栄泉不動産が再生法申請 負債総額580億円
「ロイヤルアーク」シリーズで知られるマンション分譲会社の栄泉不動産(大阪市中央区)が29日、民事再生法の適用を大阪地裁に申請し、保全命令を受けた。負債総額は約580億円。申請代理人は「米国の金融危機に端を発した不動産市況の悪化が響いた」と説明しており、営業は続ける。
申請代理人や帝国データバンクなどによると、同社は1953年8月に「住友生命ビルディング」として設立。その後、旧住友グループから米金融大手モルガン・スタンレーの系列に移った。
大阪、東京など全国の主要都市に営業拠点を持ち、マンション分譲を柱に商業ビルの販売や不動産賃貸も手がけ、ピーク時の93年1月期には645億円を売り上げた。
しかし2000年以降、多額の債務に苦しみ、営業所閉鎖などのリストラを進めたが、08年1月期の売上高は240億円にまで減少。今年1月期には大幅な資本不足に陥る見通しとなったが、債務免除などの支援を得られなかったという。
同社は2月2日、大阪市中央区のエル・おおさか(大阪府立労働センター)で債権者説明会を開く。