国土交通省が、建築物の耐震強度に地域ごとで差をつけている制度の見直しを検討していることがわかった。能登半島地震や熊本地震など、半世紀近く続く現行の基準で必要な強度を割り引くことが認められている地域で大規模地震が相次いだことを受け、基準を全国一律とすることも視野に入れている。
耐震基準は、震度6強~7程度の地震でも倒壊しない強度を原則とするが、構造計算が必要な鉄筋コンクリートの建築物と3階建て以上の木造建築物では地域差を設定。地域ごとにリスクを評価し、耐震強度に「地震地域係数」を掛け合わせることが建築基準法で定められ、係数が国交省の告示で規定されている。
東京都や大阪府などはリスクが大きいとして係数は「1・0」だが、新潟、広島県などは「0・9」、福岡、長崎県などは「0・8」とされ、構造計算時にそれぞれ強度を1割、2割下げることができ、一般的に建築コストが低くなる。
「1・0」に統一する場合、国交省の告示を改正した上で、改正後に建てられる建築物に適用する。国交省幹部は「耐震強度に地域差があることが、防災意識を醸成する妨げになりかねない」としている。
今年の秋からとのこと。そうすると今までの建物は旧耐震扱いとなりうる。