でべろっぱの青テント

探してないの？探したでしょ？

まーが、じーちゃんばーちゃんに悲しい思いをさせたのは事実。

育てた方からすれば、怪我や病気やその子の環境を心配しながら見守ってるのに、突然消えたら辛かったし心配したと思う。

叔母さんの言い方は確かに意地悪。
お母さんの件と絡める必要性は無かった。

だけど、天国のじーちゃんとばーちゃん、お父さんにはいつか安心させてあげる生活するのが、恩返しで有り罪滅ぼしで有り、嫌な親戚への仕返しだと思う。

親しい人を亡くした時、人は冷静でいられない。
悲しみを誰かに対する怒りに変えてしまうこともある。
叔母さんは自分の親を亡くしたんだよ。
まーの事で悩む祖母(叔母にとっては母)を見てたら文句も言いたくなるさ。

あたいは父親の葬儀で母に言われた言葉は絶対に忘れられない。
｢泣いてないけどあんたは悲しくないの？｣
泣きじゃくる母に変わって自分がしっかりしないとと思い、涙を我慢していたら言われた一言。
かなり傷ついてしばらく母を許せなかった。
今では仕方ないと思って許せるようになったけど、それでも嫌な気持ちになるよ。

結局、涙でなかったんだ･･･

相手が泣いていて此方が冷静になる時は涙は出ないよ。

それどころじゃなく本気で悲しい時はそんな事言ってられないから

髪の毛振り乱して泣くもんだよ。

人それぞれだと思う。

まーもお葬式に派手なカッコはよくないよね。
お水してると葬儀の服装までわからなかったのかな。

人それぞれ？んだ、いろんな人がいるからね。

子供に落ち度があると母親のせいにされるからね。『志津子さんの血』と言われても仕方ないかも…。

「志津子さんの血」と言われない様頑張って欲しい。
自分の為にもじーちゃんばーちゃん、お父さんの為にも。

それから1番心配しているお兄ちゃんの為にも。

そんないけずな家だったら志津子さんも出て行くだろうさ。
そもそも歓迎されてない嫁だったからね。
見方のいない家は針のむしろだったんだろうな。
自分も志津子さんの立場だったら全てを捨てて投げ出したくなるかもね。

嫌な親戚ってだいたいどこの家にもいるのでは。うちにもいるし、前の旦那の親戚にもいたわ。

出ていった志津子さんにも残ったデベじじばばにも言い分があるだろうし、難しいよね。

んだ。

んでもじじぃがなぜあの世で金髪にしたかは永遠の謎。

じじぃ、髪あったんか？

妹は三日間の旅行に行くと嘘をついて家を出た。
その三日間は祖父母に捜索されることはない。
その間に既成事実を作ってしまおうと考えた。


朝早くの新幹線に乗り、昼頃東京に着いた。
まず最初にしたことはアパート探しだ。
「場所はどこでもいいから安いアパートを探してます」
そう言っても、保証人のいない19才の少女に部屋を貸す家主なんかいるはずがない。
妹は絶望で目の前が真っ暗になった。


その日はネットカフェに泊まり、翌朝わしの携帯にメールを打ってきた。
家を出たこと、美容学校を辞めるつもりであること、アパート探しが難航していることや今の気持ち等々が綴ってあった。
メールを読んだわしは実家に電話した。
ばーちゃんが出た。
大阪に帰るように説得して欲しい。
そう頼まれた。


電話を切って妹に返信した。
「本日19時、三越本店のライオン前で待て」

まーは行き当たりばったりやな…

まーも居場所がなかったんだな(T_T)

捨てられた子共は一生負の人生。たとえ捨てた親に会っても幸せなどない。

捨てた母親を恨み責めるであろう。会えば苦しみが倍増する。

どうしようもない人生を歩んでいくしかない。

いくら富を得ても生きている限り負の一生から変わる事はできない。

ただひとつあるとすれば過去は完全に忘れ消し去り人生を歩いていくしかない。

過去に翻弄されて行く人生は不の人生なり。