直し問題が発生します。この費用と建て直し負担金【新しいマンションの建築費】を貯めて相続者に引継ぐ必要があります。
必ず、機械式駐車場の3回程の建て替えや、メンテナンス費用を横目で見据え将来の修繕積立金の額を試算して下さい。個々の購入者の責任において、将来の修繕積立金は絶対に試算してから購入を検討して下さい。売主や管理会社は管理組合が指示しない限り動きません。全ての責任は管理組合すなわち購入者にあります。
購入を決める前に、マンションの寿命時期や建て直し時の必要資金の試算を、相続する自分の子供や孫のためにもシッカリと行いましょう。これを誤ると不良資産を子供や孫に押しつけることになります。
マンションに限らず不動産の購入には、次世代のことまで含めた長期計画が極めて大切なのです。