少し気になったので、放射線被ばくによる発がんリスクについて計算してみました。
1.放射線被ばく量
流山の放射線量が0.6μSv/hですから、1日24時間、365日浴びた場合は年間5.26mSvとなります。
(通常一年間に浴びる放射線量は2.4mSv)
1日中外にいる事もないと思いますので、上記の値を最大値の目安です。
1日8時間、200日なら0.96mSvとなります。
2.発がんリスク
まず、被ばく量とがんになって死亡する確率の相関係数ですが、
「WHO飲料水水質ガイドライン 第3版」の第9章 放射線学的観点に掲載されています。
それによると、全集団に対する致命的ながん、非致命的ながんおよび重度の遺伝的影響を含めた、
放射線によるものとして推計される健康影響の正規確率係数は、7.3×10-2/Sv(ICRP, 1991)
とあります。
これは年間の値ですので、一生を70年としてガンで死亡するリスクを計算してみます。
・1日24時間、365日浴びた場合:1年で3.8x10^-4、一生で2.7x10^-2
・1日 8時間、200日浴びた場合:1年で7.0x10^-5、一生で4.9x10^-3
3.その他リスクとの比較
がん、交通事故、自然災害のリスクと比較してみます。
・がん :10万人あたりの年間死亡率 250人,年間死亡率 2.5x10^-3, 生涯リスク 1.8x10^-1
・交通事故:10万人あたりの年間死亡率 9人,年間死亡率 9.0x10^-5, 生涯リスク 6.3x10^-3
・自然災害:10万人あたりの年間死亡率 0.1人,年間死亡率 1.0x10^-6, 生涯リスク 7.0x10^-5
*もともとがんになって死亡する確率は結構高いです。
つまり、放射線の影響でがんになり死亡する確率が、2.8~15.3%上昇することになります
ちなみに喫煙者と非喫煙者のガンになる確率の比較としては、各部位が1.2~2.6倍、
喉頭がんが32倍~100倍と言われています。 ですので、周りにたばこを吸われる方がいる場合は、
放射線防護の統計的な意味がありません。
計算してみて気がつきましたが、もともとガンで死亡する確率は交通事故での死亡率の25倍もあるんですね。もちろんがんの他に現在解明されていない新たな病気が明らかになる可能性もありますが、
以上を踏まえて、各自放射線防護を行えば良いのではないでしょうか。
長文失礼致しました。(同様の計算は日経新聞2011年4月25日にも掲載されています)