ミサワホームはだめですか

私がお付き合いした限りでは、ミサワホームはだめです。

私の土地に娘夫婦が家を建てることになり、何社かのＨＭを検討しました。私は構造設計の仕事をしており、最近自宅を建てたこともあって住宅建築にはそこそこの知識があるので打合せにはいつも同席していました。どのＨＭも百点満点とはいきませんが、特にミサワで引っかかったのは次の点です。

１）娘夫婦の要望リストの中に書斎がほしいというのがあり、これを見た設計士のおっさんが「書斎はだんなさんの夢ですか」と言ったこと。文章では伝わらないかもしれませんが、明らかに「書斎がほしいなんて、若造には１０年早いよ」的なニュアンス丸出しの言い方でした。施主の立場に立って物を考えるという教育がなされていないんだと思いました。

２）ミサワは布基礎しかやりません。標準では防湿コンクリートもなしで、打ってもらうには何十万円もかかるそうです。他社はベタ基礎で防湿性能も高い点を指摘すると、ぐちゃぐちゃと布基礎のメリットを説明して最後に布基礎はベタ基礎に比べて軽いので地震に対して有利だと言ったこと。屋根が軽いと耐震性能上有利なのは常識だけど基礎が軽いと耐震性能がアップするなんてのは非常識。基礎は半分地盤に埋まっているから地盤の地震時挙動に影響を与えるほど大きな重量差がない限り関係ありません。営業が言ったわけではなく一級建築士と名刺に刷り込んである設計士の言葉だから驚きます。つい最近我が家の数軒先でミサワによる新築工事が始まりましたが鋼管杭による地盤改良をしていました。この辺りは１万年以上前の洪積世の地盤で沈下の心配はないので地盤改良する家はまずありません。ＳＳ試験の結果ちょっとでも軟弱層があると何でも改良してしまうのは会社としての技術力不足なんでしょう。パネル工法自体はなかなかいいと思うんですが、現場レベルの設計士の技術力には大きな疑問符がつきます。

３）最初のプランは140平米ほどでしたが予算を伝えた後のプランは130平米に削られました。140平米では予算的に無理と判断したようで、それはまあいいんですが1800x900のダイニングテーブルと1490x1610のグランドピアノは持って行くのでそのスペースは必要ですと伝えてあったにもかかわらず新しいプランでは5.5畳のダイニングルームにこの２つが押し込められていました。よく見るとテーブルとピアノの絵が最初のプランに比べて明らかに小さいんです。テーブルは実寸にすると1300x900、ピアノは1100x1100くらいしかありません。実際のテーブルとピアノを入れたら人が通るスペースがないにもかかわらず、故意に家具を縮小して書き込みあたかもちゃんと収まって動線も問題ないかのようなプランを出してきたのには開いた口がふさがりません。プランの名に値しないプランですが、もし「これでＯＫです。ミサワさんにお願いします」と言ったらどうするつもりだったんでしょう。

さすがにこんなプランを出してくるところは駄目だということでお断りして、結局比較的ローコストの大手ＨＭで契約しました。オプションで値の張りそうなものはできるだけ事前に洗い出して140平米で予算を少し下回りました。ミサワは本気の値段を提示してもらうとこまで行きませんでしたが、定価ベースの値段から判断すると契約したＨＭよりは１割以上は高い感じでした。優・良・可・不可で評価すれば契約したＨＭは良、ミサワは明らかに不可でした。