阪神高速:環境ロープラ恒久実施、国が減収補てん 湾岸線・大型、神戸線の半額
◇誘導作戦
国と阪神高速道路会社(大阪市中央区)は6日までに、公害病患者の多い兵庫県尼崎市の市街地を通る3号神戸線から、臨海部の5号湾岸線に大型車を誘導する目的で料金格差を設ける「環境ロードプライシング」を恒久実施する方針を決めた。09年度早々にも実施する。対象は大型車で、時間帯割引などを含めると湾岸線の料金が神戸線の半額程度になる。環境保全目的で通行料金に格差をつける制度の本格実施は全国初となる。
同日午後尼崎市で開かれる国、阪神高速側と患者団体側との協議で方針が示される。環境ロープラは、尼崎市の公害病患者らが国や旧阪神高速道路公団を相手取って通行の差し止めなどを求めた尼崎公害訴訟が和解(00年12月)した際、和解条項に盛り込まれた。
06年に2カ月間、試行された際には、湾岸線の大型車通行量が多い区間で19%増えるなど一定の効果があった。患者らは恒久実施を求めていたが、割引で減収につながる阪神高速側は難色を示しており、国がロープラで生じた減収分を一部補てんすることで実施が決まった。
対象となるのは、自動料金収受システム(ETC)装着の大型車で、天保山(大阪市)~六甲アイランド(神戸市)の区間で通行料金が3割引きとなる。湾岸線では元々、土曜休日割引や平日時間帯割引などのサービスがあり、これらを組み合わせると約半額になる。
「尼崎公害患者・家族の会」の松光子会長は「長年闘ってきた成果だ。すぐに車が減るか分からないが、周辺環境の改善に期待したい」と話している。【幸長由子】
http://mainichi.jp/kansai/news/20090306ddf001040016000c.html
湾岸線に大型車を誘導するために、税金が使われるということか?